知っておきたい女性のヘルスケア

第5回 診療の新しいかたち「テレメディスン」

女性のがん患者に寄り添うジャパニーズ・シェアがお届けする連載。アメリカで暮らす女性に役立つ最新医療情報を発信する。


新型コロナウイルス感染対策の一つとして始まったテレメディスン(遠隔診療/オンライン診療)を、すでに経験された方も多いと思います。コロナ終息後も継続が見込まれ、各医療機関でテクノロジーの強化が図られており、医療現場でのウイルス感染を防ぐという点で、とても良いアイデアであることは確かです。

遠隔診療の利点、欠点

では、テレメディスンは患者にとってどのような利点や欠点があるのでしょう?

まず、医療機関に足を運ぶ手間が省けることと、公共交通機関や病院などでのウイルス感染を予防することができます。また、遠方にあるために行くことができなかった病院でもセカンドオピニオンを仰ぐことが可能になりました。

しかし、画面越しの診察では、医師が患者の匂いに気付いたり、実際に肌に触れることにより病状を察知したりすることはできません。それらを補うために、患者は自分の体の状態を言葉で伝える必要がありますが、どのように話すかで、診断の結果も少なからず変わってくる可能性が出てきます。

そこで今、患者に求められるのが「コミュニケーションスキル」です。がんに限らず、これまで実際に対面して診察をしてもらった中で、自分の症状や痛みをうまく伝えられなかった経験を持つ方は少なくないでしょう。

例えば「痛みの強さを1から10までの数字で表すと、どのくらいですか」との質問に、日本人の多くは遠慮した数字を答えてしまいがちです。そのため重要視されず、あらぬ結果を招く場合もあるので注意が必要です。

心配事ははっきり伝える

このコラムでも、医師に会いに行く時は、聞きたいことをあらかじめメモしておくように勧めてきました。これは、テレメディスンでも重要なポイントです。診察を始める前に、今回は何を伝えたいのか、優先順位を決めておきましょう。

前回の診察から比べて何か変化はあるか、処方された薬の副作用、困っていること、気になっていることなど、どんなに小さなことでも医師に知っておいてもらう必要があるため、きちんと書き留めておきます。そのメモを見ながら順番に、症状や痛み、疑問点などをはっきり伝えられるように準備をしましょう。

また、診察が終わりそうな時に伝えるのでなく、始まる前に伝えたいことや質問があることを医師に知らせておくことも大切です。

病院での診察時、慌ただしい周囲の様子から、質問することを躊躇(ちゅうちょ)してしまった経験があるという方もいるでしょう。その点、テレメディスンの場合は、医師との目線が同じことや、周囲の様子もあまり入ってこないことから、自分のペースを作りやすいのではないかと思います。テレメディスンでも、対面での診察と同様に日本語の通訳を付けられるので、予約を入れる時にお願いしておきましょう。アメリカでは患者が母国語での説明を要求した場合、無料で通訳を付けることが医療機関に義務付けられています。これまでに経験したことのない病気や、精神的な問題などで診断を受ける場合は特に、自分で理解できると思っていても通訳を介すことで、勘違いなどを防ぐことができ、要らぬ不安を抱えずに済みます。通訳のほかに、家族や友人などにオンラインで同席してもらうのもおすすめです。

画像検査や血液検査などをした場合は、その結果を他の専門医や、かかりつけ医にも必ず報告してもらってください。最新の医療情報が届いていると、次の診察の際に相性の悪い薬を処方されるのを防ぐことができます。また、スマートフォンやタブレット、パソコンなど、自分が使いやすいデバイスや、インターネットの接続状況なども事前にチェックしておくこと。診察に同席してくれる家族や友人にも確認をお願いしておきましょう。

もし、遠隔での診察だけではきちんと診断してもらえていないと感じた時は、実際に会って診察してほしいと、遠慮せずにきちんと希望を伝えることも大事です。

 

 

 

 

今週の執筆者

ブロディー 愛子
Japanese SHARE 代表

2001年に乳がんを経験。
13年より米国非営利団体「SHARE Cancer Support」に日本語プログラムを設立。
これまでにサポートした日系人の数は2000人を越える。
ICF認定ライフコーチ、アーキタイパル・コンサルタントとしても活躍中。
alliswellcoaching.com

 

 

●セミナー●

日米の視点から見る患者と医師の関係

IMPORTANCE OF THE DOCTOR / PATIENT RELATIONSHIP
12月17日(金)
午後8時30分〜10時開催!

同セミナーでは、アメリカの医療現場で働く医療者を招き、患者と向き合うときの考え方や環境の違い、またシステムが引き起こす治療への影響などを伺い、改善のヒントを提案する。

※申し込んだ人に限り、ライブ配信及びアーカイブ配信も視聴可能。参加方法と詳細は下記ウェブサイトをチェック!

https://sharejp.org/schedule/2021/12/17

 

 

 

Japanese SHAREは、アメリカに住む、乳がん、卵巣がん、子宮がん患者さんを日本語でサポートする非営利団体です。

TEL:347-220-1110(日本語ヘルプライン)
Email: admin@sharejp.org
Web: sharejp.org

 

 

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