2024年度で結成25
今、米国の若い世代の間で1970年代後半から80年代にかけて日本で大流行したシティーポップを中心に熱狂的なファンが増えている。ブルックリン区に店を構え、レアものを揃えるフェイスレコードの間宮さんが選ぶ名曲を通して、その魅力を探ってみたい。
近年再評価の高い日本のジャズフュージョン
イエローマジックオーケストラなどさまざな良質な音楽をリリースしてきたアルファレコード。そこから、日本を代表するフュージョングループ、カシオペアの2枚目のアルバムを紹介。スーパーメローな『ティアーズ・オブ・ザ・スター』や軽快なリズムの『ミッドナイトランデブー』などバラエティーに富んだ1枚だ。特筆すべきは、同レコードは1stオリジナルプレス(初版)よりも、写真の2ndプレス(1980年リプレス版)のほうが高額な点である。もちろん収録曲は一緒である。
しかし、SNSなどで拡散された際に使用されたジャケットが赤いスーパーカーであったため、多くの人がそれを欲しがり価格が高騰。当店でも同ジャケットは初版の3倍の価格である。これはSNS時代特有の現象で、新しい若いリスナーがどんどん増えていることの象徴であろう。このカルチャーに若返りがあることは、微笑ましい限りである。
フェイスレコード■
2018年にウィリアムズバーグ地区にオープン(営業は木曜日から日曜日の午後1時〜7時)。シティーポップをはじめ、山下達郎、竹内まりや、坂本龍一、YMOなどに代表される日本の音楽を中心に、ヒップホップや日本盤のジャズロックなども豊富に取り扱う。在庫数は8000枚、新入荷は毎週金曜日。レコードの買い取りも受け付け中。1994年に東京で創業し、現在は日本全国に全6店舗展開中。
間宮祐一
横浜市出身。脱サラし、2015年からニューヨーク在住。18年に同店をオープン。自身も筋金入りのレコードコレクター。また、ヒップホップの楽曲制作も行い、2020年に客演に『Freddie Gibbs』(グラミー賞ノミネーター)を迎えたシングルレコードを発表。座右の銘は「NO VINYL NO LIFE」。