お洒落を楽しむ秋 ニューヨークのメンズファッション
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人気カフェの前には人だかりが見られるように
5月19日は、ニューヨークが新型コロナウイルスによる打撃から「再生」を痛感した一日となった。ニューヨーク州ではこの日、ワクチン接種を完了した成人が、屋外だけでなく屋内でもマスクを外せるようになった。
ビジネス再開の象徴でもあるレストランバーは、ソーシャルディスタンスを取ることを条件に、店内の席数制限が撤廃された。
5番街は、マスクを外した男女が闊歩し、タイムズスクエアは、スーツケースを持ったままの観光客が目立った。店内への入場制限をしている小売店はあったが、レストラン街は、屋内・屋外で人々が話に夢中になり、「自由」の空気を楽しんでいる。
1年前の5月24日、5番街やタイムズスクエアに取材に行った際は、全くのゴーストタウンで、車さえ走っていなかった。ティファニーやロックフェラーセンター前の星条旗が全て半旗になっているのを見たときは、涙が出そうだった。
続くコロナ後の問題
ワクチン接種の今後も不透明
失ったものは大きい。感染者数はニューヨーク州で、210万人、死亡者は5万2885人(6月7日現在)。知人友人で亡くなった人もいるし、感染して後遺症に苦しんでいる人もいる。
業界ニュースサイト「イーター・ニューヨーク」によると、2020年3月からニューヨーク市内のレストランの少なくとも約1000店が廃業したという。また、ニューヨーク州レストラン協会は20年末までに、州内の3分の2のレストランが廃業するとの見通しを示していた。
やっと手に入れた自由はうれしいが、重たいものが胸にのしかかる。しかも、ワクチン接種が完了してから8〜12カ月で、「ブースター」という3回目のワクチン接種が不可欠だという。ファイザーやモデルナなどワクチンメーカーは、9月からブースターの供給を開始する。次々に現れるさらに感染力が強い変異株に対応するためだ。それでは今後いつまでワクチンを打ち続けなくてはならないのか。その答えはまだない。
急増する犯罪
背景に人種問題
さらに、銃撃事件など犯罪が急増している。ニューヨーク市警本部によると、今年4月までの重大犯罪は、昨年4月に比べると、30・4%急増した。車や金品などの重窃盗罪は66%増、銃犯罪は166・1%と激増である。
この中に、アジア人に対するヘイトクライムも含まれる。ジョージア州のアジア系マッサージパーラー3軒をマシンガンで襲撃し、6人のアジア系女性を含む8人が犠牲となった。その直後、今までは見たことがないアジア系ヘイトに反対するデモが各地で行われた。しかし、ニューヨーク市内でも6月現在、アジア系市民への攻撃は減ってはいない。
犯罪とアジア系市民への攻撃、黒人に対する警察当局の不当な対応は全米で広がり、いつ止まるのかは見当もつかない。MSNBCは、こうした報道をする際に「社会不安」というテロップを出すようになった。これは昨年5月、「ブラック・ライブズ・マター(BLM、黒人の命は大切だ)」運動が全米に広がり、暴動などに発展した際に見たテロップと同じである。つまり、経済再開と成長は続くものの、社会不安は1年前に逆戻りの様相となってきた。
その背景に人種問題があるのは確かだ。
このため、バイデン大統領は5月31日、「構造的な人種差別を根絶する」とホワイトハウスで表明した。南部オクラホマ州タルサで100年前の同日、「ブラック・ウォール・ストリート」と呼ばれた黒人居住区を白人暴徒が襲撃し、火をつけて50〜300人が死亡、街は全滅した。同大統領は、黒人から機会を奪うことに国家と政府が果たした役割を「重く受け止め、認めなければならない」とまで言及した。
翌6月1日には、タルサを訪れ、事件の生存者に会った。歴史から抹殺され、死亡者の数さえ定かではない同事件の追悼のためタルサを訪れた大統領は、バイデン氏が初となる。
「米国の同胞の皆さん、これは暴動ではなかった。これは虐殺だった」と、バイデン氏は認めた。
しかし、これで社会不安が鎮火するわけではない。読者の皆さんのご無事を願う。
津山恵子
ジャーナリスト。
「アエラ」などに、ニューヨーク発で、米社会、経済について執筆。
フェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEOなどに単独インタビュー。
近書に「現代アメリカ政治とメ ディア」(東洋経済新報社)。2014年より長崎市平和特派員。元共同通信社記者。
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