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編集部員がアートを巡る連載エッセイです。
編集部員A
■外国語学部を卒業し、写真専門学校へ。某新聞社系出版社の写真部を経て、フリーランスのカメラマン兼ライターに。現在、弊紙編集部で書いて撮って編集を担当。趣味は映画と犬の散歩。食べること、飲むことが大好き。
ロシアによるウクライナ侵攻に連日胸を痛めている人も多いはず。ニュースを見ては悲しくなり、無力な自分にふがいなさを感じる。筆者の家からすぐ近くのウクライナ領事館の前には花束とメッセージが添えられ、国連前ではウクライナの国旗を持った人々によるデモが行われている。前を通る度に、心臓が縦絞りにされた気持ちになる。
米国でウクライナ移民の数が最も多いこの街で、何かできることはないか。そんなことを考えている時に、ウクライナで博物館が被害を受け、同国の代表作家の絵画が焼失したというニュースが耳に入った。現実に嘆くだけでなく知ることが大事だと、ウクライナタウンへ向かった。
ローワーイーストにあるウクライナ博物館には、絵画や民族衣装のソロチカ、動植物が描かれた陶器などが展示されている。中でも気になったのはイースターエッグ。イースターはキリストが死後3日目によみがえったことを祝う行事を指し、卵は復活のシンボルだ。しかし実はイースターエッグの起源はウクライナに伝わる「ピサンキ」といわれており、本来卵は自然の神々の命を象徴するものだったという。
飾られたピサンキを見ると、どことなく和柄に見えてくるではないか。桜や菊のような花々が、淡いピンクや渋めの朱色で描かれている。日本画の影響があったかは定かでない。けれど、今起きていることが決して他人事ではないのだと暗に示されているようだった。ウクライナを知る一つのきっかけになるので、ぜひ足を運んでみてほしい。ショップもおすすめですよ。
ウクライナ博物館
222 E. 6th St.
(bet. 2nd & 3rd Aves.)
TEL: 212-228-0110
ukrainianmuseum.org
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