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編集部員がアートを巡る連載エッセイです。編集部員A
■外国語学部を卒業し、写真専門学校へ。某新聞社系出版社の写真部を経て、フリーランスのカメラマン兼ライターに。現在、弊紙編集部で書いて撮って編集を担当。趣味は映画と犬の散歩。食べること、飲むことが大好き。
「ディズニーはアートなのか?」
メトロポリタン美術館で開催中のディズニー展「Inspiring Walt Disney」の会場の壁に、1939年に発刊されたニューヨークタイムズ紙の記事が引用されている。「ディズニーは600人ものアーティストを抱える世界で最も優れた経営者の一人だ」と。
ウォルトは夜間美術学校に通ってアニメーターとして活動し、後にミッキーを生み出した張本人である。映像と音声を同時に流すトーキー映画や、長編アニメを世界で初めて作ったのも彼だった。しかし、ディズニーランドを手掛けるに当たり、アニメーターから実業家へと転身していくこととなった。
日本でアニメといえば、幼少期に見るだけの一過性のものに留まらず、文化として根付いているという認識がある。アニメや漫画と共に育った私たちの価値観は、確実にそれらの影響を受けている。そして日本のアニメを構築したとされる手塚治虫は、幼少期に父親の映写機で繰り返し見たディズニー作品に大いに影響を受けたという。多くの人の琴線に触れ、社会や文化に影響を与えるものがアートなら、ディズニーアニメーションも言わずもがなである。
アニメーションの世界を変え、世界中に多大な影響を与えたディズニー作品。それら一つ一つがどのような時代に、何に影響を受けて生み出されたのかを知ることで、新しいアイデアや発見があるに違いない。ディズニーはアートなのか。ぜひ同展に足を運んで、自分なりの答えを見つけてみてほしい。
メトロポリタン美術館
1000 5th Ave.
TEL: 212-535-7710
metmuseum.org
【会期】3月6日(日)まで