心と体のメンテナンス

免疫アップ&コロナ、フルー撃退の食考(前編)

撃退フルー&オミクロン
抗ウイルス&抗菌サプリ

Q. ホリスティック医療のアプローチとは?

A.

辞書的に解説するなら「全体観的な健康学」で、ライフスタイル全般から総合的な健康を目指す代替医療です。今回は食にフォーカスします。

西洋医学における栄養学のベースが、例えば米農務省が奨励する「食のピラミッド」だとすれば、ホリスティック栄養学のベースは「体に悪いものを排除していくこと」です。すでに糖尿病や高血圧など慢性疾患を抱える人には、個別にカスタマイズした食事療法が必要になりますが、一般的な健康管理や、日頃からの免疫アップのための食事の原点は主食を野菜と果物にすること。他の食材(肉も魚も)も必要ですが、野菜と果物中心の食事がホリスティックのベースになります。

 

あるマルチビタミン剤のラベル。ビタミンCはアスコルビン酸(Ascorbic acid)という合成ビタミンだが、ビタミンB12は活性型メチルコバラミン(Methylcobalamin)という自然界に存在するもの。「面倒でもラベルのチェックは大事です」と鹿島さん

Q. 免疫アップのための栄養素は?

A.

風邪、フルーに加え、オミクロンの脅威も残る今年の冬、いくつかお勧めのサプリメントがあります。

■亜鉛(zinc)とキャッツクロー(cat’s claw=アマゾンの奥地に自生するヒシ科の植物)=いずれも風邪やフルーウイルス、その他細菌を退治します。現代人は特に亜鉛が不足しているといわれているので、注意して摂取を。いずれも、体内吸収率が高い液体のものをお勧めします。

■ビタミンC=選ぶ際の注意点は:
・天然由来のビタミンCを摂取しましょう。有機カムカムベリー(camu camu powder)や、アセロラ(acerola)パウダーに含まれるので、検索してみてください。レモンなどの柑橘類もお勧めです。
・残念ながら、市販のビタミンC商品は、ほとんどがアスコルビン酸(Ascorbic acid)と表示されている合成ビタミンCです。これは、デンプンなどのブドウ糖から、分子構造を変化させてビタミンCに変換したもの。天然でも合成でも、同じ化学構造なら同じビタミンCとして扱われ、効能にも大差はないとされますが、合成ビタミンCを作るために遺伝子組み換え(GMO)のトウモロコシが使用されているので、ホリスティックの観点からはお勧めできません。

■レモンバーム=ミントの葉のようなハーブで、液体エキスが売られています。抗ウイルス、抗菌作用、吐き気や食欲不振を緩和する効能があります。

■ビタミンB12=細胞遺伝情報が詰まった核酸(DNA、RNA)や、アミノ酸、タンパク質の合成を助けます。「活性型メチルコバラミン(Methylcobalamin)と、アデノシルコバラミン(Adenosylcobalamin)と表示がるあるものを選びましょう。これらは、肉、魚、卵、牛乳などから得られる、自然界に存在する物質です。一方で市販商品の多くは、シアノコバラミン(Cyanocobalamin)使用の、自然界に存在しない合成ビタミンB12です。

その他、エルダーベリー(elderberry)のシロップ、ウコンの成分であるクルクミンもお勧めのサプリメントです。ここで紹介したものは、日常的に少量を摂取し、体調が悪い時は量を増やすといいでしょう。

 

Q. 大流行したセロリジュースとは?

A.

アンソニー・ウィリアム著「Medical Medium」で効能が解説され、世界的なブームを起こした健康ジュースです。朝一番でセロリの茎と葉をジューサーにかけ(ブレンダーなら濾す)、16オンスを一気飲み。その後1時間以上空けて朝食を取ると、胃腸の健康維持に必要な塩酸を増やすことができるというものです。(後編につづく)

 

 

 

 

 

鹿島香さん
Kaoru Kashima
_________________
米国代替医療協会認定ホリスティック・ヘルス・カウンセラー。
インスティチュート・オブ・インテグレイティブ・ニュートリション卒業。
食を中心に健康的なライフスタイルを指導する。
腸炎、高血圧、リウマチ、糖尿病、不妊症の患者を主にカウンセリング。
遺伝子組み換え食品に反対する非営利団体主宰。

 

TEL: 917-478-2192
kaoru@krlllc.com
kaorukashima.com
behealthyandbehappy.com(日本語ブログ)

 

 

               

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