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近年は歯科治療のデジタル化が高速で進み、それに伴いクラウンなどの治療を一度の来院で完了できるようになりました。それを歯科業界では「Same Day Dentistry」と呼んでいます。
3D(立体)スキャナー、歯科用コーンビームCT(CBCT=3Dレントゲン画像システム)という、患部データを得るためのデジタル検査機器と、クリニック内でクラウンを作成するための専用機器が全てそろって初めて可能になる治療です。いずれも高額な医療機器なので、全ての歯科クリニックで導入されているわけではありません。当院はデジタル検査機器は完備していましたが、昨年コロナ禍での特殊なニーズに対応するために、クラウン作成の専用機器を導入し「Same Day Dentistry」を可能にしました。
コロナ禍でなるべく来院回数を減らしたい人、遠方在住で来院が大変な人などに喜んでもらっています。
クラウン、ブリッジ、オンレー(【今週の英単語】欄参照)の3つです。例えばクラウンの治療なら、昔はまず粘度材で歯型を取り、それをラボに送っていました。ラボでクラウンを作成し、それがクリニックに届くまで約2週間。その間患者さんにはテンポラリーの詰め物をして、しのいでもらい、もう一度来院してもらっていました。
ところが今は、同じ治療が1回の来院で完了します。その過程は、①歯のスキャン撮影、②その結果を基にクラウンを専用ソフトウェアでデザイン、③クリニック内のクラウン作成専用機器でクラウンを作成、④出来上がったクラウンを“オーブン”に入れ、自然な歯の色になるよう加工、⑤装着。①から⑤の所要時間は約2時間です。
当院は、クラウン作成専用機器をレセプションエリアに置いているので、患者さんは待っている間に、自分の歯が作られる様子を見ることができます。
素材は主に、ジルコニア(Zirconia)とニケイ酸リチウム(Lithium Disilicate)で、いずれもセラミック素材です。クラウン作成専用機器にデジタルデータをインプットすると、約1・5センチ角のブロック状(写真参照)になったこれらの素材を、機器が歯の形に削っていきます。ブロックの状態でまず適切な色を選びますが、完成段階で調整も可能。奥歯なら気にすることはありませんが、前歯の場合はできる限り周りの色に合わせるように調整します。
歯科医が、自分の治療に自信を持って、より正確に患者のニーズを満たすことができるようになりました。
デジタルスキャナーとクラウン作成専用機を駆使すれば、0・数ミリ単位でデザインが可能です。ラボに送っていた頃は、患者情報をできるだけ詳しく技術者に伝えますが、それでも満足のいくものが送られてこず、返却してやり直すこともありました。
また、従来のラボに送る方法では、テンポラリーの詰め物が必要で、その間にバクテリアが患部に入り込むリスクがありましたが、セーム・デー・デンティストリーならそのリスクを回避できます。
来週は、セーム・デー・デンティストリーのコストについてと、デジタルデータを導入したインプラント治療の最先端技術についてご紹介します。(後編に続く)
ヨハン・キム先生
Yohan Kim, DMD, FICOI
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一般歯科・審美歯科・歯科インプラント専門医。
Fellow of the International Congress of Oral Implantologists (FICOI)。
Madison Dental Loft院長。
ペンシルベニア大学歯科学校卒業(DMD取得)、Coler-Goldwater Specialty Hospitalで研修。
NYU歯科学校臨床助教授、ベルビュー病院臨床教授、Hiossen® Implant Systemアドバイザー。
米歯科協会(ADA)、一般歯科学会、全米審美歯科学会、ニューヨーク州歯科協会会員。
Madison Dental Loft
30 E. 40th St., #602
(bet. Park & Madison Aves.)
info@madisondentalloft.com
madisondentalloft.com
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