NYでカラオケ
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映画監督・鈴木やすさんが、思い出の映画作品を、鑑賞当時の思い出を絡めてゆったり紹介します。
ロック好きの娘のために先日、メタリカのメットライフ・スタジアムでのコンサートに付き添った。90年代の僕は慣れない米国生活を始めたばかりで流行りの音楽を聴く余裕もなかったので、その時代の音楽シーンが僕の中ではすっぽりと抜け落ちていて、メタリカもニルヴァーナもガンズ・アンド・ローゼズも聴かずに二十世紀が過ぎ去ってしまっていた。
歳を重ねた最近ではハードロックからすっかり遠ざかっていて、コンサートといえば100人位のキャパのハウスでジャズやボサノバとか弦楽四重奏を聴くのが心地よくなってきていた。メタリカも正直、渋々という感じで付き添ったのだが久しぶりのスタジアム・ロックコンサートは本当に感動的だった。音楽だけではなくてビジュアルも演出も素晴らしく、50歳を超えた僕にロックの火種があってそれが爆発する感動が自分の中にまだ残っていたのが嬉しかった。メタリカのメンバーは60歳に手が届いたそうだ。42年間にわたって第一線をひた走ってくれたことには感謝しかない。なによりも娘にとっては生まれて初めてのスタジアム・ロックコンサートでその経験を彼女の隣でいっしょに分かち合えた事が一番嬉しい。
若者時代に受けた感動を人生の後半戦でもう一度経験できるのだから、娘には「生まれてきてくれて本当にありがとう」と心から思う。僕が子供だった頃は映画がまだまだエンタメとして健在に活躍していた。名古屋の港に近い僕の近所にも南シネマという映画館があってよく連れて行ってもらった。懐かしい映画の思い出は連れて行ってくれた当時の大人たちとの思い出でもある。ワクワクした映画の感動とともに繋がれた大きな手の温もりも僕の中にしっかりと残っている。今回はそんな夏休みの映画の思い出を綴りたい。
まんがまつり
夏の映画といえば、子供の頃「東映まんがまつり」とか「東宝チャンピオンまつり」を楽しみにしていた。ゴジラなどの怪獣映画を短めに編集したものと、「仮面ライダー」、「ウルトラマン」、「みなしごハッチ」なんかを同時に映画館で上映してくれた。今の子供たちが見たら「なんで一度テレビで放送された番組をわざわざお金を払ってもう一度映画館で見る必要があるのか?」と笑われるかもしれないが、僕たちの子供時代はストリーミングもユーチューブもDVDもビデオ録画さえもなかった。テレビの人気番組はその一度きりの放送だったので、もう一度映画館でウルトラマンが見れたのは本当に嬉しかった。僕たちの子供時代はものすごい集中力で一度きりの番組を目と心に焼き付けながら見ていたことになる。倍速で「ながら視聴」でテレビを見ている今の子供達がかわいそうにも見える。
僕の母には6人兄妹の中で唯一の戦後生まれの弟がいて、父は彼を実の弟のように可愛がり、僕も「よっちゃん兄ちゃん」と呼んで慕っていた。大阪に住んでいた兄ちゃんも僕をものすごく可愛がってくれて、お盆とお正月にはうちに泊まりにきて毎年必ず映画館に連れて行ってくれて、寅さんシリーズとトラック野郎シリーズを一緒に見た。僕を映画や俳優の道に導いてくれたのも父や母、そしてよっちゃん兄ちゃんとの映画の思い出があったからだ。映画は人と人とをつなげてくれる。人を人生に導き、暖かい思い出を心の中に残してくれる。お子さんのいらっしゃる読者の皆さん、この夏はストリーミングで済まさずにぜひ子供を映画館に連れて行ってあげてください。
番外編
東宝チャンピオンまつり
公開: 1969年〜1978年
作品: ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃、巨人の星 行け行け飛雄馬、モスラ、昆虫物語 みなしごハッチ、いなかっぺ大将、科学忍者隊ガッチャマン 電子怪獣レンジラー、元祖天才バカボン、ミッキー・マウスのがんばれ!サーカス、ピーター・パン、ルパン三世 ベネチア超特急 他
鈴木やす
映画監督、俳優。1991年来米。ダンサーとして活動後、「ニューヨーク・ジャパン・シネフェスト」設立。短編映画「Radius Squared Times Heart」(2009年)で、マンハッタン映画祭の最優秀コメディー短編賞を受賞。短編映画「The Apologizers」(19年)は、クイーンズ国際映画祭の最優秀短編脚本賞を受賞。俳優としての出演作に、ドラマ「Daredevil」(15〜18年)、「The Blacklist」(13年〜)、映画「プッチーニ・フォー・ビギナーズ」(08年)など。現在は初の長編監督作品「The Apologizers」に向けて準備中。facebook.com/theapologizers
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