NY話題のビジネスパーソン
1年の中で2月は
困難に立ち向かい、今を全力で生きる日本人ビジネスパーソン。名刺交換しただけでは見えてこない、彼らの「仕事の流儀」を取材します。
※これまでのビジネスインタビューのアーカイブは、nyjapion.comで読めます。
「これまでの道のりがすべて今につながっていたんだと、この歳になってようやく理解したんです」。そう話すのは、2013年からジャパン・ソサエティーの語学センターでディレクターと図書館長を務める上村知代さん。
早稲田大学第一文学部を卒業後、大学院で言語学を学ぶために来米。帰国後、客員講師として日本で教鞭を執るが、コロンビア大学経営大学院のMBAを取得するために再び来米する。アメリカの複数大学で日本語教師を務め、言語学教育のエキスパートとしてキャリアを築いた上村さんが、大学を離れて現在のポジションに就こうと思ったのは、自然な流れに身を任せた結果だった。
子供の頃から人前に立つのが好きだった
「社会人に日本語を教えることの面白さを発見したんです」。単位や成績ばかりを気にする学生よりも、学ぶ意欲に満ち溢れた人たちに教えることが面白かった。「それはもう、中毒のようなものでした」と顔をほころばせる。
幼少期から目立ちたがりやで、人前で話すことに対して苦手意識がなかった。小学校の音読の授業中、頬を赤らめながら発表しているクラスメートたちを見て、「自分が思うほど他人は自分のことを気にしていないんだ」と考えるような堂々とした子供だったという。教壇に立つ人間としての素質は、この頃から垣間見える。
大学卒業後、オレゴン大学言語学科大学院で勉学に励む傍ら日本語学科の助手をし、教育のいろはを学ぶ。修士号を取得して帰国するも研究者としての安定した、先の見える道は選ばず、思い切ってコロンビア大学経営大学院へ。そこで人生の伴侶と出会い、結婚、出産。主婦業に専念する日々を送った。友人には「MBAとMRS.(既婚女性の敬称)を取得したね」と言われ、多額の学費を払ったにも関わらず、ビジネススクールでの知識をモノにできなかったと感じていたという。
言語学とMBAの経験を生かして
数回の転勤後、1998年に再び来米し、ラトガース大学やニュースクール大学で日本語を教える。その後、長きにわたって尽力した教師の仕事を辞め、2013年からジャパン・ソサエティーの語学センターで働き始める。ようやくここで、ビジネススクールで培った知識を生かす時が来る。思いつく限りのあらゆるアイディアを形にし、新しいクラスを次々と開講。生徒数を、自身がディレクターに就任する前の2倍にまで伸ばした。新型コロナウイルス感染が拡大し始めると、すぐにオンライン授業を開始。危機的状況を逆手に取り、アメリカ国内だけでなく世界のあらゆる地域の受講者を増やした。言語学の分野での経験と、MBAで培った経営学の知識。双方のアプローチができたからこそ、語学センターを発展させることができた。
今後の計画は、語学センターをより大きくすること。「日本語教師養成講座や日本人向け英語講座の生徒数を増やし、全ての授業をオンラインと対面でやりたい」と上村さん。誰しもに「オンラインで日本語を学ぶならジャパン・ソサエティーだね」と認識されるような場所にしたいという。実現する日は遠くないだろう。エネルギッシュに話す上村さんの笑顔は、強い自信に満ち溢れていた。
上村知代さん
ジャパン・ソサエティー語学センター ディレクター/図書館長
来米年: 非公開
出身地: 東京都
好きなもの・こと: ルドルフ・シュタイナーの精神世界研究
特技:若者を鼓舞すること
早稲田大学第一文学部卒業。
オレゴン大学言語学科大学院を卒業後、コロンビア大学経営大学院にてMBAを取得。
複数の大学で日本語教師を経て、ニュースクール大学の常勤講師兼日本語プログラムのコーディネーターに就任。
2013年よりジャパン・ソサエティー語学センターのディレクター。
japansociety.org
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ジョシュ・M・&
ニューヨーク&#
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