続々と秋の新作コスメが登場する今時期、メークアップから今っぽい顔を先取りしてトレンドを楽しみたいもの。今回は気になる旬なメーク術からアイテムまでをフィーチャー。
今、米国の若&#
映画監督・鈴木やすさんが、思い出の映画作品を、鑑賞当時の思い出を絡めてゆったり紹介します。
僕がまだ6歳ぐらいの頃、母は田宮二郎の大ファンで「白い滑走路」というドラマに親子で一緒にハマっていた。子供らしく「大きくなったらパイロットになりたい」と思っていたけど、ある日気付いた。俳優になったらもっといろんな職業を演じられる。それ以来ずっと俳優を志し、中学1年生で演劇部に入った。
そこで出会ったプロのベテラン俳優の傍ら、僕の通う中学校で美術を教えていた演劇部の顧問の先生、林敏秋先生との出会いが僕の運命を決めた。演劇部には男の子が2人しかいなかったので、秋の文化祭の舞台公演で僕は主役をいきなり仰せつかった。しかし夏休み中の大事なリハーサルの1日目をさぼってしまった僕は、2日目以降なんとなく行きづらくなってついに夏休み中のリハーサルを全部さぼってしまった。決断したことを、困難を乗り越えてやり抜くことができないふにゃふにゃした性格の子供だったのだ。
このままなんとなく辞めてしまおうと思っていた僕は、林先生に部員全員の前で厳しく叱られた。リハーサルもしていないので主役からも降ろされたけれど、半年後の春の公演ではそんな僕を諦めずにまた主役に抜擢してくれた。その時に林先生からきつく教わったことを40年以上経った今でも大切に守っている。
今でもスケジュールの関係でリハーサルにきちんと参加できないプロジェクトには、最初から参加しないと決めている。人生の大切な土台は林先生と今までやってきた舞台の経験から学んできた。林先生は10年ほど前に亡くなったが、今でも名古屋に帰郷すると忙しい時間を割いて必ず会ってくれるのは、この時の演劇部の仲間たちだ。今回の映画はそんな大切な時代を思い出させてくれる。
目指したのはニューヨーク
この映画を高校生の時に見てアメリカに行って俳優になろうと決意した。華やかなハリウッドには目もくれず、目指したのはニューヨークだった。ロサンゼルスの映画俳優の世界とは全く文化が違うニューヨークの俳優の世界を、この映画以上にそのまま描写している映画は他にないと思う。
舞台のオーディションから演劇スタジオのクラス、小さなアパートで一緒に暮らすルームメイトの劇作家、ビジネスライクでいながらどこか優しいエージェント。パーティーでお腹の空いた貧乏な女優が、皿の上の食べ物をハンドバッグに詰め込んでいるのを見られてしまい、にっこりとセクシーにほほ笑んで「うちのワンちゃん、このハムが大好きなのよ」と芝居する小さなシーンでは大爆笑してしまった。僕の住んでいる世界そのままだったからだ。
もちろん今でも俳優としてブレークしたい。でもこの映画を見るたびに日々のつまらない不平や泣き言が消えていく。思い切り笑った後にいつもこう思う。「高校生の時にトッツィーを見て憧れたニューヨークの俳優の世界に、僕はまさに生きている」。
愚痴をこぼしたくなることはたくさんあるけれど、それでも僕は思い描いた夢を現実に生きている。
この映画の監督で俳優でもあった故シドニー・ポラック監督とは一度だけ社会派サスペンスドラマ「マイケル・クレイトン」(邦題:フィクサー)の撮影で一緒になったことがある。マンハッタンの弁護士事務所を借り切っての撮影で、同じシーンを夜遅くまで何十回も撮り続けたトニー・ギルロイ監督を見て、「まだ同じシーン撮ってんのか?」と言って僕に向かってガハハハと豪快に笑った。
今年はパンデミックで延期になっていたブロードウェイの舞台にダスティン・ホフマンも戻ってくると聞いた。もう一度彼の演じる人間を観ようと思う。
今週の1本
TOOTSIE
(邦題: トッツィー)
公開: 1982年
監督: シドニー・ポラック
音楽: デイブ・グルーシン
出演: ダスティン・ホフマン、ジェシカ・ラング
配信: Apple TV、Amazon Prime他
才能はあるが仕事がない役者マイケルは、女装してオーディションを受け女優でデビュー。
女性の自立が叫ばれた1980年代の男女差別を風刺したコメディー。
鈴木やす
映画監督、俳優。1991年来米。
ダンサーとして活動後、「ニューヨーク・ジャパン・シネフェスト」設立。
短編映画「Radius Squared Times Heart」(2009年)で、マンハッタン映画祭の最優秀コメディー短編賞を受賞。
短編映画「The Apologizers」(19年)は、クイーンズ国際映画祭の最優秀短編脚本賞を受賞。
俳優としての出演作に、ドラマ「Daredevil」(15〜18年)、「The Blacklist」(13年〜)、映画「プッチーニ・フォー・ビギナーズ」(08年)など。
現在は初の長編監督作品「The Apologizers」に向けて準備中。
facebook.com/theapologizers
あなたの思い出の
映画はなんですか?
レビューの感想や、紹介してほしい作品などの情報をお待ちしています。
editor@nyjapion.comまでお寄せください。
鈴木やす
映画監督、俳優。1991年来米。
ダンサーとして活動後、「ニューヨーク・ジャパン・シネフェスト」設立。
短編映画「Radius Squared Times Heart」(2009年)で、マンハッタン映画祭の最優秀コメディー短編賞を受賞。
短編映画「The Apologizers」(19年)は、クイーンズ国際映画祭の最優秀脚本賞を受賞。
俳優としての出演作に、ドラマ「Daredevil」(15〜18年)、「The Blacklist」(13年〜)、映画「プッチーニ・フォー・ビギナーズ」(08年)など。
現在は初の長編監督作品「The Apologizers」に向けて準備中。
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今、米国の若&#
映画監督・鈴&#
【音楽】 17日(
続々と秋の新作コスメが登場する今時期、メークアップから今っぽい顔を先取りしてトレンドを楽しみたいもの。今回は気になる旬なメーク術からアイテムまでをフィーチャー。
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女子プロレスの窮地に彗星のごとく現れた「ビューティ・ペア」や「クラッシュ・ギャルズ」を覚えている人も多いだろう。1987年からWWEに参戦し海外での活躍を牽引したJBエンジェルス(山崎五紀&立野記代)、94年には女帝ブル中野がWWEに参戦しWWE世界女子王座を獲得するなど大活躍。女子プロレス先進国である日本のレスラーたちは、つねに世界の女子プロレスを牽引する存在だったのだ。そして長い年月を得て再び、日本の女子プロレスが海外で注目されているその実態を取材。