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新年からワシントンは、面白いドラマを見せてくれた。念願の過半数を昨年の中間選挙で獲得した共和党が下院議長を選出できないという騒動だ。15回目の投票でやっと決着したが、4日もかかった。候補のケビン・マッカーシー院内総務が、初めて議長の小槌を握ったのは、7日土曜日の午前1時13分だった。
その間、議場では取っ組み合いや怒鳴り合い、果てはドナルド・トランプ前大統領からの電話を振りかざす議員など、テレビドラマさながらの光景が繰り広げられた。
下院議長は、手続きとして投票はするものの、従来は議会多数派のトップ、つまり院内総務が就任するものだ。議長選の投票が10回以上に上ったのは、南北戦争前の1859年12月から3カ月にかけて44回行われた共和党のウィリアム・ペニントン議長の選出以来という。まさに164年ぶりの「珍事」だった。
強硬派議員らの造反
共和党は面汚しの事態
混乱の引き金は、共和党内の保守強硬派議員らの造反だ。穏健派のマッカーシー氏が打ち出す政策が「甘い」と反対した。小さな政府の徹底を主張する彼らは、財政支出の大幅な削減などを要求していた。2020年大統領選挙結果を否定し続けているトランプ氏に同調する「フリーダム・コーカス(自由議員連盟)のメンバーとも重なり、最終的に20人に上った。
共和党222議席、民主党212議席という構成の中、20人の造反でマッカーシー氏が7日までの投票で獲得したのは202票。民主党院内総務であるハキーム・ジェフリーズ氏の212票を上回ることができなかった。
議長がいなければ議会は成立しないし、議事も始められない。3日に予定されていた下院議員の宣誓就任も延期された。何よりも「共和党が分裂していて、国民のために働くことを放棄している」(ナンシー・ペロシ前下院議長)といった批判が高まった。票をまとめ切れなかったマッカーシー氏だけでなく、共和党にとっては、面汚しの事態だ。
マッカーシー派は、水面下で造反組の説得を続けた。当初の政策やルールの妥協も何度も受け入れた。混乱の中、造反組に詰め寄った議員を、羽交い締めにして止めようとした議員もいた。トランプ氏は、造反組に「マッカーシーに投票せよ」とSNSや電話で指示を出していた。トランプ氏に忠実なグリーン氏が、「トランプの話を聞け」とばかりにスマートフォンを振りかざして、他の議員に詰め寄った。スマホの画面にはトランプ氏からの通話を意味する「DT」の文字が見えた。
トランプ氏の力も低下
党の内部分裂も表面化
下院の騒動を通して、一つはっきりしたことがある。目立っていたマット・ゲーツ氏など20人造反組が、トランプ氏の指示を守らなかったことだ。20年大統領選挙の結果は「ねじ曲げられた」と信じてはいるものの、トランプ氏の下、一枚岩というわけではない。
さらに、共和党がリーダーの下、まとまることがなかなかできない党であることも、明白になった。実は、前院内総務のポール・ライアン氏は、トランプ政権とソリが合わず、任期満了で政界を去った。前々任者のジョン・ベイナー氏も、強硬派の圧力に屈して辞任している。
これに対し、民主党のペロシ氏は、20年以上にわたり院内総務を務め、初の女性下院議長になり2期を全うした。
今後の動向は不透明
4つの分断時代に突入
マッカーシー氏は、就任演説で語った。
「私の父はいつもこう言っていた。物事は、どうスタートを切るかではない。どう完了するかだ、と」
しかし、20人もの反対派を抱えたマッカーシー氏が、2年間の議長任期を無事に終えることができるかどうかは、すでに不透明だ。投票で、今回のような事態が続けば、数々の法案が成立しないで終わることも予想される。
これまでは、リベラルの民主党と、保守の共和党の2つの政治的イデオロギーが対立する「分断」が問題になってきた。しかし、今回は、共和党内での「分断」が浮き彫りになった。民主党内も例外ではなく、急進派が勢いをつけている。2つの分断ではなく、4つの分断の時代に突入している。
津山恵子
ジャーナリスト。
「アエラ」などにニューヨーク発で、米社会、経済について執筆。
フェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEOなどにインタビュー。
近書に「現代アメリカ政治とメディア」(東洋経済新報社)。2014年より長崎市平和特派員。元共同通信社記者。
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