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編集部員がアートを巡る連載エッセイです。
編集部員A
■外国語学部を卒業し、写真専門学校へ。某新聞社系出版社の写真部を経て、フリーランスのカメラマン兼ライターに。現在、弊紙編集部で書いて撮って編集を担当。趣味は映画と犬の散歩。食べること、飲むことが大好き。
冒頭から白状しておくが、筆者はファッションにかなり疎い。フォトグラファーという職業柄、着る服は動きやすくシンプルなものに走りがちだし、寒がりなので、冬は着膨れしようが構わず保温性を重視する。
そんなこともあり、先日ファッションの祭典「メットガラ」がメトロポリタン美術館(MET)で開催されるファッション展のオープニングイベントだということを初めて知った。芸能人がドレスコードにのっとり、ただレッドカーペットを歩くだけの派手なお祭りかと思っていたが、メインはこちらの展覧会だという。
METの正面玄関から右へ進み、古代エジプトコレクションをくぐり抜けると、そのファッション展にたどり着く。壁には「In America: A Lexicon of Fashion」と書かれ、アメリカンフラッグと洋服が飾られている。展示名を訳すならば「アメリカのファッション辞典」といったところか。
昨年は「時間について」、その前は「キャンプ」「天体」「川久保玲」と具体的なテーマを設定する年もあるが、今年はアメリカのファッションを、大きなくくりで捉えるという。展示の冒頭には公民権活動家ジェシー・ジャクソンの言葉が引用される。
「アメリカはキルトのような国である。たくさんの継ぎはぎ、色、大きさの布が、すべて一緒くたにまとめて織られているのだ」。
多様性の象徴ともいえるアメリカという国家を、ファッションの視点から捉えるというこの企画。服に頓着がなくとも楽しめそうな気がしないだろうか。次号は地下エリアに降りて、展示を深掘りしていく。
メトロポリタン美術館
1000 5th Ave.
TEL: 212-535-7710
metmuseum.org
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