大学進学を考える 日本と米国、二つの国で学び暮らす選択
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疲れにくい動けるカラダとは、どんなイメージがありますか?
理科室にある骨格標本が自由自在に動くようなカラダを想像する人がいます。 開脚や前屈ができるというのもそのイメージのひとつです。
ストレッチや体操をして、180度開脚ができたり、前屈で地面に手がつくようになると、いかにもカラダが動くようになった気がします。
しかし、必要以上に柔軟性を追求するとむしろ怪我のリスクが高まります。ヨガインストラクターやプロダンサーは、カラダがやわらかすぎるために一般の人よりも故障しやすいのです。そもそも柔軟性は遺伝の要素もかなり強く、5歳児でもカラダの硬い子と柔らかい子がいます。
疲れ知らずの動けるカラダをつくりたければ、毎日ストレッチをしても、ほとんど意味はありません。なぜなら、日々、歩いたり、階段を上がったり、走ったり。私たちの日常動作は、ストレッチの動きではないからです。
生きて活動していれば毎日が怪我の連続です。久しぶりに階段を上がる、慣れない靴を履く、走る、長時間立ちっぱなしになる。このとき私たちのカラダは軟 部組織(筋肉・靭帯)のマイナーテア、すなわち細かい筋繊維の故障、破れを起こしています。筋肉は負荷により疲労し、耐えられなくなると壊れます。
すると、修復する際にかさぶたのような癒着、硬い状態がつくられます。十分 に回復しないと、筋肉が硬く、短く、弱くなるという負のサイクルが始まります。 これが軟部組織の損傷が慢性化する大きな理由です。
次に関節まで動きが制限されて、カラダは硬く動かなくなっていきます。あぐらがかけないというのは、股関節が硬くなってしまっている症状です。
そこで開脚できるように、股割りなどをおこなうわけですが、動けるカラダにはなりません。なぜなら、ストレッチは筋肉を長く伸ばすだけで、歩いたり走ったりするために必要な安定性やバランス感覚は鍛えられないからです。
普段どおりの生活を送っていても、私たちのカラダは毎日疲労し、壊れては修復しての繰り返しだということを知ってください。
だから、激しい運動は何もしていないのに「なぜか最近、椅子から立ち上がるのがおっくうになった」「階段を上がるのがつらい」「靴のへり方が左右異なる」「つまずくことが多くなった(普段つまずかないところでつまずく)」といった、ちょっとした不具合は簡単に起こります。
これは、機能運動性が衰えているサインです。機能運動性とは柔軟性(関節の 可動域)、安定性(筋肉の強さ)、バランス(動きの協調性)の総合得点で、カラダを動かしたいように動かせる能力です。一生動ける疲れ知らずのカラダをつくる鍵は機能運動性の向上にあると断言します。
カラダはすぐにサボるので、普段使っていることにしか機能しなくなります。猫背の人は前にばかり背骨を曲げているので後ろにそりにくくなります。毎日デスクワークをして、家に帰ってテレビを見て寝る生活。運動しないからではなく、同じ使い方しかしないから機能運動性がどんどん失われます。
体力の衰えを実感するとは、機能運動性が落ちているのです。人間の機能運動性について、医学的見地から突き詰めている理論を機能運動医学(Functional Performance Medicine)と言います。(次号につづく)
仲野広倫
Hiromichi Nakano, DC
創業大正15年、仲野整體4代目。
幼少の頃から自然医療に触れて育つ。
日本の実家で修行を経て、単身渡米。
南カリフォルニア健康科学大学(SCUHS)卒業。
2019年パンアメリカン競技大会、2021年東京オリンピックにアメリカオリンピックチーム(TEAM USA)に正式帯同した唯一の日本人。
カイロプラクティック認定スポーツ医(CCSP)、認定学位(DACBSP)、ストレングスコーチ(CSCS)等の学位を所持しそれらスポーツ医学の知識とトップアスリートの診療経験から筋肉骨格系の症状を根本的に治す『機能運動医学』を考案。
カイロプラクティック、整体等の様に姿勢、骨盤のズレなどの見た目問題ではなく根本的なカラダの『機能運動性』を自分自身で理解、改善することで健康を維持できると書いた出版書籍の『世界の最新医学が証明した 究極の疲れないカラダ』『根こそぎ疲れがとれる究極の健康法』は累計16万部を突破。
アメリカトップレベルのアスリート、著名人の診療にもあたり、現在もミッドタウンにて自らのクリニックTAI NYCにて日々の診療にあたる。
・「仲野さんにはぼくもニューヨークで何度も救われました」坂本龍一さん(音楽家)
・「スピードを落とさず働くために最高のアドバイスが詰まった本」南壮一郎さん(株式会社ビズリーチ 代表取締役社長)
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