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編集部員がアートを巡る連載エッセイです。
編集部員A
■外国語学部を卒業し、写真専門学校へ。某新聞社系出版社の写真部を経て、フリーランスのカメラマン兼ライターに。現在、弊紙編集部で書いて撮って編集を担当。趣味は映画と犬の散歩。食べること、飲むことが大好き。
ストックホルム発の写真美術館、Fotografiska New Yorkへ行ってきた。写真家であり映画監督のジェリー・シャッツバーグの、めちゃくちゃかっこいい写真が並んだ展示が開催中だ。ジェリーは1960年代に「ヴォーグ」や「エスクァイア」などのファッション誌で活動し、ボブ・ディランやジミ・ヘンドリックス、ビートルズなど名だたるアーティストや俳優を写真に収めた。70年代以降は映画監督として活動し、「スケアクロウ」ではカンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞。同館からパークアベニューを3ブロックほど北上したところにあった彼のスタジオでの写真をはじめ、セレブリティーたちのふとした瞬間を捉えたスナップやポートレートで構成される。
彼の展示は最上階で開催され、複数の窓がある会場にはソファーが置かれ、カーペットが敷かれ、まるで家にいるかのようなリラックス空間となっている。正面には大きなスクリーンが設置され、スライドショーが投影される。「上を向いて歩こう」などノスタルジックな曲が流されているのも相まって、スタジオでの古き良き日々の懐古スライドには、ほろりとしてしまう。
作品によって展示方法は異なるが、まさにインテリアと調和した写真群からは日常にアートを取り入れてみては? という提案が聞こえた。作品が素晴らしいのは当然ながら、こんな風にかっこいい写真を自分の部屋にも飾ってみたいな、とイメージを膨らまされる展示空間だったように思う。次週は、写真の魅力を伝える仕掛けがいっぱいの、同美術館のつくりについて書いていきたい。
フォトグラフィスカニューヨーク
281 Park Ave. S.
TEL: 212-433-3686
fotografiska.com/nyc
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