心と体のメンテナンス

コロナ対策+切らない美容整形の今 自宅待機中に待望の手術を(前編)

自宅待機中に待望の手術を
切らない手術の技術も向上

Q. 形成外科クリニックでのパンデミック安全対策は?

A.

体温測定、消毒、マスク着用、距離を保つといった基本的な予防対策は当然行っています。それに加え、患者との接近を避けられない形成外科クリニックでは、一度にクリニックに入れる患者は一人ずつと決め、手術の付き添いが必要な場合も一人だけに制限しています。

また、クリニック内で手術をする場合、手術日の3日前に、指定するラボや医療機関で感染の有無を検査してもらいます。手術中は自分自身と患者さんを守るために、執刀医である私はガウン、キャップ、手袋、それにN95マスクとさらにもう一枚マスクを着用。必要以上の会話を避け、口内からの飛沫(ひまつ)を最小限にとどめます。

 

シミ取りも、簡単な「切らない美容整形」の一つ。チャ先生のクリニックでは、InMode社のデバイスを使用。施術後はシミの部分が一度焼けて黒ずむが、数日で色素と共に乾いて剥げ落ち、きれいになる(photo: InMode)

 

Q. 自宅待機中は、美容整形手術の回復にもってこいなのでは?

A.

おっしゃる通りです。だからといって、パンデミック中に患者が増えてはいませんが、この機会に手術を受けようという人は少なからずおられます。長年、鼻の整形手術を受けたくても社会生活があるためにできなかった人が、パンデミック中に手術を受けられました。

鼻の整形手術の直後は顔が腫れるので、回復に時間が必要です。パンデミック中は自宅勤務なのに加え、外出時もマスクで患部を隠すことができるので、周囲の目を気にすることもありません。この患者さんも、ゆっくり安心して回復できたようです。

唇の手術を受けた若い女性もいます。この人も、学校がリモート授業で、パーティーなどの社交もしないパンデミック中がチャンスだと思ったそうです。

Q. コンサルテーションなどは、ビデオでできますか?

A.

既存の患者さんには、パンデミック前から電話やビデオ診療で対応していますが、新しい患者さんには、たとえコンサルテーションでも、クリニックに来てもらいます。希望される手術がその患者さんに適しているかを判断し、最適な手術方法を決めるには、目で診て確認する必要があるからです。

パンデミックを機に美容整形をしようと思われる患者さんは、基本的には感染をしていない健康な人なので、クリニック側と患者側がきちんと予防対策をしていれば、クリニックで安全に診察することができます。

Q. パンデミック前から人気の「切らない美容整形」のメリットは?

A.

切らない手術の利点は、切る手術よりも回復時間が格段に短いことです。施術中の痛みもありません。器具によっては熱を当てるものもあるので、多少「熱いな」と感じ、施術後に肌が腫れたり、赤くなったりすることがありますが、それも2、3日ですぐに治ります。

技術も日進月歩ですが、2020年はパンデミックのため、あまり多くの新技術や新機材はリリースされませんでした。それでも、当院で採用しているフェースリフトや肌の引き締め、シワ取り、シミ取りなどを治療する美容整形機器は、その性能が2年前に比べるとグッと向上しています。肌を引き締めるためのプロセスも、皮膚のレイヤーごとにデバイスのエネルギー出力をコントロールできるようになり、個々の患者さんの状態に合わせて、より精密で丁寧な治療をすることが可能になりました。 

 

来週は、当院で使用する切らない美容整形デバイスを使った施術について説明しましょう。(後編につづく)

 

 

 

エリック・K・チャ先生
(Eric K. Cha, MD, MPH, FACS)

_________________

形成外科医師(Board certified by the American Board of Plastic Surgery)、米国外科学会フェロー(FACS)。
二重まぶた形成、脂肪吸引、豊胸、顎ラインの矯正、傷痕を目立たなくする治療など。患者にはアジア人が多い。
マウント・サイナイ・アイカーン医科大学臨床教授、米国形成外科学会(ASPS)・米国美容外科学会(ASAPS)会員。
公衆衛生学修士。
権威ある医療研究団体Castle Connollyが選ぶ2020年トップ形成外科医師。

 

 

Eric K. Cha, MD, MPH, FACS
1049 5th Ave., Suite 2C
(86th St. bet. Madison & 5th Aves.)
TEL: 212-717-2222

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