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不調が起きやすい今だからこそ、さまざまな体のメンテナンスが大切だ。健康でいるための生活のポイントを、カイロプラクターのドクターベルモンテが教えてくれる連載。
ヘルニアの話題も今回で3回目。前回はコックステクニックの減圧療法の話をしました。専用の治療台で、カイロプラクターが患部の状態を確認しながら、手技と治療台の操作を同時に行うことで、椎間板にかかる圧力を軽減し、少しずつ髄核を正常な位置に近づけていく療法です。
この療法が、進行したヘルニアにも効果があるのかとよく聞かれますが、答えはイエスです。全てのステージのヘルニア治療に対応します。といっても、繊維輪を破って椎間板から飛び出した髄核を元の位置に戻すことはできないので、飛び出した部分が炎症を起こさないよう、落ち着かせる治療を行います。痛みの原因は炎症なので、炎症さえ抑えれば、ヘルニアがあっても椎間板の状態を改善し、健康な状態に維持することができるのです。
コックステクニックでの治療に際して、我々が「50%ルール」と呼ぶところのプロトコルがあります。治療開始後4週間で、痛みが50%軽減することが一つの目安だということ。その後通院回数を減らしながら、さらに2カ月くらいで椎間板が修復されていきます。そうならない場合は、痛みの理由がヘルニア以外にあることを疑い、再検査を勧めることがあります。
さて、この最初の4週間は最低でも週に2、3回の通院が必要です。保険がカバーするとはいえ、回数が重なれば経済的負担も増えますし、何より忙しい中での週2、3回の通院は大変でしょう。しかし、最初が肝心とはよく言ったもので、将来的な再発を防ぐためにも、この時期の治療は重要です。
再発を防ぐためのカイロ
どんなけがでも、傷めた直後の4〜6週間は、人間の体が自分の力で壊れた組織を回復させようとする治癒過程に入ります。炎症もその過程の一部です。椎間板ヘルニアの場合、この時期に自然治癒力だけに任せれば、ヘルニアによって傷んだ組織はそのままの状態で固まってしまいます。患部にケロイドのような傷跡(瘢痕組織)が残るといえば分かりやすいでしょうか。痛みも治まり、完治したような気になりますが、そういう組織は非常にもろく、再発の原因となります。それを防ぎ、椎間板の健康を維持するためには、コックステクニックで体の治癒力を援護してやることが必要になります。
そして治療というのは、通院して施術を受けることだけにとどまりません。自宅でのリハビリを続け、意識して生活習慣を改善してこそ、カイロプラクティック治療の恩恵をフルに受けることができることを、忘れないでください。
安静か動くか、どっち?
「椎間板ヘルニアの治療では、安静にするように言われますが、つまり動かないで寝ている方がいいということですか」とよく質問されます。痛みの程度によりますが、寝てばかりいるよりは、無理のない範囲で、少しずつでも適度に動かした方がいいというのがそれへの回答です。
ではどのくらいが「無理のない範囲」で、どの程度動かせば「適度」なのか。正直、これは患者さんに自己判断してほしくないところです。言うまでもありませんが、激痛がするときは適度に動かすも何もありませんから。
冷やすのか、温めるのか、安静にするのか、動かすのか――けがや痛みの対処は、本当にケース・バイ・ケースです。最近はインターネットで検索すればさまざまな情報が入手できますが、それらが全て正しい情報とは限りません。情報自体は正しくても、どの情報が自分に適しているのかの判断は難しいものです。
個々に適した治療法を見つけるためには、自己診断・判断しないこと。そのために我々専門家がいます。
ジョン・J・ベルモンテ 先生
John J. Belmonte, DC
E. 53 Wellness院長。
カイロプラクター(Doctor of Chiropractic)。
全米カイロプラクティック協会会員、ゴルフPGAツアー・スポーツ医学チーム所属。
アスリートのけがの治療、妊娠中の痛みの緩和、成長期の子供のカイロ治療も手掛ける。
E. 53 Wellness
211 E. 53rd St./TEL: 212-980-4211
e53wellnessnyc.com
「自己診断しないこと」
痛みがあるとき、それはどこかで炎症が起こっているということ。炎症を抑えるためには抗炎症剤を使う、冷やす、温める、ハーブやサプリを摂取するなど、あらゆる対処方法があります。どの方法が最も適しているかは、その痛みがいつ、どうやって始まったかによって、本当にケース・バイ・ケースです。自己診断すると、症状を悪化させてしまうこともしばしばです。専門家に相談して、最適な治療法を一緒に模索してください。
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