紅茶をめぐる冒険
初秋の訪れとともに飲みたくなるのがポットで淹れた紅茶。茶葉やブレンドによって異なる香りと味は、私たちをくつろぎと恍惚の世界に誘い、またある時は懐かしい記憶を辿る道標にもなってくれる。極上の一杯を求めて、ニューヨーク紅茶めぐりの旅、はじまりはじまり。
女性のがん患者に寄り添うジャパニーズ・シェアがお届けする連載。アメリカで暮らす女性に役立つ最新医療情報を発信する。
病気と診断されてから自分でできることは何でしょう。食事に気を付け、適度な運動をすれば病気の悪化は避けられると考える人はたくさんいますが、一番大切なのは、自分の病気をよく理解することではないでしょうか。
私たちのヘルプラインに相談の電話をくださった方の中には、何もわからないまま医師の言いなりになることに違和感を覚える反面、自分で考えないでいいことに安心感を持つ方が時々います。しかしパンデミック以降、病院や医師のルーティンワークがそれまでとは変わってきているのではないかと患者さんをサポートしながら感じます。
これはあくまでも個人の見解ですが、はっきりとした説明のないままオーバートリートメント(過剰診療)をされているように感じたことや、本来なら不要な検査や医師への予約を入れられているように思えることが何度もありました。
このような経験から、病気と診断された方にとっての健康管理とは、その病気についてわからないことや疑問に思うことを、正しく知ることから始まるのではないかと思うのです。
自分の病気を正しく知るには
多くの日本人の特徴として、医師に対していろいろと気を使い過ぎるところがあります。例えば、医師が忙しそうだから質問を控えてしまう、医師の意見に同意できないことを伝えられない、自分の意思を主張しにくい、医師の都合に合わせようとする、などが挙げられます。診察後に「やっぱりどうすれば良いかわからない」とヘルプラインに電話をくれる方もいます。事前に質問したいことをメモして、診察時に尋ねるように勧めています。ただ、説明されたことが理解できないので何を質問すれば良いのかわからないともよく聞きます。医師の説明が理解できない時は遠慮せずに聞き返したり、もう少し分かりやすい説明をお願いしたり、わからない言葉や薬品名などは書いてもらったりすると良いでしょう。診察時に使える英語をあらかじめ覚えておくことも必要だと思います。
私たちの患者サポートミーティングでは、複雑な医療システムの中でどのように治療と向き合うべきかを、同じような問題を乗り越えた方々の経験談を通して必要な情報を交換しています。参加者からは「もっと早くJapanese SHAREを知っていたら」と口々に言われます。異国で病気になってしまった不安な気持ちもそうですが、治療の最中に保険会社と病院の間で板挟みになりながら対処しなければならないことも多く、家族や周りの助け無しには治療に専念できないのが現実です。
日本人コミュニティーに欠けている点
在米女性のがん患者さんを10年近くサポートしていますが「日本帰国時に受けた人間ドックでがんが見つかったが、これからどうしたらいいのかわからない」「相談できる人が周りにいない」「夫には迷惑をかけたくない」など、同じような悩みは尽きることがありません。日系企業、日本人コミュニティーに向けて啓発活動を行っていますが、なかなか興味を持ってもらえません。病気になったら日本に帰るという選択肢のある方は特に関心が低いようです。米国での治療を選択した場合も、自分の妻が病気であることを職場で隠している日本人男性は少なくなく、妻を支えた私たちの存在を公表することはまずありません。
アメリカに住む日系人にとって、「日本人は自分の意見を持たない、扱いやすく金払いの良い患者」というイメージを持たれていることは大きな問題です。
米国で病気と診断された時の早期回復につながるシステムが、私たち日本人コミュニティーには欠けている気がします。日本語を話す医師に診てもらえばいい、と言う方もいますが、病気と診断される前のプリベンション(事前対応)として、患者の立場にならないと見えてこない迷路のように入り組んだ米国の医療システム、日本人だから起こり得る問題があることを知っておいてほしいと強く思います。
今週の執筆者
ブロディー 愛子
Japanese SHARE 代表
2001年に乳がんを経験。
13年より米国非営利団体「SHARE Cancer Support」に日本語プログラムを設立。
これまでにサポートした日系人の数は2000人を越える。
ICF認定ライフコーチ、アーキタイパル・コンサルタントとしても活躍中。
alliswellcoaching.com
女性のがん患者とサバイバーのための、定期サポートミーティングをオンラインで開催中! 参加費は無料。
【毎月第1木曜日:午後8時〜】
卵巣がん、子宮体がん、子宮頸がん
【毎月第2金曜日:午後7時〜】
乳がん
【毎月第3土曜日:午後7時〜】
転移がん患者限定
【毎月第4木曜日:午後4時〜】
乳がん
時間や参加方法などの詳細は、下記のURLかQRコードをチェックしよう。
URL: sharejp.org/support-meeting
Japanese SHAREは、アメリカに住む、乳がん、卵巣がん、子宮体がん、子宮頸がんの患者さんを日本語でサポートする非営利団体です。
TEL:347-220-1110(日本語ヘルプライン)
Email: admin@sharejp.org
Web: sharejp.org
介護のプロフェッショナルがアメリカ在住邦人に向けて、遠隔介護または親の介護とどう向き合っていくのかを
今月のテーマ:薬を使わないカイロ治療 新生児・乳幼児にも安全(Vol.21) 現代に生きる老若男女
在米日本人の健康と医療をサポートする「FLAT・ふらっと」がお届けする連載。アメリカで健康な生活を送
紅茶をめぐる冒険
初秋の訪れとともに飲みたくなるのがポットで淹れた紅茶。茶葉やブレンドによって異なる香りと味は、私たちをくつろぎと恍惚の世界に誘い、またある時は懐かしい記憶を辿る道標にもなってくれる。極上の一杯を求めて、ニューヨーク紅茶めぐりの旅、はじまりはじまり。
進化し続けるトイレの世界
日本が世界に誇る「おもてなし」文化の象徴といえるトイレ。高品質なだけでなく、利便性の面でも多種多様な機能を備え進化し続ける日本のトイレ製品。日米のトイレ事情の違いなど、今号ではさまざまな角度からトイレについて学んでみよう。
今気になるヘアサロン&大人の男が通う新・バーバー
コロナ禍で指名のスタイリストが帰国したり、お店がクローズしたりと何かとアップデートが必要になるヘアサロン事情。髪質やニュアンスの違いを理解してくれるのはやっぱり日系のサロンという人も多いだろう。髪の悩みやイメージチェンジなど、顧客のさまざまなリクエストに応えてくれるヘアサロンを特集。
新学期にむけて文具にこだわる
米国は9月から新学年がスタート。8月後半ともなると子供たちは学用品や通学バッグなどの新調に躍起になる。学習でも仕事でも毎日使う文具だから、やはりこだわりたい。円安の恩恵で、直輸入の日本製文具が求めやすくなった。ニューヨーク市内で入手できる良質な文具の最新事情をまとめてみた。