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困難に立ち向かい、今を全力で生きる日本人ビジネスパーソン。名刺交換しただけでは見えてこない、彼らの「仕事の流儀」を取材します。
※これまでのビジネスインタビューのアーカイブは、nyjapion.comで読めます。
「お花自体が主役にならなくても、飾ってあるだけで空間を華やかに見せてくれる。そこにやりがいを感じます」。
そんな花の世界の魅力のとりこになり、現在日本を拠点にフラワーデザイナーとして活動している荒町まどかさんは、当地で大学卒業後、花が好きだった生前の叔母がきっかけでフラワーデザイナーを目指すことに。
ハワイでフラワーアレンジメントを学んだ後、ニューヨークに舞い戻ると、春の風物詩であるメイシーズフラワーショーやブルックリンの「YUJIラーメン」、ミシュラン一ツ星の「グラマシータバーン」のディスプレーのチームにも携わった。その後幼少期を過ごしたスペインに拠点を移すが、2020年3月、日本へ一時帰国したことが思わぬ運命の分かれ道となった。スペインが長期ロックダウンの措置を取り、そのまま日本に留まらざるを得なくなったのだ。
コロナ禍で自分と向き合う
10年ぶりに日本で生活する中で、ニューヨークと日本のフラワーデザイナーとしての働き方の違いを目の当たりにすることとなった荒町さん。フリーランスのポジションが確立され、横のつながりで仕事が広がっていくニューヨークと比べ、日本ではまだまだ店舗や組織に所属するスタイルが主流だという。
「日本では昔なじみの地域のお花屋さんに頼むという風習が強くあります。だから最初のお仕事でいかに信頼してもらえるかがとても大切。料金的にもお花屋さんに負けてしまうこともあり、働き方を考える日々です」。
コロナの影響も重なる厳しい世情だが、現在はカフェやホテルへの飛び込み営業もいとわず、仕事獲得に向けて奔走している。
フラワーアレンジメントは、店舗やイベント、撮影、ライブ、ウェディングなどさまざまなシチュエーションで求められるが、だからこそ自分だけの世界観を確立させることが重要になってくる。ハワイやスペイン仕込みの「トロピカルなアレンジが今の気分」だという荒町さんは、「日本の花は一輪でも成立する世界なので、私のアレンジは受け入れられづらいかもしれません」と自分を俯瞰するが、本人も太陽のように明るい荒町さんが作り上げる花々だからこそ、見る人からは「元気をもらえる」という多くの声も届く。
思いに正直に、活動の場を世界へ
最近は創作にインスパイアを受けるため、ニューヨークで友人のカメラマンやスタイリストとの撮影やスクラップフラワー(一度使った花や余った切れ端)を使ったアートプロジェクトなど、精力的に作品作りも行っているそう。
また撮影でバラ園に行った際、「土から太陽に向かって生えている花は、なんて生命力にあふれているのだろう」と感動を覚えたことを機に、ガーデニングにも目覚めた。
ジャンルを狭めず、湧き出てくる気持ちに正直に従って活躍の場を広げてきた荒町さん。今後は日本から再び飛び出て、世界各地に活動の場を広げていくことが目標だと語ってくれた。「メディテーションのように、花を触ることで自分が一番元気をもらっています」と語る荒町さん自身を表すような明るい花々が、これからもあらゆる国の人々に元気を与えてくれるに違いない。
荒町まどかさん
フラワーデザイナー
来米年: 2011年
出身地: 大阪府
好きなもの・こと: 旅行、散歩
特技: 人の悩みを聞くこと
ハンターカレッジを卒業後、Bridal Flowers Hawaiiにてインターン。
のちに7年間のニューヨーク生活を経て、2019年、スペインに移住。
現在は日本を拠点に活動。
カフェや個人宅でのアレンジメント、撮影用、ポップアップショップでの花のディスプレーなど、多岐にわたり活動中。
Instagram: @maaddoookaa
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