心と体のメンテナンス

テーマ ◆ エネルギーバンパイアとその対策(後編)

「NO」と言う勇気
人間関係に境界線を

 

Q. エネルギーバンパイアから自分を守る方法とは?

A.

自分の周囲にいるエネルギーバンパイアの存在に気付くこと、それが最初のステップです。

エネルギーバンパイアとは、他人のエネルギー(生命力や気力など)を“吸い取り”、自分に都合良く他人を操る人のことをいいます。餌食にされた人は心身のバランスを崩し、専門家による治療が必要になることもあります。困ったことにエネルギーバンパイアは一見して魅力的な人物であることが多く、しかも徐々に本性を現すため、なかなか見分けがつきません。

まず、エネルギーバンパイアの特徴を理解しましょう(前編参照)。そして、周囲に該当する人物がいないか、その人物から身体的・精神的虐待を受けていないか、都合よく操られていないかなど、人間関係を見つめ直してみましょう。エネルギーバンパイアは口がうまいので、言葉よりも行動を見る方が分かりやすいかもしれません。

 

Q. 例えばどう対処すればいいですか?

A.

その人物のせいで過剰なストレスを受け、体調を崩したり、生きづらさを感じたりしている場合、最初にすべきことは、その人物との間に境界線を引くことです。かかわりを完全に断ち切る、または最小限に減らすことが、自分を守ることにつながります。

繊細で他人に共感する力が強い「エンパス」と呼ばれる人たちは、エネルギーバンパイアから特に狙われやすいので注意が必要です(前編参照)。エンパスは自分の愛の力でエネルギーバンパイアを救えると信じていますが、残念ながらそれはほぼ不可能です。エネルギーバンパイアは自分に非はないと思っているからです。不健全な関係に見切りをつけ、そこから立ち去る勇気を持ちましょう。

都合よく操られないように、相手の要求に「NO」と答えるイメージ訓練も有効です。「明日電話してもいい?」「NO」という具合に、最初は簡単なことからでいいのです。訓練によって脳が変化し、自然に「NO」と言えるようになります。

エネルギーバンパイアが自分の家族や職場の上司だったら、急に関係を断つのは難しいかもしれません。その場合、会う機会を減らす、相手の挑発にのらない/反応しないなど、できるだけかかわりを避けることから始めましょう。相手の反応が気になるかもしれませんが、それよりも自分を守ることの方が大事です。相手への言い訳や説明は不要です。

参考までに、配偶者や恋人がエネルギーバンパイアで、カップルでカウンセリングを受けるときは少々注意が必要です。エネルギーバンパイアはその巧妙な話術でセラピストを味方につけるので、被害者が二次被害を受ける可能性があるからです。これは今アメリカで問題になっており、対策としてエネルギーバンパイアに詳しいセラピストを見つけることが勧められています。

 

催眠法セッションの様子。暗い方が落ち着くという人のため、目に布をかけることもある(写真は編集部モデル)

 

Q. 催眠法によるエネルギーバンパイア対策とは?

A.

エネルギーバンパイアは、他人が抱える「心の傷」につけこみます。催眠法では、心の傷をその原因から解消することにより、バンパイアを撃退します。個人差はありますが、催眠下で潜在意識に働きかける催眠法は、一般的にカウンセリングよりも効果が早いとされています。

心の傷の多くは、幼少期の体験や、親からかけられた負の暗示などに原点があります。例えば恋愛で悩んでいたある女性は、無意識にエネルギーバンパイアを引き寄せる傾向があり、疲労や脱毛など原因不明の症状にも苦しんでいました。催眠下で原因を探ると、幼少期に親の愛に飢え、自信を失ったことが分かりました。

そこで、親に愛されて育った様子をイメージする訓練や、「ありのままの自分で幸せです」などの自己暗示をかける方法などを指導しました。脳がイメージや自己暗示を真実と思い込み、苦い記憶がポジティブなものに書き換えられるに従い、女性は自信と健康を取り戻し、行動も前向きになりました。今ではエネルギーバンパイアから離れ、素敵な恋愛を楽しんでいます。

人間関係で悩んだら、周囲を見回してみてください。自分らしい人生を、エネルギーバンパイアに邪魔されているかもしれません。

※次回は、スポーツカイロプラクターの仲野広倫先生に、運動とけがのメカニズムについて伺います。

 

 

 

中根真理子さん 
Mariko Nakane

米国催眠士協会(National Guilt for Hypnotists)認定催眠士(ヒプノティスト)/講師。
願望達成、悪癖修正、セルフエスティーム向上、人間関係改善、禁煙、ダイエット、
ストレス解消、健康維持、不妊対策と妊娠準備など。
定期的にヒプノティスト養成講座、幼児向けマインドフルネス/土曜日日本語教室を開催。
国際レイキ・トレーニングセンター認定レイキマスター。

Mariko Nakane

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