大学進学を考える 日本と米国、二つの国で学び暮らす選択
コロナ禍を経験して社会は大きく変わった。日本社会も例外ではない。未来を見据えて、グローバルな大学進学の選択肢の一つとして、米国と日本で自分たちのルーツを生かす学びについて掘り下げる。
心や体を落ち着かせる効果があるとされるマインドフルネス。慌ただしく不安が尽きない日々の中で、生活に取り入れてみると少しは気持ちが楽になるかもしれない。すでに実践している人も未体験の人も、今号を読んでマインドフルネスについての理解を深めよう! (取材・文/中沢絵里奈)
誰でも簡単に始められる!
マインドフルネスの実践方法とは?
ここニューヨークでは、街の至るところに禅センターやメディテーションスタジオが点在している。ストレスフルな環境で過ごすニューヨーカーにとって、心の安らぎを得られる方法として浸透しているマインドフルネスだが、今回はその定義や実践方法を、ニューヨークを拠点にダンサー兼マインドフルネス講師として活動する鶴原谷(つるはらたに)圭さんに聞いた。
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「マインドフルネスとは、目の前で起こっていることに意識が向き、今この瞬間とつながっている状態のことです」と鶴原谷さん。今の自分と向き合い、セルフコンパッション(自分への思いやり)を育むことで、ネガティブな感情の渦に飲み込まれそうな時も、自分を優しく受け入れられるようになっていくという。
もともとは仏教や禅を起源とするマインドフルネスだが、マサチューセッツ大学医学部マインドフルネスセンター創設者であるジョン・カバットジン博士は「マインドフルネスとは宗教性を排除したものである」と語り、その効能は医学的にも証明されている。
コロナ禍によるストレスや不安がきっかけで瞑(めい)想を始めた人も多いが、鶴原谷さん自身も6年前、人間関係の悩みから鬱(うつ)とパニック症状を発症したことでマインドフルネスに取り組むようになったそう。それで多くの効果を実感した上で、「ストレス軽減などの目的を持つと、頭で理解しようとしてしまいます。それはマインドフルネスの本来の概念からは遠ざかってしまうものです」とも言い、効果を期待して行うよりも「気付く」体験こそが本来の目的なのだと教えてくれる。
日常の中でできるマインドフルネス
マインドフルネスといえば、目を閉じて呼吸に集中する瞑想(メディテーション)を思い浮かべるが、「今につながる方法は日常にあります」と鶴原谷さん。
例えば、手を洗ったり、お皿を洗うという普段の動作の中で、その感触、匂い、見た目を捉えている自分の感覚に意識を向けてみる。もしくは安心や怒り、イライラといった感情にもピントを合わせていく。そうやって普段無意識に過ごしてしまいがちな日常の中での体の感覚や感情に意識を向け、今感じていることをチェックする習慣を付けていくことがマインドフルネスへの第一歩なのだとか。
「不安や焦り、怒りの感情を抑え付ける必要はなく、『自分は今そう感じているんだな』と認めてあげるだけで嫌な感情も自然と収まってきます。そんな心の姿勢を育んでいくことが、今と向き合うということなのです」。
また、瞑想と聞くと「難しそう」「毎日やるのは大変そう」と敷居の高さを感じがちだが、「集中できなくても集中できていないことに気付いてあげることでいいんです」と鶴原谷さん。
マインドフルネスの練習は、身の回りのことが落ち着いている時にこそ始めるのがベストタイミング。すぐに効果を実感するものではないが、継続していくことでその感覚を習得することができるはずだ。
最近は、有名講師のクラスがオンラインで受講できるようになり、コロナ禍で閉業していた対面クラスも続々と再開している。一人で取り組むのもいいが、小グループで何人かと一緒にメディテーションすることで新たな癒しのコミュニティーを見つけることもできるだろう。ニューヨークならではの自分に合うメディテーションスポットを見つけて、ぜひ実践してみよう。
鶴原谷圭さん
ダンサー・俳優、マインドフルネス講師としてブロードウェーで活動中。
メトロポリタンオペラでも6シーズン出演を果たす。
ニューヨーク初のメディテーションスタジオ「MNDFL(現在は閉業)で、仏教と西洋科学の両方を取り入れたマインドフルネスの講師資格を2016年に取得。
最近はMBSRの講師として、ブラウン大学でも資格を取得。
keitsuruharatani.com
マインドフルネス瞑想を
極めるための心得!
ジョン・カバットジン博士が提唱するマインドフルネスストレス低減法(MBSR)では、マインドフルネス瞑想は以下の7項目がポイントだとされる。難しくても意識してみることが大事!
❶ 評価も判断もしないこと
❷ じっと我慢すること
❸ 初心を忘れないこと
❹ 自分を信頼すること
❺ 頑張らないこと
❻ 受け入れること
❼ 手放すこと
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