心と体のメンテナンス

最先端のデジタル歯科技術講座(後編)

インプラントの位置と角度
3Dデータでピンポイント

Q. セーム・デー・デンティストリーのコストは?

A.

物価変動を除外すれば、従来の治療とコストは変わりません。ラボのコストを削減できる分、クリニックとして機材に投資していることと、ラボの作業をクリニック内で行うことで、差し引きゼロといったところでしょうか。

さらに、ラボを使わない分、治療の全過程の責任は歯科医である私にあります。当院では、治療から5年以内に、もしクラウンが欠けたりした場合は、無料で修復を行います。5年というのは、クラウンの保証期間として保険会社が定める基準で、年ごとにクラウンを作り直すという意味ではありません。

さらに、私ならその期間を7〜10年まで伸ばせるという自信を持って、治療に当たっています。

3Dデータを基に、インプラントを埋め込む場所を含む歯列全体にかぶせるトレーを作成。穴が空いた部分がインプラントを埋め込む場所。治療時には、ここにインプラントを当てて埋め込むだけ

Q. 急患でも1日で治療できますか?

A.

つい先日、1週間後に日本に行く前に欠けたクラウンを直したいと、予約なしで来られた患者さんがいました。この場合は、患部をスキャンし、データ収集だけをその日に行い、クラウン装着には翌日もう一度来院してもらいました。他に予約の患者さんがいなければ、その日に対処できますし、患者さんの都合にもよります。この患者さんは、翌日戻ってくることを希望されました。

 

Q. デジタル化でインプラントも正確に?

A.

インプラント治療がどれだけ長持ちするかは、治療後の毎日のケア以前に、インプラントを埋め込む場所と、角度が最大のカギになります。

そこで物を言うのが、3D(立体)スキャナーと、歯科用コーンビームCT(CBCT=3Dレントゲン画像システム)というデジタル検査機器です。これらから得た患部のデータをコンピューターの専用ソフトウェアでコンバインすることで、骨と歯茎、神経といった組織の3次元データが得られ、インプラントを限りなく完璧に近い場所と角度で埋め込むことができるようになりました。

3Dスキャナーは、歯茎や神経といった柔らかい組織を精密に3次元で写し出し、3DレントゲンのCBCTは骨を3次元で写し出します。平面データしかなかった20年前とは、情報量が雲泥の差です。当時は、インプラント治療をしたものの、埋め込んだ場所と角度が悪かったために長持ちせず、数年後にまたやり直すといったパターンも珍しくありませんでした。

 

Q.3Dデータを基に、具体的にどうするのですか?

A.

コンピューター上で、あらゆる角度から患部を観察・計算し、インプラントを埋め込む最も安定した場所を、ピンポイントで絞り込みます。同時に、埋め込むアングルも緻密に計算し、決定します。

そのデータを基に、インプラントを埋め込む場所を含む歯列全体にかぶせるトレーを作成(写真参照)。そのトレーの、インプラントが必要な部分に、場所と角度が設定された穴が空いています。治療時には、その穴にインプラントを当てて、埋め込むだけです。デジタル時代の今、インプラント治療は準備段階が全てだということです。

 

Q. ナイトガードもデジタル作成?

A.

ナイトガードは、就寝時に装着を習慣付けると、歯のトラブルを防ぎ、ひいては医療費を節約してくれます。安価な市販のナイトガードもありますが、3Dデータで0・数ミリ単位で設計したカスタムメードのナイトガードは、700ドルからと高額ですが、付け心地も機能も比較になりません。

 

 

 

 

 

ヨハン・キム先生
Yohan Kim, DMD, FICOI
_________________
一般歯科・審美歯科・歯科インプラント専門医。
Fellow of the International Congress of Oral Implantologists (FICOI)。
Madison Dental Loft院長。
ペンシルベニア大学歯科学校卒業(DMD取得)、Coler-Goldwater Specialty Hospitalで研修。
NYU歯科学校臨床助教授、ベルビュー病院臨床教授、Hiossen® Implant Systemアドバイザー。
米歯科協会(ADA)、一般歯科学会、全米審美歯科学会、ニューヨーク州歯科協会会員。

 

 

Madison Dental Loft

30 E. 40th St., #602
(bet. Park & Madison Aves.)
info@madisondentalloft.com
madisondentalloft.com

 

 

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