ネクスト!

ダンサー:関口翔太さん

ニューヨークで奮闘する日本人たち。その新しい発想、夢に向かって走る姿は、私たちを常に刺激する。今、輝いている新人に熱い思いを語ってもらい、また推薦者からの応援メッセージも聞く。


――ダンスを始めたきっかけは?

スポーツ一家で育ち、幼少期は運動一筋の生活を送りました。でも昔からディズニーが好きで、親友がディズニーダンサーをしていたこともあり、ダンスを見るのは好きでした。高校3年で進路に悩んでいた時に、地元の友人がジャズダンス教室に通うのを見て嫉妬したんです。「ダンスに興味があるのに、どうして自分はその道に進まないんだろう?」って。クラスに参加してその面白さに引き込まれ、そこから僕のダンス人生が始まりました。

――来米の経緯は?

ダンスを始めた年にLAを訪れ、振付師の方の前で踊る機会がありました。その際、半年しか経験のない僕を取り上げてコメントしてくださったんです。感激したのと同時に、自分らしく個性を伸ばせるこの国でダンスを学びたいと強く感じました。その後ビザサポートのある学校をNYに見つけ、移住を決めました。

――学生生活について教えてください。

初めはバレエを中心に学んでいました。練習を重ねるうちに、アメリカで働きたいという思いが強くなっていったんです。その頃にアルビンエイリーという学校のショーを見に行く機会がありました。そこを卒業するとOPTが申請できると知り、すぐに受験を決めました。世界中から生徒が集まる学校なので不安もありましたが、「考える前に行動しよう」と毎日、朝から晩までひたすら踊りました。友人や先生の支えもあり、合格できたのが大きな転機となりました。

――苦労した思い出は?

エイリースクール入学直後は本当に辛くて。基本的な体の動かし方がわからない上に、筋肉の入り方が他の生徒たちと全く違う。皆がエレベーターで帰る中、階段で一人で泣いてましたよ(笑)。でもできないことが悔しくて、一番前で授業を受けながら毎日積極的に練習に励みました。

卒業前も大変で、課題に追われながら仕事を探すも、オーディションになかなか受からなくて…。学内での評価は高く、自信もあったんですが、憧れのダンスカンパニーにも落ちてしまって。人生、努力だけじゃ報われないのかな、なんて悲観的にもなったのですが、気持ちを切り替えることにしたんです。コロナ禍にミュージカル映画の魅力を再発見したこと、昔からディズニーが好きだったことを思い出し、シアターダンスに視野を広げて仕事を探しました。すると今の事務所から声が掛かり、仕事を頂けるようになりました。

――現在の活動と今後の目標を教えてください。

事務所との契約後は、オハイオでクリスマスショーに出たり、ブロードウェーの「ハミルトン」の舞台で踊ったり、シアターダンスをメインに活動しています。今後は、自分の名が世に知れるほどの素晴らしいダンサーになりたい。たくさんの人にお世話になったので、恩返ししたいんです。いつもポジティブに、愛を忘れず生きていきたいです!

 

 

 

 

 

関口翔太さん

1998年生まれ。
2017年に来米。
ブロードウェー・ダンス・センターに入学し、18年に卒業。
同年エイリースクールに入学し21年に卒業。
現在ダンサーとして活動中。
@shota_sekiguchi_


 

『新人の日常チェック!』
彼らは日常をどうやって過ごしているのか。仕事場、オフの姿を追う。

 

今月から始まった新しいプロジェクト「English with an Accent」では新しい学びがたくさんあり、新鮮な気持ちで過ごせているという

 

初めて受けたCMの仕事で、一緒になったメンバーと。この現場では、憧れの振付師だというボニーさんと仕事をする夢がかなったそうだ

 

まだまだ学ぶことがたくさんあり、時間のある時にはクラスに足を運んでレッスンに参加すると話す

 

 

 

 

関連記事

NYジャピオン 最新号

Vol. 1244

オーェックしよ

コロナ禍で飲食店の入れ替わりが激しかったニューヨーク。パン屋においても新店が続々とオープンしている最近、こだわりのサワードウ生地のパンや個性的なクロワッサン、日本スタイルのサンドイッチなどが話題だ。今号では、2022年から今年にかけてオープンした注目のベーカリーを一挙紹介。

Vol. 1243

お引越し

新年度スタートの今頃から初夏にかけては帰国や転勤、子供の独立などさまざまな引越しが街中で繰り広げられる。一方で、米国での引越しには、遅延、破損などトラブルがつきもの、とも言われる。話題の米系業者への独占取材をはじめ、安心して引越しするための「すぐに役立つ」アドバイスや心得をまとめた。