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困難に立ち向かい、今を全力で生きる日本人ビジネスパーソン。名刺交換しただけでは見えてこない、彼らの「仕事の流儀」を取材します。
みずみずしい水しぶきや粉じんが舞う中にジュエリーやコスメを映した広告動画を、テレビや街中で見掛けることは多いだろう。土持(つちもち)智加さんは、そんな特殊効果を専門に扱うスタジオ「スウェル」で働くクリエーターだ。
同スタジオは、ニューヨークでは希少な日本人の特殊効果技師によるきめ細やかな対応力と高い技術力で、現地のディレクターからも評判を得ている。
先読みする力で現場を支える
特殊効果にはさまざまあるが、例えば商品の上をインクが流れる動画撮影であれば、インクの流れるスピードや量、色の濃さを細かく調整していくことが土持さんの仕事となる。
「撮影を1カットで終えることはめったになく、何度も同じカットを繰り返します。その度に汚れた商品やセットをきれいにリセットしないといけないので、一日中掃除ばかりしているような日も多いんです」と苦笑い。しかも、どんなに打ち合わせを重ねても現場で方向性が変わることは日常茶飯事だ。もしかしたら撮影の中でディレクターから「もっとこのインクの色を濃くしたい」「粘り気を足したい」などのリクエストが入るかもしれない。そんな予期せぬ事態に備えて、あらゆる依頼にも対応できるように周到な準備を怠らないのだそう。現場ではもちろん、撮影準備の段階でも先読みする力が問われるだけでなく、膨大な量の材料を運搬しなければならない体力仕事でもある。
もともとは機械工学に関心があったという土持さんは、高校卒業後アイオワ州の大学に入学すると、2年ほどでニューヨーク工科大学に編入するためニューヨークにやって来た。憧れだったエンジニアの職が思ったよりも肌に合わなかったことから、次の職をどうするかと悩んでいた時期に現在のスタジオの代表と出会い、その縁で踏み入れることになった特殊効果の世界。
ニッチな世界であり、地道な作業の繰り返しで労力が掛かる仕事ではあるが、依頼主のアイデアを自分たちの手で形にすることができることが、今では土持さんにとって喜びなのだそう。
機械工学への興味は尽きない
今の会社に勤めてから早8年だが、「カメラのレンズを通した時に、どんな動きになるかを頭の中でシミュレーションするスキルをもっと磨いていきたいです。私の技術はまだまだなんです」と語る姿は、謙虚な姿勢で仕事に臨む土持さんらしい。
今一番興味のあることについて聞いてみると、カメラの動きをコンピュータで制御するモーションコントロールを使ったロボットアームについてもっと勉強することだとか。「物を一定の速度で正確に動かすことは人の手では難しいです。でもこの技術を駆使すれば、より精巧なカメラワークを何度でも再現できるはずなので」。
あくまでも機械工学への強い探究心を持ちながら、「いずれは機械工学に興味を持つきっかけになった宇宙にも行ってみたい」と壮大な夢を語ってくれた土持さん。特殊効果というミクロな世界で活躍しつつも、宇宙というマクロの世界にも想いをはせる姿が印象的だった。
土持智加さん
特殊効果技師
来米年: 2005年
出身地: 岡山県
好きなもの・こと: 旅行
特技: アクセサリー作り
2005年に来米。
アイオワウェスレヤン大学に入学後、機械工学を学ぶため、07年にニューヨーク工科大学に編入。
プロトタイプスタジオでのインターンシップを経て、13年、特殊効果専門会社「スウェル」に入社。
以来ビューティーやジュエリーを中心とした広告制作の特殊効果を手掛ける。
swell-makotoaoki.tumblr.com
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3月17日(土)のセントパトリックデー(Saint Patrick’s Day。以下:聖パトリックデー)が近づくとニューヨークの街中が緑色の装飾で活気づく。一足先に春の芽吹きを感じさせるこの記念日は、アイルランドの血を引く人にとっては「盆暮れ」と同じくらい大事。大人も子供も大はしゃぎでパレード見物やアイリッシュパブに出かける。聖パトリックデーとアイルランド魂の真髄を紹介する。
今年のノミネート作品の傾向、出演俳優の話などを含め、授賞式の見どころを紹介していく。
ニューヨークも少しずつ春めいてきた。そろそろ夏休みの計画が気になり始める。特にお子さんのいる家庭では「サマーキャンプ、どうする?」といった会話が食卓でも上るのではないだろうか? 大自然の中で思いっきり身体を使うお泊まりキャンプから、ニューヨーク特有のリソースを利用する市内のデイキャンプまで選択肢は山ほどある。どうやったら2カ月を超える長い夏休みを子どもが退屈せず、かつ、親のストレスなく過ごせるか? サマーキャンプ選びのヒントを集めてみた。