Page 14 - NY Japion
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NYで奮闘する  若者に直撃インタビューニューヨークで奮闘する若者たち。 その新しい発想、夢に向かって走 る姿は私たちを常に刺激する。 今、輝いている若者に熱い思いを 語ってもらい、また上司からの応 援メッセージも聞く。砂本典子さん ミュージカルピアニスト心に感じていましたね。――ニューヨークに来てど うと思ったのが始まりです。負をしようと考え、国立音 それで、「アメリカに移って 楽大学に新設された応用 第二の人生」を始めようと 演奏学科に進学しました。 思いました。 父を高校のときに亡くして ――仕事で大変だったこと認め、敬意を払ってくれる 観客がいます。そういう場 所で、仕事ができているこ ともすごくうれしいです。 そして自分のエネルギーを あげたり、お客さんからエ ネルギーをもらって、かつ 周りの人たちにも喜びをシ ェアできることが一番うれ しいです。のぐらいですか? ――音楽を仕事にしようと   月で3年になります。 思ったのは?リハーサルでピアノを弾い 俳優や音楽家の皆さんが   高校時代、ピアノからエ て、指揮もして、作曲とか 頑張っているおかげで、人 レクトーンに転向したこと アレンジもするのを見て、 種に関係なく成功できる が今の音楽人生の基になり 本場にはそういうポジショ 環境になっていると感じて ました。エレクトーンで勝 ンがあるのを知りました。 います。良いものを良いと2008年に劇団四季で   親によると赤ちゃんのこ いたので、在学中は奨学金 は? ミュージカル「ウィキッド」 ろから音楽に関心を持って を得るために、がむしゃら   私は本当におっちょこち をミュージカルピアニスト いて、3歳ぐらいで自分で に勉強しました。そのかい ょいで...。仕事を依頼され として弾きましたが、その 作曲した曲を弾いていたそ あってヤマハ・インターナシ て英語で細かいニュアンス 時、訪日したブロードウェ うです。演奏会に出ると、 ョナル・エレクトーンコンク が分からないまま、「でき ーの同作の音楽監督スティ 周りから「楽しそうに弾く ール日本代表ファイナリス る」と答えて、後から大変ーブン・オレマスと会って、 姿が印象的だった」と声を ト賞を受賞、卒業時には武 その音楽ディレクションの 掛けられ、「音楽は何か伝 岡賞も受賞しましたが、卒 手腕に感動し、本場に行こ えることができる」と子供 業後は音楽家だけを仕事な仕事だと分かったことが ありました。「これができな かったら、仕事も人間関係 もなくなる」と思って、眠れ なくて。でも人に聞いたり、 調べたり、ソフトを買って使にするのは諦め、奨学金を返すために仕事を掛け持ちしていました。――再び夢を追い始めたの い方を覚えたりしてやり遂 はなぜ? げて、逆にキーボーディス  でも日本ではミュージカ トの仕事がこんなにも幅広 ルピアニストは演奏だけが いんだと学び、次に進む原 仕事で、リハーサルと本番 動力になりました。 でも奏者が違うことを知 ――仕事の中で一番うれし りました。でもブロードウ かった瞬間は? ェーのクリエーティブチー   ブロードウェーは、日本 ムに出会って、音楽監督が 人では渡辺謙さんはじめ、若者の日常チェック!Friday, December 2, 2016|Vol. 893|14 INTERVIEW12若者彼らは日常をどうやって過ごしているのか。 仕事場、オフの姿を追う。ミュージカル 上 演中はオーケス トラボックスで演奏している現在全米ツア ー 中 の「 シ ン デ レ ラ 」の ス タ ッ フ 。ト ニ ー 賞 受 賞オーケストレ ーターのビル・エ リオットさんが率 いる音楽チーム に所属している砂本典子さん■国立音楽大学、東京学 芸大大学院卒業。劇団四季などでのミ ュージカルピアニストを経て2008年に 来米。現在ミュージカル「シンデレラ」の 全米ツアーに参加中。プライベートでも ミュージシャン仲 間とはよく出 掛 けて絆を深めているとのこと推薦者のことば「シンデレラ」オーケストレーター は素晴らしいです。 ビル・エリオットさんオーケストラの中ではメン バーから愛されるキーボ ーディストで、俳優、音楽 家、プロダクション全体の 意 欲 を 高 め てくれ る 存 在。仲間を尊敬し、観客 に 音 楽 の 楽しさを 伝 え 、 一生懸命に仕事する姿


































































































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