今話題のプランタンニューヨーク
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世界のスポーツシーンは絶えず変化しており、その最たる例が北米のメジャーリーグサッカー(MLS)の躍進です。この米国のサッカーチームたちは、今や世界のサッカー界で最も価値のあるチームの一つになりつつあるのです。
私がMLSに勤務していたころ、フランチャイズを保有するためには1000万ドルが必要でした。さらに興味深いことに、このリーグが発足した1996年には、たったの500万ドルでチームを所有することができました。しかし、その価値は飛躍的に成長し、現在ではいくつかのチームは10億ドル以上の価値があると評価されています。
フォーブスが発表した2023年の最も価値のあるサッカークラブのリストを見てみましょう。ヨーロッパの巨人たち、レアル・マドリードとマンチェスター・ユナイテッドはそれぞれ初めて60億ドルの大台を突破しました。そして、昨年はまだ評価されていなかったMLSの3チームが、なんとトップ20に名を連ねています。
特に注目すべきは、ロサンゼルス・フットボール・クラブ(LAFC)です。彼らはなんと10億ドルの評価額で17位にランクインし、国内ライバルを引き離してトップに立ちました。彼らの資産価値は、セリエAの名門インテル・ミラノ(10億3000万ドル)に僅かに及ばないものの、クリスタルパレスやニューカッスル・ユナイテッドのようなプレミアリーグのクラブを上回っています。
さらに、LAギャラクシー(9億2500万ドル)は18位、アトランタ・ユナイテッド(8億5000万ドル)は19位にランクインしました。その他、NYCFC、DCユナイテッド、トロントFC、オースティンFCといったMLSのチームも30クラブのリストに名を連ねており、最も低い評価額でも6億8000万ドルとなっています。
「戦力均衡」に配慮し投資の価値を高める
この成長は驚異的なものであり、北米スポーツの特性が大いに影響していると考えられます。北米スポーツは、欧州スポーツとは異なり、リーグ主導の経営が行われています。個別のクラブの繁栄よりも、リーグ全体が盛り上がることに主眼が置かれており、全体の価値の最大化の上でリーグ分配金の拡大や、ドラフト制度、サラリーキャップなどの制度で「戦力均衡」に配慮をしています。また、北米のスポーツリーグでは、入れ替え戦が存在しないため、サッカークラブの価値に勝敗が直接的な影響を与えにくいという特徴があります。このことが、スポーツビジネスとしてのMLSの魅力を高め、投資対象としての価値を向上させています。
さらに2026年にはFIFA北中米ワールドカップの開催が予定されており、その影響でアメリカ国内におけるサッカービジネスの盛り上がりが更に予期されます。
ワールドカップは、各国のサッカーファンだけでなく、広範なスポーツファンや一般市民の関心も引きつけるビッグイベントです。その開催によって、MLSの試合への関心や、チームへの投資、そしてサッカー関連商品の消費などが増加することは、間違いありません。加えて、MLSとアップル社との間で締結された大型放映権契約も、リーグの経済的な側面を強化する大きな要素となります。アップル社とのこの契約は、MLSの試合をより多くの視聴者に届けることを可能にし、リーグや各チームのブランド価値を一段と高めることでしょう。
移籍金ビジネスによる収益の大きさ
最後に挙げられる要素として、欧州への選手移籍です。ここ数年、MLSで育った選手を欧州のクラブに大きな移籍金で売却するケースが増えてきました。これは、MLSがプレーヤーの質を向上させ、国際的な市場での競争力を持つことができるということを示すと同時に移籍金ビジネスがしっかりとした収益源として確立してきたことを意味します。
これらの要素から、MLSのビジネスの側面の躍進は期待が持て、その成長と発展を今後も見守り続けたいと思います。その一方で、各チームの勝敗や、個々の選手の活躍など、スポーツとしての面白さも忘れてはなりません。経済的な成長と共に、MLSが提供するサッカーの魅力が広く認識され、更なるファンの獲得に繋がることを期待しています。
中村武彦
青山学院大学法学部卒業後、NECに 入社。 マサチューセッツ州立大学アマースト校スポーツマネジメント修士課程修了。メジャーリーグサッカー(MLS)、FCバルセロナなどの国際部を経て、スペインISDE法科学院修了。FIFAマッチエージェント資格取得。2015年にBLUE UNITED CORPORATIONを設立。東京大学社会戦略工学部共同研究員や、青山学院大学地球社会共生学部非常勤講師なども務める。
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