コロナ禍で飲食店の入れ替わりが激しかったニューヨーク。パン屋においても新店が続々とオープンしている最近、こだわりのサワードウ生地のパンや個性的なクロワッサン、日本スタイルのサンドイッチなどが話題だ。今号では、2022年から今年にかけてオープンした注目のベーカリーを一挙紹介。
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ニューヨーク市の移民・難民問題が深刻化している。米国全土の街のように、ニューヨークは移民が形成し、今日もなお、移民に支えられている。移民がいなければ、地下鉄も走らなければ、警官もいない、レストランでの食事もできない。米国は、そういう国だ。
ところが、新たにニューヨークに来る移民の問題は、これまでとは異なった局面を迎えている。エリック・アダムズ市長は1月、全米市長会議で、移民問題に関し、連邦政府の支援を要請する演説を行った。それによると、市内には昨春から約4万人もの移民や亡命希望者が押し寄せたという。ニューヨーク市は以前から、移民受け入れのため市内のホテルやモーテルを改築するのに、すでに数百万ドルを投入している。このほか、直近では使われていない埠頭に移民・難民受け入れセンターを建設中だ。
アダムズ市長が問題視しているのは、亡命希望者や難民などを認定する政府の手続きに時間がかかることだ。このためニューヨーク市が彼らの支援をする期間が長くなり、その分負担が増える。市長は、この改善を要請し、亡命希望者や難民が早く「移民」となって市の経済を支えるようになることを狙う。
ワヨミさん(左から2人目)らウィシュマさん遺族と弁護団
スリランカ女性の死亡
弁護団がビデオを公開
一方、日本はかなり異なる状況だ。一時帰国の際、厚生労働省で開かれたある衝撃的な記者会見に参加した。それは、名古屋出入国在留管理局に収容されていたスリランカ人女性、ウィシュマ・サンダマリさん(当時33歳)が2021年3月に死亡した問題についてである。遺族側が4月6日会見し、亡くなる前のウィシュマさんの様子を捉えた監視カメラ映像を初めて報道陣に公開した。
報道陣に公開された5分間のビデオは、2月22日に始まる。水も食料も受け付けられず、「私、今日死ぬ」「私を病院に持って行って」とウィシュマさんの必死の訴えが続く。しかし、看護師らは「私には権力がないからできない」などと言い、応答がなくなったウィシュマさんの前で「かっこいい先生」の話をしている。
そして21年3月6日14時07分のビデオとなる。職員が「指先ちょっと冷たい気もします」とインターホンで係に連絡。係は「脈は取れるか」と指示。そして、職員が「サンダマリさん?」と8回も名前を呼んで、彼女を揺さぶるところでビデオは終わる。その1時間後の15時25分、やっと搬送された病院で死亡が確認された。
入管法改正も問題
裁量が多すぎる入管
ウィシュマさんは、「日本ファン」でスリランカの大学を卒業したのち、日本で英語教師になることを夢見て渡日する。しかし、在留資格を失い、同居の男性から家庭内暴力の被害に遭っていたため、交番に助けを求めたところ、非正規滞在として名古屋入管に収容されてしまった。
遺族の弁護団が、このタイミングでビデオの公開に踏み切ったのは、国会での動きが背景だ。入管の収容 に関する裁量をさらに拡大する入管法改正案が提出され、4月中旬にも法案審議が始まる。改正案は、ウィシュマさんの死亡につながった入管の裁量を規制する内容ではなく、弁護団は会見で「改悪案」と非難した。
会見に臨んだ妹のワヨミさんらは、ウィシュマさんに起きたことがこれ以上起きないように願って、日本に滞在を続け裁判で戦っている。
移民受け入れ進む米国
日本は議論が必要
「姉が命を落とした場所は、姉が心から愛した、この日本でした」とワヨミさん。また故郷や母親とも離れて、長期滞在している困難を訴えて、涙ぐんだ。
会見を目の当たりにして、思い浮かんだのは、ニューヨークで持ちつ持たれつ生活している移民らの姿と、アダムズ市長の演説だ。ウィシュマさんは、収容当初から21キロも体重が減り、衰弱しても点滴一本さえ与えてもらえなかった。ニューヨークでは、ホテルを改築して難民らを収容している。日本では、難民や非正規滞在の外国人に対する扱いが、米国と比べ、かくも違うものか、と痛感した。日本に滞在する外国人についての政策全体について、日本はもっと市民の間で議論を進めるべきだと痛感している。
津山恵子
ジャーナリスト。
「アエラ」などにニューヨーク発で、米社会、経済について執筆。
フェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEOなどにインタビュー。
近書に「現代アメリカ政治とメディア」(東洋経済新報社)。2014年より長崎市平和特派員。元共同通信社記者。
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*本記事はCompary AB社によって提供されています。 メジャーリーグベースボールのロサンゼルス
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