心と体のメンテナンス

包括的な痛みの管理と治療 個々のウエルネス向上へ(前編)

理念は「人間丸ごとケア」
個々のウエルネス向上へ

Q. カイロプラクティックを中心にした総合ケアとは?

A.

カイロプラクティック(以下カイロ)の理念は、言ってみれば「人間丸ごとケア」です。約30年前、私がカイロプラクターになって初めて勤務したカイロクリニックでは、カイロプラクターを中心に足病専門医と医師、ラボ技術者が集まり、それぞれが専門知識を提供し協力することで、患者の総合ケアに当たっていました。私が「ウエルネス」という単語を冠して開いた当院は、まさにそれを目指しています。

例えば、一言で「腰痛」と言ってもいろいろです。原因、痛みの程度、症状によって、カイロ、理学療法、マッサージ、はりと、どの治療が適切か、または組み合わせるべきかなど、実にケースバイケースです。まずは投薬で痛みを鎮めなければ治療ができないケースもあります。

当院では、カイロプラクターである私を中心に、リハビリテーション専門医、理学療法士(PT)、マッサージセラピストが、必要に応じて連携・協力しながら治療を進めます。

 

カイロプラクター、理学療法士、マッサージセラピスト、リハビリ専門医と、異なる分野の専門家が集まった総合ケアを提供

 

Q. 医師とカイロプラクターとのコラボが近年増えていますか?

A.

増えています。一昔前に存在した、医師とカイロプラクターの間の溝が近年は埋まり、両者の距離が縮まったと思います。

以前は、痛みとあれば鎮痛剤を処方していた医師が、今は薬を避け、痛みの原因に目を向け、自然治癒を選択するようになったため、カイロプラクターに患者を送るケースが増えました。

処方箋鎮痛剤には依存性が高いものが多く、社会問題になったことも、自然治癒を目指すカイロ治療が改めて注目されるきっかけになったのかもしれません。

また、近年は患者の意識が高まり、薬にばかり頼りたくない、自然に治癒したいと訴える人が増えたことも、医師とカイロプラクターの溝が埋まった大きな理由だと思います。

Q. 例えばどのようにコラボするのですか?

A.

痛みが激しく患部を動かせないような場合は、医師による薬物療法(注射剤など)で短期的に痛みを軽減し、改善が見られた段階でカイロの手技による受け身の治療に切り替える、または理学療法、つまり運動療法という能動的な治療に切り替えます。当院にはメディカルマッサージの資格を持つマッサージセラピストがいるので、医師の処方によるマッサージ治療も可能です。カイロと理学療法、マッサージを組み合わせることもあり、ニーズによって実にいろいろにコラボできます。

Q. パンデミック以降、ビデオ診療もされていますか?

A.

来院、ビデオ診療のいずれにも対応しています。もちろん、マッサージはもとより、カイロの基本である手技はビデオ診療ではできません。患者にとって「触れられる」ことは、それ自体とてもセラピューティックなので、来院してもらえればベストですが、パンデミックでまだ安全性に不安を持つ人もいるので、臨機応変に対応します。

カイロでも理学療法でも、ビデオ経由でできることは驚くほどたくさんあります。ビデオで患者の体の動きを見て、姿勢を正すためのアドバイスをすることもあれば、患部を冷やすべきか温めるべきかを指示することもあります。理学療法なら、ビデオセッションで正しい運動の仕方を指導できます。
ピラテスのグループクラスも、パンデミック以降はオンライン(ズーム)で行っています。 (後編につづく)

 

ジョン・J・ベルモンテ先生
(John J. Belmonte, DC)
_________________
カイロプラクター(Doctor of Chiropractic)。
ニューヨーク・カイロプラクティック大学卒業。
専門は、腰痛、肩凝り、首の痛み、頭痛、手足・関節の痛み、ダンサーのけが、妊娠中のケアなど。
全米カイロプラクティック協会会員、ゴルフPGAツアー・スポーツ医学チーム所属。
パンデミック後は患者のニーズに応じてビデオ診療も行う。
East 53rd Street Chiropractic and Wellness院長。

 

East 53rd Street
Chiropractic and Wellness
211 E. 53rd St. (bet. 2nd & 3rd Aves.)
TEL: 212-980-4211
e53wellnessnyc.com
※日本人スタッフ常勤

関連記事

NYジャピオン 最新号

Vol. 1244

オーェックしよ

コロナ禍で飲食店の入れ替わりが激しかったニューヨーク。パン屋においても新店が続々とオープンしている最近、こだわりのサワードウ生地のパンや個性的なクロワッサン、日本スタイルのサンドイッチなどが話題だ。今号では、2022年から今年にかけてオープンした注目のベーカリーを一挙紹介。

Vol. 1243

お引越し

新年度スタートの今頃から初夏にかけては帰国や転勤、子供の独立などさまざまな引越しが街中で繰り広げられる。一方で、米国での引越しには、遅延、破損などトラブルがつきもの、とも言われる。話題の米系業者への独占取材をはじめ、安心して引越しするための「すぐに役立つ」アドバイスや心得をまとめた。