春到来! 週末のプチお出かけ 〜ハドソン川流域・キャッツキル山麓編〜
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編集部員がアートを巡る連載エッセイです。
編集部員A
■外国語学部を卒業し、写真専門学校へ。某新聞社系出版社の写真部を経て、フリーランスのカメラマン兼ライターに。現在、弊紙編集部で書いて撮って編集を担当。趣味は映画と犬の散歩。食べること、飲むことが大好き。
見知らぬ人に声を掛け、彼らに今思っていることを紙に書くように指示し、それを手にした姿を撮影させてもらう。「誰かがあなたに言わせたがっていることじゃなくて、あなたが彼らに言わせてみたいことのサイン」シリーズには、苦虫を噛み潰した表情の警官が「HELP」と書いた紙を持ち、スーツをキメてほほえむサラリーマンが「DESPERATE(絶望的)」の文字を掲げる。
服装や身なりと、書かれた文字とのギャップに、思わず見入ってしまうこの作品。人物が文字と写されることで、私たちが普段どれほど「人を見た目で判断しているか」を痛感させられる。
またウェアリングは多くの作品で、シリコン製の仮面を自ら着用し、自分の家族や著名なアーティスト、若かりし頃の自分と年老いた自分など、さまざまな姿に変身する。仮面を付けて違う自分になりきることで、いかに自分が「周囲からどう見られているか」を意識して生活しているかについて考えさせられるという。
自分をよく見せたい、よく見せないといけない、そんな気持ちを助長させるSNSの時代。この展示を通じて、他人に対する偏見や、他人の目に対する自意識について、一度立ち止まって考えてみてはどうだろうか。
グッゲンハイム美術館
1071 5th Ave.
(bet. 88th & 89th Sts.)
guggenheim.org
【会期】11月5日(金)〜2022年4月4日(月)
※毎週火・水曜日休館
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