今週からプロリーグの新シーズンが始まったアイスホッケー。スピーディーな試合展開とフィジカルテンションが最大の魅力だが、TVで観るのと実戦をナマで観るのがこれほど違うスポーツもない。今年こそ、アリーナに足を運んでアイスホッケーを観戦してみよう。
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いよいよFIFAワールドカップカタール2022が開幕し、読者の皆さまのサッカーへの注目度もますます高まっていることと思います。
先日、ニューヨークにおいてはサッカーについての大きなニュースも発表されました。ニューヨークシティーFC(NYCFC)が悲願の自社サッカースタジアムの建設に大きく一歩前進したのです。
NYCFCはMLBニューヨークヤンキースと英プレミアリーグのマンチェスターシティFCが共同オーナーです。マンチェスターシティは、世界中にプロサッカーチームを保有しており、日本では横浜Fマリノスにも出資していることで知られています。
このように複数のリーグに複数のプロサッカーチームを保有することを「マルチクラブオーナーシップ」といいます。NYCFCのライバルであり、同様にニューヨークを本拠地とするニューヨークレッドブルズもオーナーは、オーストリアのレッドブルザルツブルグであり、他の国にもチームを保有しています。
このマルチクラブオーナーシップにはさまざまなメリットがあり、複数のチームの成功例や失敗例や、チームを経営する上での各種リソース(営業部、総務部、財務部、法務部など)を横断的に共有することができ、チーム単体ではなく、グループ全体として経営の効率化を図ることができます。選手をスカウトする際に複数のチームで複数の国において選手をスカウティングする方が入手できる情報量が多く、効果的に選手の育成や獲得が可能となります。
ついに動き出すか
自社スタジアムの建設
このNYCFCはメジャーリーグサッカーに参加した2013年に創設されて以来、自前のスタジアムがなく、実はこれまでヤンキースの野球場を間借りしてきました。そのため、NYCFCはホームスタジアムと呼べる施設がなく、ヤンキースもMLSのシーズン中は、NYCFCの試合があるたびに外野の芝生を張り替えなければならず、非常にコストが掛かっていました。
この期間、NYCFCおよびMLSも手をこまねいていたわけではなく、あちこちスタジアム建設用地を探してきたのですが、ニューヨークにて(特にマンハッタン付近で)それだけ広大な土地はなかなかあるものではなく、NYCFCスタジアム建設用地の候補にはクイーンズ地区フラッシングメドウズ公園がたびたび候補に上がっていました。しかし、そのたびに地元住民からの反対に遭い、公園にスタジアムを建設する案は頓挫してきたのですが、ここに来てついに、エリック・アダムス市長が公式に同公園へのスタジアム建設を後押しすることを認めたのです。
実現には地元住民からの理解が不可欠
MLSのドン・ガーバーコミッショナーはこのフラッシング地区出身ということもあり、同公園へのNYCFCのスタジアム建設を力強く何年にもわたって推進しており、彼自身も非常にこの発表をうれしく感じているという旨の声明を出しました。公園の用地をただ取り上げるのではなく、スタジアムと一緒に新たな住宅とホテルの建設も行うことも発表されました。
そしてこれらの敷地と同等の面積の土地をNYCFCは購入し、ニューヨーク市に公園用地として返還しなくてはなりません。つまりまだまだ先が長いプロジェクトといえます。しかし、ブルックリンにバークレイセンターが建設された際に追い出された地元住民の中には、今でもアリーナ周辺でデモ講義を行う人もいるという事実もあり、きちんとした手順を踏んで建設を進めなければならないでしょう。
そしてこのスタジアムが完成した暁にはフラッシングも様変わりするものと思われます。レッドブルアリーナが建つニュージャージー州のハリソン地区は今では高級な住宅地となり、電車の駅もきれいになりましたが、アリーナが建設される以前は治安が悪い地区でした。
このようにスタジアムはきちんとした計画の下に建てられることが大切ですが、それだけポジティブな影響もあるものです。
ここからこの話が再び頓挫することなく、進むことに注目していきたいと思います。
中村武彦
マサチューセッツ大学アマースト校スポーツマネジメント修士取得、2004年、MLS国際部入社。08年パンパシフィック選手権設立。09年FCバルセロナ国際部ディレクター就任。ISDE法科大学院国際スポーツ法修了。現東京大学社会戦略工学研究室共同研究員。FIFAマッチエージェント。リードオフ・スポーツ・マーケティングGMを経て、15年ブルー・ユナイテッド社創設。
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今週からプロリーグの新シーズンが始まったアイスホッケー。スピーディーな試合展開とフィジカルテンションが最大の魅力だが、TVで観るのと実戦をナマで観るのがこれほど違うスポーツもない。今年こそ、アリーナに足を運んでアイスホッケーを観戦してみよう。
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