アートを見に行こう

Gillian Wearing: Wearing Masks②

編集部員がアートを巡る連載エッセイです。

編集部員A

■外国語学部を卒業し、写真専門学校へ。某新聞社系出版社の写真部を経て、フリーランスのカメラマン兼ライターに。現在、弊紙編集部で書いて撮って編集を担当。趣味は映画と犬の散歩。食べること、飲むことが大好き。


セントラルパークに先月、突如現れた写真家ダイアン・アーバスの像。政治家や運動家の男性がモデルにされることの多いブロンズ像に、なぜアーティストの彼女が選ばれたのだろうか。作者のジリアン・ウェアリングは、広場に設置される従来の像のイメージを破り、賞賛に値する人物、あるいは像のモデルとなる人物についてより活発に議論されるようになってほしいと話す。

ウェアリングはその他にも、ロンドンの国会議事堂広場に女性参政権運動家のミリセント・フォーセットの像を制作。チャーチルやネルソン・マンデラなど11体の男性像が並ぶ中、初めて女性による女性の像が設置された。

この像は従来の像と異なり両手に旗を掲げている。旗にはフォーセットの演説の一部「Courage calls to courage everywhere」(勇気はいたるところで勇気に呼び掛ける)」と書かれている。

通行人に思っていることを紙に書くよう指示し、それを掲げた姿を撮ったウェアリングの作品「誰かがあなたに言わせたがってることじゃなくて、あなたが彼らに言わせてみたいことのサイン」を彷彿とさせるこの像。文字を掲げた姿の彫像と、ポートレート。次回は文字の効果についてウェアリングの作品で深掘りする。

 

グッゲンハイム美術館 
1071 5th Ave.
(bet. 88th & 89th Sts.)
guggenheim.org
【会期】11月5日(金)〜2022年4月4日(月)
※毎週火・水曜日休館

 

関連記事

NYジャピオン 最新号

Vol. 1244

オーェックしよ

コロナ禍で飲食店の入れ替わりが激しかったニューヨーク。パン屋においても新店が続々とオープンしている最近、こだわりのサワードウ生地のパンや個性的なクロワッサン、日本スタイルのサンドイッチなどが話題だ。今号では、2022年から今年にかけてオープンした注目のベーカリーを一挙紹介。

Vol. 1243

お引越し

新年度スタートの今頃から初夏にかけては帰国や転勤、子供の独立などさまざまな引越しが街中で繰り広げられる。一方で、米国での引越しには、遅延、破損などトラブルがつきもの、とも言われる。話題の米系業者への独占取材をはじめ、安心して引越しするための「すぐに役立つ」アドバイスや心得をまとめた。