ドクターベルモンテが教えるウェルネス道

背骨の美しいカーブを維持 朝晩ベッドでできる体操も

今月のテーマ:チャチャっとできるS字カーブ・エクササイズ(Vol. 7)

不調が起きやすい今だからこそ、さまざまな体のメンテナンスが大切だ。健康でいるための生活のポイントを、カイロプラクターのドクターベルモンテが教えてくれる連載。


先月は、首から腰までが緩やかに「S字」にカーブしていることを話しました。このカーブがなくなり、背骨や首が真っすぐになってしまうと、外部からのショック吸収力が減退し、頭痛や腰痛などさまざまな健康上の弊害を招きます。

そこで今回は、当院の日本人理学療法士・城戸亜幹絵(あきえ)が、背骨のS字カーブを保つ/取り戻すための、簡単なエクササイズをご紹介します。写真の②骨盤体操、③寝転びツイストは寝る前や、朝目覚めた時にベッドに寝たままでできるので、ぜひ朝晩の日課にしてください。①猫ポーズと④耳肩ラインは、仕事の合間や、自宅でリラックスしている時に意識してやってみてください。全て短時間でチャチャっとできるものばかりです。

簡単S字エクササイズ

①猫ポーズ=よく知られたヨガのポーズです。両膝を腰幅に開き、両手は肩の真下。四つんばいの状態で、息を吸いながら胸を前に押し出すイメージで背骨を反らせます(腹部は床方向に、尾骨は天井方向に。頭は上げて天井を見る)。次に、息を吐きながら背骨を丸めます(腹部も尾骨も先ほどとは逆方向に。頭は下げて腹部を見る感じで)。「1、2、3」のカウントで呼吸に合わせて反りと丸めるのを10〜12回。1日何セットでもやってください。

②骨盤体操=腰幅に膝を立てて寝転び、息を吐きながら腹筋の力で、骨盤を肋骨方向に引き上げます。自然に背中が床に押し付けられ、骨盤が少し床から浮くイメージで。次に、息を吸いながら逆の動きをします。骨盤を床に押し付け、骨盤のすぐ上の背骨と床の間に空間ができるイメージで。ごく小さな動きです。「1、2、3」のカウントで、呼吸に合わせて10〜12回。夜寝る前と、朝起きた時にベッドの上でやってもいいですが、ヨガマットやカーペットの上の方が、骨盤の微妙な動きを実感できると思います。

③寝転びツイスト=横向きに寝て、上の膝を体の前で90度に曲げ、上の腕を逆方向に開き体をツイスト、顔も逆方向を見てください。そのまま深呼吸を2回、逆サイドも同じように。左右2回セット。痛みに耐えるほどツイストするのではなく、「痛気持ちいい」程度に。朝晩ベッドの上でぜひやってほしいエクササイズです。夜はよく眠れ、朝は目が覚めますよ。

④耳肩ライン=目線は真っ直ぐ。背筋を伸ばし、頭は天井から吊られている感覚で後方に引き、顎も引きます。肩も後方に引き胸を開きます。こうすると、耳と肩が上下同じラインに真っすぐになるはずです。この状態を3秒キープから始め、徐々に10秒くらいキープできるようになりましょう。10回セットで。耳と肩が同じラインにあるか、最初は誰かに横から見てもらうといいでしょう。感覚をつかめたら、自分一人でできます。立っても座ってもできるエクササイズです。

この他、タオルを首に掛け、両端をつかんで体の前方にタオルを引き、頭をそれとは逆の後ろに傾けることで、骨のカーブを促すストレッチもあります。ストレートネックの予防にもなります。タオルがなくても大丈夫。両手の指3本(人差し指、中指、薬指)を、首の真ん中くらいの位置で骨の両脇につけ、内側に指で押すようにしながら、頭を後方に倒します(写真⑤)。

ストレートネック対策

ストレートネックや背骨のカーブがなくなる原因は、悪い姿勢を長く続けることです。大人も子供も、毎日仕事や勉強で、背中を丸めて椅子に座り、首を前に突き出すようにしてコンピューター画面を見てしまいがち。そうじゃない時は、暇さえあればスマホの画面を見ているのが現代人です。これでは美しい背骨のカーブは年月と共になくなってしまっても仕方ありません。

 

 

 

 

ジョン・J・ベルモンテ 先生
John J. Belmonte, DC

E. 53 Wellness院長。
カイロプラクター(Doctor of Chiropractic)。
全米カイロプラクティック協会会員、ゴルフPGAツアー・スポーツ医学チーム所属。
アスリートのけがの治療、妊娠中の痛みの緩和、成長期の子供のカイロ治療も手掛ける。

 

E. 53 Wellness
211 E. 53rd St./TEL: 212-980-4211
e53wellnessnyc.com


今月の教訓!

「検索キーワードはLumber Support」

背骨のS字カーブの維持には、長時間座る椅子も見直すべきです。最新型の背骨サポート機能がついた仕事用椅子がベストなのでしょうが、手軽な対策として、今ある椅子にサポートグッズを置くのも一手です。オンラインで検索するときのキーワードは「Lumber Support」。実にいろいろな商品が販売されており、車の運転席にも使えます。値段も、20〜80ドルくらいでお手軽。とにかく、何か背骨にいいことを始めてみましょう。

リクエスト募集中▶ドクターベルモンテへの質問や取り上げてほしいテーマについてはeditor@nyjapion.comまで!

 

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