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原因にもよりますが、心臓の機能低下は、時間をかけてゆっくり進行することが多いです。心不全発症前はもちろん、心臓に異常が出た後でも、危険因子を早期に取り除くことで、心不全への進行を防ぐことができます。
心臓に軽度の異常が起きても、最初は自覚症状がないこともしばしばです。しかし、徐々に損傷が蓄積し、息切れ、体のむくみ、けん怠感、慢性的な咳などの症状が現れ、悪化と回復を繰り返しながら重度の心不全に進行します。そうなる前に、予防策を講じることが大事です。
高血圧、高脂血症、糖尿病、肥満、体脂肪の増加などは、心不全の発症リスクを高めることが知られます。肥満や体脂肪増加は比較的分かりやすいのですが、それ以外の病気は症状がほとんどないので、定期健診などで早期発見に努め、油断しないようにしましょう。
慢性高血圧は、心臓病の大きな危険因子です。血圧を下げるだけで、軽い心肥大や心不全、動脈硬化を予防し、心筋梗塞のリスクも下げることができます。
血圧を下げる方法はいろいろありますが、特に大切なのが減塩、ストレス解消、適度な運動です。これらの生活習慣改善で血圧を管理できない場合は、薬物療法を検討します。最近の降圧剤は、医師の指示通りに正しく服用すれば、危険な副作用がほとんどありません。
コレステロール対策には、日頃の食事で動物性脂肪をできるだけ避けることが有効です。バター、ラード、魚卵、動物の内臓(レバー)、卵の黄身などの食べ過ぎに注意しましょう。また、食物繊維を多めに摂取すると、腸内で脂肪が吸収されにくくなります。
運動、特にジョギング、ウォーキングなどの有酸素運動は、心臓の筋肉を鍛え、体を強くするほか、コレステロール値を下げることにも役立ちます。ただし、最初から無理な運動は避け、体の調子をみながら少しずつ始めましょう。
食事療法や運動療法で高脂血症を改善できないときは、スタチンというコレステロール降下薬の服用を検討します。スタチンよりも有効な注射薬が最近開発され、米国で使われ始めたところです。
禁煙の大切さも強調しておきます。心不全の最大の原因は心筋梗塞ですが、喫煙は心筋梗塞を引き起こす動脈硬化の原因の一つです。喫煙と高脂血症が心筋梗塞のリスクを高めることは、さまざまの研究で報告されています。
また肥満の人は、心臓に余計に負荷がかかることから心不全のリスクが上昇します。肥満度(BMI)が高い人ほど、高血圧、高脂血症、糖尿病がある人が多いようです。
治療によって血糖値を適切にコントロールできていればいいのですが、糖尿病を放置している人は、心筋梗塞のリスクがかなり高いことが分かっています。また、心臓内部の「大動脈弁」という組織に異常が生じ、血液が流れにくくなる大動脈弁狭窄症(きょうさくしょう)という病気が進行しやすいことからも、糖尿病患者は心不全を起こすことが少なくありません。
心不全を発症してからは、薬物療法、手術などの治療選択肢があります。心不全の重症度、原因、合併症を把握した上で、治療方針を決めます。
薬物療法では、心臓を保護する薬や、むくみ、肺塞栓症(肺の動脈が詰まる病気)、動脈硬化など、心不全の症状と原因、低血圧などの合併症を治療する薬を主に使います。
心不全が進行すると、ペースメーカーや補助人工心臓といった医療機器を体内に埋め込む手術が必要になることがあります。心臓移植も稀に行われますが、移植臓器は慢性的に不足しています。
体は「生きた機械」のようなものです。機械にメンテナンスが必要なように、体も日頃からケアを心掛け、異常が起きても軽い段階で治療することで、重症化を防ぐことができます。心不全も同様で、元気なときから危険因子を解消し、発症後は根気よく治療に取り組むことが大切です。
※次回は、タミリアン・グレゴリー先生、フワン・ホーチャン先生に歯と口内ケアについて伺います。
霞竜雄先生
Tatsuo Kasumi, MD
米国内科学会認定医師。
スタンフォード大学、アルバート・アインシュタイン大学メディカルスクール卒業。
ニュージャージー医科歯科大学(現ラトガース大学医科歯科大学院)医学部内科レジデンシー修了。
子供から高齢者を対象に、内科・小児科・胃腸科診療、一般診療、人間ドックなど。
ハッケンサック大学病院でも診療。
リバーサイド健診センター
Riverside Kenshin Center
Continental Plaza I
401 Hackensack Ave., 5th Fl.
Hackensack, NJ 07601
TEL: 201-678-1900
http://myriverside.net
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