大学進学を考える 日本と米国、二つの国で学び暮らす選択
コロナ禍を経験して社会は大きく変わった。日本社会も例外ではない。未来を見据えて、グローバルな大学進学の選択肢の一つとして、米国と日本で自分たちのルーツを生かす学びについて掘り下げる。
不調が起きやすい今だからこそ、さまざまな体のメンテナンスが大切だ。健康でいるための生活のポイントを、カイロプラクターのドクターベルモンテが教えてくれる連載。
前回は、椎間板ヘルニアの発症メカニズムと、症状の進行についてお話ししました。今回は、椎間板ヘルニアのカイロプラクティック治療についてお話ししようと思います。
その前に少しおさらいです。椎間板とは、脊椎(背骨)を構成する椎骨と椎骨の間にある軟骨を指し、中心にある髄核と、それを取り囲む線維輪で構成されています。椎間板ヘルニアは英語で「slipped disc」と言いますが、椎間板そのものが椎骨と椎骨の間から滑って飛び出すという意味ではないので、誤解のないように。椎間板ヘルニアとは、髄核が椎間板の外に出た状態のことです。
カイロプラクターはその臨床経験からの知識に加え、問診と触診で総合的に判断し、ある程度はヘルニアの進行具合を知ることができます。もちろん、必要に応じてレントゲンやMRI(核磁気共鳴画像法)を処方し、詳しく調べます。その上で私のクリニックでは、医療機関・検査機関と提携し、カイロの手技による治療法でヘルニアの改善に取り組みます。
私が行う治療は、カイロプラクティックの中でも「コックステクニック」という減圧(decompression)療法です。椎間板にかかる圧力を手技で軽減することで、少しずつ髄核を正常な位置に近づける療法です。
コックステクニックとは
米国人カイロプラクターのジェームズ・コックス博士が、米政府の助成を受けて開発した、椎骨矯正療法をコックステクニックと言います。カイロプラクターが全員この治療法を使うかというと、そうではありません。専門の訓練を受け、技術認定医師の資格を取得した者だけが、この治療法を提供できます。
治療には、専用の治療台「コックステーブル」を用います。50年以上に及ぶ臨床研究を経て発展を遂げ、現在は椎間板ヘルニアだけでなく、各種の痛みの治療に効果を発揮している治療法です。特に腰痛の治療への効果が評価されています。
コックステクニックの「減圧療法」とは、椎間板を挟む椎骨と椎骨の間隔を広げてやることで、椎間板にかかる圧力を減らすという、実は非常にシンプルなアプローチです。そうすることで、椎間板が本来の厚みを取り戻し、外に飛び出しかかった髄核を徐々に椎間板の中に戻してやるわけです。治療の過程で、患部への血液循環が改善することで、髄核を取り囲む線維輪の状態も改善します。そうすると、髄核に再び栄養を取り込むことができるようになり、椎間板が健康な状態に保たれるという筋書きです。
push・pull・pump!
「コックステーブルは、頭部、胸部、腰部、脚と、体の部位ごとに分かれたデザイン。矯正はゆっくり行うので、痛みはありません」とベルモンテ先生
治療では、コックステーブルの上に患者にうつ伏せか横向きに寝てもらい、カイロプラクターが「push」「pull」「pump」の3つの動作をリズミカルに行います。患部を一度押して(push)から引いて(pull)、吸わせる(pump)という一連の動作です。ここでスポンジを想像してみてください。スポンジはそのまま水に浮かせても水を吸いますが、一度手でつぶしてから水中に放り込むとより多くの水を吸いますね。その原理を椎間板ヘルニアの治療に応用したのがこの治療法。椎間板に周辺組織から栄養分を含む体液をより多く取り込むことで、つぶれた椎間板の本来の厚みを取り戻し、外に出かかった髄核を内側からひっぱり戻すのです。
この「push」「pull」「pump」の動作の鍵は、カイロプラクターが手で患部の感覚を確認しながら、患部への手技と治療台の操作を同時に行うこと。この絶妙なタイミングこそがコックステクニックの真骨頂です。
次号では、この治療法が進行したヘルニアにも効果があるのかなど、もう少し詳しく説明します。
ジョン・J・ベルモンテ 先生
John J. Belmonte, DC
E. 53 Wellness院長。
カイロプラクター(Doctor of Chiropractic)。
全米カイロプラクティック協会会員、ゴルフPGAツアー・スポーツ医学チーム所属。
アスリートのけがの治療、妊娠中の痛みの緩和、成長期の子供のカイロ治療も手掛ける。
E. 53 Wellness
211 E. 53rd St./TEL: 212-980-4211
e53wellnessnyc.com
「自分の体をいたわるべし」
椎間板ヘルニアの予防には、中腰で長時間作業を継続したり、重い物を持ったりなど、腰や背骨に負担が掛かる作業を避けることに尽きます。職業によっては、避けることができない場合もあるでしょう。その場合は、腰にコルセットを着用するとか、同じ体勢を続けず定期的に体勢を変えて体をほぐすとか、工夫して体をいたわってあげてください。さらには、負担に耐え得られる体を作るため、食事にも気を配ることも大事なことです。
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