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15|Vol. 886|Friday, October 14, 2016 BUSINESS阪本が選ぶ読めば分かる この一冊こども論語塾 安岡定子101共 感 マ ー ケ ティン グます。 「思わず人に話したくな〝共感〞をキーワードに独自のマーケティング理論を 展開するブランディングコンサルタント・阪本啓一のる物語を持っている(バスケ ットボールとデパートの垂 れ幕でできてるんだ よ!)」。そしてもう一つ、私 はクリエーター山路さんの「マーケティング力アップ講座」。第 回 共感商品思想に共感したのです。 BUChy はまさにこの 流れの中にいます。買った 後も自分の写真が掲載さ れていたら顧客はブログを 見に行きます。そしてSN Sなどで広めるでしょう。 まさに共感商品です。 ぶらりと立ち寄った阪急うめだ本店の催事売り場で、吸い寄せられました。そこに並ぶバッグたちは普通とはちょっと違う空気感をまとっているのです。聞けば、バスケットボールなど、 トを体験した記念の地な 消費者という言葉がありますが、以前から私は抵抗がありました。費消して、消えてなくなるイメージがあり、大量生産大量消費の時代ならいいものの、 せん。顧客自身が共感して 現代にはそぐわない気がし 納得した、世界にたった一つ ます。現代は、お金と商品 のバッグなのですから。 との交換ではなく、商品をボールの素材を使って手造 りしたとの由。広島が本社 のMIKASA、オリンピ ックなどでも世界的に有名 なボールメーカー。MIK ASA開発部が試作や検 品の際に出てくるボール生 地の端材とさまざまな素 材を組み合わせて作ってい ます。ので、思わず話が弾みます。しかも翌日は仕事で広島 ここまで、このバッグの価 に行くというタイミング! 格には一切注目していない これは何か一つ買い求めて、 ことにご注意ください。金 ブランド名はBUChy(www.buchy.jp)。「ぶち」 でこそあまり見掛けなくな ボールと垂れ幕素材(耐 久性に優れたPVCター ポリン、繊維を塩ビコーテ ィングしたもの)なので、軽 い軽い。山路さん「バッグを 持った姿を写真に撮らせてとは、広島弁で「とても」「め りましたが、デパート屋上 っちゃ」という意味です。「ぶ から垂れ下がっているバナ ちうまいのう(とてもおい ーです。「屋上 ビアダイニしいね)!」とか使います。 ング」とかね。 BUChyを主宰するイ くだんのバッグも、広島 ラストレーター・バッグク 三越で使われていた垂れ幕 リエーターの山路南さんは の一部が再利用されている 東京で活躍されていますが のです。山路さんいわく、阪ください。ブログ(http://blo gs.yahoo.co.jp/buchyblog)広島市出身です。急は今日までで、明日からもちろんオッケーです。 このバッグ、まさに現代「買うしかない」気持ちは広島三越とのこと。これ またびっくりです。もう、こ れは出会ってしまった、「買 うしかない」、という気持ち になりました。 私も広島は、会社員時代 9年間赴任し、その間結婚 したり子供が生まれたり という、人生の重要イベン そこには「他社より高い・ 安い」という話は出てきま明日広島に持っていかなき ゃ。目についたのが、青と白 が目立つバケツ型バッグ。持 ち手と底がバスケットボー ル素材です。本体の生地が なんと、デパートの垂れ幕 を使っているとのこと! 今額ではないのです。欲しい! に火がついてしまったので す。明日、広島のみんなに自 慢したい! という「ドヤリ ング」欲にも点火してしま ったのです。物語と思想ある商品に掲載していいですか?」。風に優れた商品だと考え作った人の哲学や世界観に 共感し、「いい商品作ってく れてありがとう! 応援す るよ!」という気持ちが生 まれ、サポーターとして応 援の印として代金を支払 う、という姿だと考えま す。代金は応援の印 「論語」はいいこと書いて 説。 あるらしいから読んでみた 引用した言葉「辞は達す いけど、でも、眠くなりそ るのみ」は、「言葉というも う。そんなあなたに、この一 のは、相手にその意味を十 冊をおすすめします。 分に伝えるようにすること 著者は論語など人間学 こそ大切なのだ」という意 の泰斗、安岡正篤の孫娘。ペ 味で、私は組織のコミュニケ ージ見開き2ページを使っ ーション論を話す際、引用 て、孔子先生の言葉を解説 します。こっちが青いボール してくれます。右ページに書 投げたつもりでも、相手が き下し文、原文(白文)、現 黄色と受け取ったら、それ 代語訳、そして左ページに は黄色なのだと。辞は達す 小さいお子さんにも分かり るのみ。伝わらなきゃ、存在 やすく解説した子供用解 しないと同じ。辞は達するのみ。 (本文より引用)明治書院今週の教訓つい人に伝えたくなる何かを阪本啓一■ブランディングコンサルタント。大阪大学 人間科学部卒業後、旭化成入社。2000年に独立し 渡米、ニューヨークでコンサルティング会社を設立。 06年、株式会社JOYWOW創業、現在取締役社 長。地球と人をリスペクトする、サステナビリティ経営 の実現に取り組む。『ブランド・ジーン~繁盛をもたら す遺伝子(』日経BP社)などの著書・訳書、講演活動 も多数。www.kei-sakamoto.jp 電子メディア開店!www.orange-media.jp