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私は20年以上審美歯科治療に携わっていますが、当時と比べると今はずいぶん進歩しました。審美歯科への認識と需要が高まったからでしょう。それに伴い市場が拡大し、材質も向上した結果だと思います。
技術もですが、治療に使う材料が進化・改良されました。例えば、14、15年前までは、審美歯科で使うハイエンドのセラミック素材はドイツのある会社の独占市場でした。ところが今は、日本、米国、スウェーデンの会社が製品開発に参入し、品質を向上させ、患者の予算に合わせた選択を可能にしています。
方法もですが、患者さんの要求が激変しました。ホワイトニングがはやり出した20年ほど前は、既存の歯をただ白くしたいという要望が主流でした。ところが近年は、プチ審美歯科治療と呼ばれる治療を希望する人が増えています。これは、まず前歯の形と歯並びを微調整した後にホワイトニングをする治療です。1回の来院で、劇的な見た目の改善が実現します。
従来の家庭用ホワイトニングで使用する漂白ジェルは、極端に薄められた薬剤とはいえ、歯茎まで浸透し炎症を起こし、歯と歯茎に痛みが生じます。現在当院で使用するレーザーホワイトニングは、痛みもほとんどなく、ホワイトニングしてから虫歯治療も可能です。このために年に1回、日本からわざわざ来られる患者さんもいます。
メンテナンスも特に必要ありません。食べる物によりますが、通常の食生活なら2、3年は美白効果が続きます。多少色がついても、定期検診での歯科クリーニングで、元の白さに戻ります。ホームケアであえてお勧めするなら、市販のホワイトニングストリップ(シートを歯に貼るタイプ)です。メンテナンスだけなら、安価なもので十分効果があります。
大きく分けて、次の四つがあります。①レジン(白い詰め物。松ヤニを使った強化素材で、コンポジット、またはボンディングとも言い、治療はその場で完了)、②ベニア(付け爪のように歯の表面を覆う治療。レジンかセラミックのどちらかを選択)、③セラミッククラウン(歯にすっぽりかぶせる治療)、④歯列矯正(歯の表面中心の整列。透明なトレーを患者自身で交換するインビザライン。従来のワイヤーのように痛みがなく、早く確実に結果が出ます)。
患者さんのニーズと予算、歯と歯茎の状態によって、いくつかのプランを提示し、相談の上でベストな治療を決めます。
よく、虫歯を全部治してからでないと審美治療を始められないのかと聞かれますが、そうとは限りません。ケース・バイ・ケースですが、例えば前歯が欠けて、とりあえずそれだけを治したい場合、その前歯に虫歯があれば虫歯部分を削り、通常の虫歯治療(削った部分に詰め物をする)をする代わりに、クラウンをかぶせることができます。通常の虫歯治療では、数年で再治療が必要になりますが、クラウンなら歯の状況により20年以上はもつ可能性があります。クラウンの中の歯が虫歯になることも起こり難いです。
来週は、ボンディング、ベニア、クラウンについて詳しく説明しましょう。
(次回につづく)
中村清彦先生
(Kyo Nakamura, DDS)
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審美歯科・一般歯科。
ニューヨーク大学歯学部卒業後、2000年開業。
最も力を入れているのは、開業当時から手掛ける審美歯科分野。
必要に応じて、インプラント、ルートキャナル専門医などとの総合コラボ治療を提供。
工学エンジニアとして企業勤務後に歯科医になった経緯があり、エンジニア視点で改良した独自の治療方法を審美歯科と一般治療に導入。
患者のニーズに合わせた迅速で質の高い治療に定評がある。
Kyo Nakamura, DDS, PC
30 E. 60th St., #402
(bet. Park & Madison Aves.)
TEL: 212-687-6185
NakamuraDentalNY.com
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