大学進学を考える 日本と米国、二つの国で学び暮らす選択
コロナ禍を経験して社会は大きく変わった。日本社会も例外ではない。未来を見据えて、グローバルな大学進学の選択肢の一つとして、米国と日本で自分たちのルーツを生かす学びについて掘り下げる。
花粉症は、植物の花粉(pollen)や枯れ草(hay)など、本来無害な物質に、人間の免疫が過剰に反応して起こります。症状はくしゃみ・鼻水、目の充血、痒み、涙など。時には眼球が真っ赤に腫れたりします。英語表現は「hay fever」「pollen allergy」。
ニューヨークでは、3月ごろにスギやヒノキなどの樹木、4月末から5月にかけてはブタクサなどの雑草類のアレルギーシーズンに入り、夏に収まりますが、秋に再び花粉が飛び始め、シーズンが再開します。
アレルゲンは実にさまざま
まず、アレルギーの原因になるものをアレルゲンと言います。花粉以外に、食物や薬、ハウスダスト、カビ、ダニ、ペットの毛、昆虫など、実にさまざまなアレルゲンがあります。春や秋に症状の出る花粉症は分かりやすいですが、それ以外の物質にアレルギーがあっても、本人が気付いていないことが多々あります。
例えば、冬や夏の〝季節外れのアレルギー性鼻炎”は、花粉ではなく、ハウスダストやダニ、カビが原因で起こります。冬も夏も、暖房や冷房のため窓を閉めるので、換気が悪くなり、カビなどのアレルゲンが室内に増えるからです。
また、野外のカビアレルギーに気付かない人が大変多いことを強調したいです。雨や雪の前後や、雲った日など、天候によって野外のカビが空気中に大量に飛散します。「雨の日に花粉症になる」人は、野外のカビにアレルギーがあるのかもしれません。
「スクラッチテスト(スキンテスト)」が主流で、さらに詳しく調べたいときは、血液検査をします。
スクラッチテストは、液状にして薄めたアレルゲンを皮膚に付け、軽く引っかいて反応を見る検査です。約15分で結果が分かり、複数のアレルゲンに対するアレルギーの有無を一度に調べることができます。
ちなみに、花粉症を持つ人は多くの場合、他の物質にもアレルギーを持っているものです。花粉症の治療に、一般内科ではなく耳鼻咽喉科で検査をする利点は、相互に連携する耳・鼻・喉を総合的に診てもらえることと、アレルゲンを徹底追究した上で、根本治療を受けられること。鼻に問題があると、耳に悪影響が及ぶことがあるので、単に「鼻水」と思わず、一度アレルギー検査を受けて、自分の〝立ち位置”を知るのは大事なことです。
軽い花粉症なら市販の抗ヒスタミン薬などでいいですが、年中何らかのアレルギー症状がある場合は、根本治療としての減感作(げんかんさ)療法をお勧めします。
減感作療法は、薄めたアレルゲンを注射し、体をアレルゲンに徐々に慣れさせ、免疫の過剰反応を起こしにくくする治療です。痛みもほとんどないので、子供でも受けられますが、最初の1年は注射のために毎週通院し、その後も徐々に頻度を減らしながら通院しなければならず、時間と根気が必要です。
技術開発が進み、現在、一部の樹木花粉のアレルギーについてのみですが、注射ではなく経口剤(処方箋)による減感作療法が可能になりました。時間がかかるのは同じですが、通院しなくていいので、治療を続けやすいのが利点です。今後さらに開発が進み、広く実用化されることを願います。(後編につづく)
ジェフリー・M・アン先生
Jeffrey M. Ahn, MD
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耳鼻咽喉科専門医師。
耳鼻咽喉科頭頸部外科/顔面形成外科専門(board certified)。
コロンビア大学教授などを経て、現在ペンシルベニア大学医科大学院・耳鼻咽喉科頭頸部外科教授。
子供から大人の鼻炎、鼻詰まり、花粉症など耳・鼻・喉の疾患を治療。
日帰りの蓄膿症手術、ロボットを使った睡眠時無呼吸症候群手術に定評がある。
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