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アメリカでもサッカーは大人気。男子は今季リーグが始まったばかり。女子も4月から開幕するのをご存知だろうか? サッカーをやったことがある人、観戦好きな人、そして初めて観るという人も、今号を読んで、競技場へ応援に行こう!
今季「MLS」の見どころ
今年25年目に突入するメジャーリーグサッカー(MLS)の開幕戦が、2月29日に行われました。実はJリーグは今年28年目ですので、JリーグとMLSは非常に近い歴史を持っています。
日本人にはあまりMLSの認知度は高くないですが、実はアメリカ国内では若い世代を中心に、大きな人気を得ています。1試合あたりの平均観客動員数は2万2000人近く。これはアメリカ4大スポーツといわれ、NFL(アメフト)、MLB(野球)に次いで3番目に多い平均観客動員数なのです。
ニューヨークにある二つのプロクラブ
私たちの住むニューヨークには、二つのプロクラブがあります。一つは『ニューヨーク・レッドブルズ(NYRB)』。オーナーは清涼飲料水で有名なレッドブルです。同社は最近、英リバプールFCに移籍した南野拓実選手が活躍した、オーストリアリーグのFCレッドブル・ザルツブルグや、ドイツ・ブンデスリーガの強豪、RBライプチヒなども保有する名門クラブです。
本拠地は、マンハッタンよりパストレインなどで30分ほどのハリソンにある、レッドブル・アリーナ。駅から徒歩7分という好立地です。車で行く場合も、渋滞がなければ30分程度で到着しますし、駐車場も完備。平均観客動員数は約1万6000人と、コンパクトなサッカー専用スタジアムは欧州を彷彿(ほうふつ)させます。
もう一つのニューヨーク拠点のプロクラブは、英マンチェスターシティーを中心としたグローバルなサッカー会社であるシティー・フットボール・クラブ(CFG)とMLBのニューヨーク・ヤンキースが共同保有する、『ニューヨーク・シティーFC(NYCFC)』です。昨季Jリーグを制覇した横浜FマリノスもCFGの一員です。
こちらの本拠地はヤンキースタジアムで、平均観客数も約2万7000人とMLS内でも多く、普段目にするMLBの試合とは異なる雰囲気を味わうことができます。この2クラブが直接対戦をする、通称「ニューヨークダービー」は迫力があり、リーグの中でも非常に人気の高いカードとなっています。
活躍する日本人選手
今季のMLSでは、日本人選手2人がプレーします。1人目は、日本でも話題になった久保裕也選手。MLSに参加して2年目となる新気鋭の「FCシンシナティ」に、今年のオフに移籍してきました。日本代表選手FW(フォワード)がMLSでプレーをするのは、工藤壮人選手以来となります。
もう1人は、昨季リーグ準優勝を果たした名門クラブ「トロントFC」の遠藤翼選手です。彼は高校卒業と同時にメリーランド大学に留学し、サッカー部での活躍を認められ、2016年のMLSスーパードラフトで、日本人として初めて一巡目指名でドラフト1位でトロントFCに加入した選手です。
MLS期待のスター選手
MLSの面白い点は、毎年世界的なスーパースター選手がいること。19年まではズラタン・イブラヒモビッチ選手が「LAギャラクシー」に所属していました。今年はそこまで豪快な選手はまだ発表されていないものの、デビッド・ベッカム氏がオーナーを務める「インテル・マイアミFC」が、MLSデビューします。ベッカム氏が保有するこのクラブが、どのようなチーム作りをしていくか注目です。
アメリカのスポーツ観戦はどのスポーツであっても、余興や雰囲気が非常に面白いです。スポーツに造詣が深くなくとも、誰でも楽しめるようになっています。ぜひ観に行きましょう。
次ページでは、中村さん注目の選手を紹介します。
中村武彦
■マサチューセッツ大学アマースト校スポーツマネジメント修士取得、2004年、MLS国際部入社。
08年アジア市場総責任者就任、パンパシフィック選手権設立。
09年FCバルセロナ国際部ディレクター就任。
ISDE法科大学院国際スポーツ法修了。
FIFAマッチエージェント。
リードオフ・スポーツ・マーケティングGMを経て、15年ブルー・ユナイテッド社創設。