こだわりいっぱい 町のお肉屋さん
地元で愛され人々の食卓を支える町のお肉屋さん。店主が直接目利きした肉を仕入れ、常連客のリクエストに応える精肉店で購入するメリットは、いつでも新鮮な肉が手に入るのと、気のおけない店員から肉の選び方や調理法を教えてもらえることだ。本号ではそんな町で愛されている精肉店を調べてみた。
困難に立ち向かい、今を全力で生きる日本人ビジネスパーソン。名刺交換しただけでは見えてこない、彼らの「仕事の流儀」を取材します。
※これまでのビジネスインタビューのアーカイブは、nyjapion.comで読めます。
1984年、ニューヨークに日本人が今ほどいなかった時代に、日本食レストランを数々オープンし、日本食文化の普及に尽力してきた八木秀峰ボンさん。当時はまだ混沌としていたイーストビレッジを「ジャパンタウン」に変貌させた立役者だ。
半世紀以上もアメリカで過ごし、ニューヨークでは9.11やハリケーンサンディーなど未曽有の危機を数々経験してきた八木さんだが、それでも、2020年3月に市がロックダウンされた頃は、今まで見たことのないニューヨークの姿に「世界が変わってしまった」と思ったという。
ニューヨーカーはどんな危機も乗り越える
パンデミック以前、同グループは17店舗を営業していたが、苦渋の決断によりコロナ禍での営業継続が難しいと判断した計7店舗を閉店。従業員250人の一時解雇も余儀なくされ、「それが一番心苦しかった」と当時を振り返る。
「だけど悲観しても仕方ないんです。コロナといかに共存するかを考えなくては。オミクロン株も出ているしまだまだ油断ならないですが、こういう時のニューヨーカーの団結力は強い」と八木さんは笑う。
コロナ禍では、ニューヨーク日本食レストラン協会の立ち上げや医療従事者への食料寄付、高過ぎるデリバリー業者の手数料引き下げなど各方面で尽力してきた。
現在は客足もだいぶ戻り、少しずつ通常営業を取り戻してきたが、それでも輸送コストの高騰、コンテナ確保など、流通における滞りは今も続いている問題だ。特に飲食業における労働力不足は深刻で、マンハッタンのレストランで働いていた人たちが、郊外や建設業界など他業種に流出してしまったことはかなりの痛手となったという。
「ニューヨークは最低時給が15ドル、時間外労働ともなると1.5倍の22.5ドル。売り上げも安定せず人手も確保できない状況だから、むやみに営業時間を増やしただけでは人件費がかさんでしまう」と頭を悩ませる。
ミッドタウンにある「酒蔵」でも、かき入れ時だったランチ営業を停止せざるを得ない日々が続いているが、八木さんは「ゆっくりと取り戻していくしかない」と前を見据える。
「われわれレストラン業は、食材があって従業員がいてお客さんがいて、そのどれが欠けても商売成り立たない。コロナに負けず、ビジネスを保っていくのみです」。
柔軟に前に進んでいく力が未来を作る
テイクアウト需要が増えた現在、「来々軒」の中に「咖喱屋」「おたふく」の厨房を集約し、客席を設けないゴーストキッチン業態も始めた。自身を「好奇心旺盛」といい、新しい業態やテクノロジーも積極的に取り入れるその柔軟さこそが、八木さんの強みだろう。
“原点主義”をコンセプトに、本物の和食の味をニューヨークに広めてきた八木さんだが、今後は意外にも「本場で腕を磨いた日本人シェフとフレンチやイタリアンをニューヨークで発信していきたい」という。日本人の繊細な味はニューヨーカーに刺さる、というのが八木さんの考えだ。
常に一歩先行くビジョンと実行力で前進しながら、「一日一善」をモットーに毎日を過ごしているという八木さん。今年もまだまだ現役で活躍する姿を見せてくれそうだ。
八木秀峰ボンさん
「T.I.C.レストラングループ」代表取締役社長
来米年: 1968年
出身地: 茨城県
好きなもの・こと: ブロードウェー鑑賞
特技: 泳ぐこと
1968年来米。
84年、イーストビレッジに江戸前すし店「波崎」を開店。
現在「酒蔵」「しゃぶ辰」「茶菴」「蕎麦屋」「咖喱屋」など和食10店舗を経営。
2019年秋の叙勲において、旭日双光章を受章。
20年4月、NPO法人ニューヨーク日本食レストラン協会を設立し、初代理事長。
tic-nyc.com
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