今話題のプランタンニューヨーク
今年3月下旬に、160年の歴史を持つフランスの百貨店プランタン(PRINTEMPS)が、ウォール街に米国初出店を果たした。「百貨店ではない」をコンセプトにした小売りの新時代を切り開く新しいリテールモデルを目指す、今号ではそんな話題のプランタンニューヨークの魅力を探ってみた。
困難に立ち向かい、今を全力で生きる日本人ビジネスパーソン。名刺交換しただけでは見えてこない、彼らの「仕事の流儀」を取材します。
※これまでのビジネスインタビューのアーカイブは、nyjapion.comで読めます。
イラストレーターとして活動しながら、ブッシュウィックでバーを経営する美花さん。アメリカに来てすぐ「私はずっとこの場所にいるだろうな」と感じたという。来米の経緯から、今のビジネスの立ち上げについて話を聞いた。
「やりたいことが山のようにあるのに、なぜ入学前に専攻を絞らないといけないのだろう」。大学受験はしたものの、日本でのキャンパスライフを全く想像できなかった美花さんは、入学を辞退し父の勧めでアメリカ留学を決意。短大で英語を勉強しながら幅広い分野の授業を受け、アートを専攻することに。その後イラストレーションを専門的に勉強できるファッション工科大学(FIT)に転入。「ただ自己表現するだけのアートなら誰だってできる。そうじゃなくて、人を喜ばせることがしたかったんです」と美花さん。
「何でも屋」という才能
大学卒業後はアート関係の会社に就職し、イラストを生かせる仕事をした。永住権取得後は、フリーランスでイラストレーターの仕事を始め、自分の作品を作りながらレストランコーディネーターやパーソナルガイドなど誰かのためになる仕事を幅広くやった。
そんな美花さんは自分のことを「何でも屋なんですよ」と話す。その「何でも屋」という才能が、後にオープンする店の運営に大いに関わっていく。投資目的で所有していた土地の区画用途が変わることになったのが2018年。そのタイミングで自分たちで何かやろう、と意を決しバーをオープンすることに。店内にギャラリースペースを設けることで「色々なアーティストとコラボレーションできる場を持ちたい」という夢が、思いがけず叶った。
人とのつながりを大切にしたい
しかしバーのオープンを計画するや否や、パンデミックが広がり、開店予定の昨年3月には街がロックダウン。経営面の不安が募るなか大切な人を亡くし、外に出れず引きこもる日々を送った。ロックダウンが明けて店が開けられるとわかると、思い切って営業を開始。人との交流がない期間が長かったため今まで以上につながりを大切に考えるようになったという。フードメニューは友人のシェフ、店のプロダクションはミュージシャン、デザイナーに頼み、バーのテーマである「コラボレーション」を実現させた。
さらに美花さんの強みである「何でも屋」を大いに発揮。スペースを生かして外部からのイベントを企画、運営し、バーのオペレーションをこなす。内装からロゴまでを自らデザインし、外壁も自分でペイントした。また「ビールがぬるくなるのが嫌」という理由でグラスを12オンスに統一。何にでも合うサイズのオリジナルグラスは大好評だった。
今後は「お店がローカルコミュニティーの憩いの場の象徴になってほしい」という。ローカル支援のためにビールや日本酒、コーヒーなど地域の製品を提供し、アーティストとして多くの人の役に立ちたい、とギャラリースペースも無料で貸し出している。「今まで以上にみんなと自分が幸せになれる場所を作っていきたいです」と美花さん。当初からやりたかった「人を喜ばせること」を重ねてきた美花さんの周りには今後も多くの人が集まるだろう。バー、そして美花さん自身のこれからが楽しみで仕方ない。
美花さん
「MIKA」オーナー/イラストレーター
来米年: 2001年
出身地: 東京都
好きなもの・こと: レストラン、バー巡り
特技:マッサージ
高校卒業後、来米し短期大学を経てニューヨーク州立ファッション工科大学(FIT)イラストレーション科卒業。
その後、フリーランスのイラストレーター兼グラフィックデザイナーとして活動(Instagram: @mika_illustrationatelier)。
2020年にブッシュウィックにバーMIKAをオープン。
mikabushwick.com
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