心と体のメンテナンス

パンデミック運動不足からの復活作戦(後編)

ツイスト腹筋で腹スッキリ
便秘解消にはフラフープも

 

Q. 自宅で続けられるウエスト引き締め運動を教えてください。

A.

自宅待機中の過食と運動不足で、男女共にウエスト周りに脂肪がついたという人は大変多いです。ただ、ウエストは脂肪が付きやすい分、その気になれば引き締めることも短期間でできます。正しい腹筋運動をきちんと続ければ、2週間もすれば目に見えて結果が表れます。

まず、腹周りには骨がないので、姿勢を正し、お腹をキュッと締めるだけでもスッキリ見えるものです。さらにぐっと引き締めるには、腹横筋と腹斜筋を動かすエクササイズ、つまりウエストに「ねじり(ツイスト)」を入れる腹筋運動をしましょう。

立ったままねじり腹筋(写真)=真っすぐ立った状態から、体の前でリズミカルに左肘と右膝、右肘と左膝を交互に合わせる動作を繰り返します。目安は20〜30回。慣れてきたら回数を増やしましょう。

スパイダー・クロスプランク(写真円内)=両手足を床につけて、腕立て伏せの体勢を作り、そこから左膝を外前方に向けて曲げ、一度足を元に戻してから、次にその膝を体の下を潜らせて右前方に移動。次は右膝で同じ動作を。できる回数でいいので、左右交互に数回、続けてください。慣れてきたら回数を増やして。

息を吐き切る=寝転んで息を吸い、吐く時に、もうこれ以上吐けないまで吐き切ります。自然に腹筋がギュッと締まります。座ったままでもできます。

その他、狭い場所でもできるフラフープもおすすめ。ウエストを引き締め、体幹を鍛え、腸に刺激を与えるので、便秘解消に効果があります。汗が出るくらいしっかりやってください。

 

城戸さん一押しの簡単ウエスト引き締めエクササイズ「立ったままねじり腹筋」。円内は「スパイダー・クロスプランク」

 

Q. 疲れない歩き方を教えてください。

A. 

フラットシューズを履いて、踵(かかと)扌足の外側扌小指の付け根扌親指の順で体重をかけ、最後に親指で地を蹴ります。足が地から離れる瞬間に、バランスを取るために自然にもう片方の足が前に出る。歩行はこの繰り返しです。この歩き方だと自然に足が交互に出るので、歩き疲れても股関節が痛くなることはありません。

逆に、走る時は足全体で着地してください。走るのは早く前に進むためで、踵での着地はブレーキをかけることになるので、理にかなわないだけでなく、膝を傷める原因になります。

 

Q. スポーツジム派にアドバイスを。

A. 

1年ぶりにジムに復帰する人に言いたいのは、自分を過信しないこと。1年前にできたことでも、今はできなくなっています。ジム復帰初日からダッシュやジャンプといった、自分で自分の体をコントロールできない運動をしないように。まずは動きをコントロールできる、ダンベルなどのウエートトレーニングから始めましょう。1セット8回で疲れを感じる程度の重さから始め、慣れたら10、12回と増やします。それに慣れて初めて、重さを上げていきましょう。

心拍数や走った距離、歩数などが記録できる、フィットネス・リストバンドを買って、使ってみるのも一興です。夜寝るときにつけて寝ると、眠りの深さまで記録してくれます。

心拍数の目安は、220から自分の年齢を引いた数が、米心臓協会が定める「推定最高心拍数」です。20歳なら、220から20を引いた200。その50〜70%(心拍数100〜140回)が、汗は出るけど話せるという状態です。リストバンドに表示される心拍数を見ながら、マイペースで、元気にパンデミック後の生活を楽しみましょう。

 

 

 

 

 

 

城戸亜幹絵さん
Akie Kido, DPT

_________________

理学療法士。
コロラド州立大学統合生理学学士課程卒業後、ニューヨーク州のセイジ大学大学院から理学療法博士号(DPTDoctor of Physical Therapy)取得。
クリニックや病院で臨床経験を積む。首、肩、膝、足首、手首、腰など全身の痛みと不具合の治療、けがや手術後のリハビリテーションが専門。
自閉症やダウン症患者向け治療も手掛ける。

 

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