大学進学を考える 日本と米国、二つの国で学び暮らす選択
コロナ禍を経験して社会は大きく変わった。日本社会も例外ではない。未来を見据えて、グローバルな大学進学の選択肢の一つとして、米国と日本で自分たちのルーツを生かす学びについて掘り下げる。
——お二人が知り合ったきっかけは?
金子 初めて出会ったのは2015年で、異業種交流バーベキューの場でした。その後しばらく交流がなかったものの、2年後にたまたま理学療法クリニックのファンクフィジオにお伺いしたら絵美先生に偶然再会したんです。
山並 お互いに突然の再会に驚きましたが、そこからは治療だけではなく、個人的にも親しくさせていただいています。
——金子さんがクリニックを訪れたきっかけは?
金子 体の慢性的な疲労をなんとかしたいと思ったのがきっかけでした。実は楽器演奏者は見た目以上にものすごく体を酷使します。それはパフォーマンス中の姿勢や体への負担はもちろんのこと、演奏現場までの移動というのが意外と重労働。楽器、機材、スタンド、着物といった重い荷物を全て一人で運んで電車や飛行機、もしくは車を使って移動し、さらに現場で組み立てもとなると、本番前にへとへとなんてことも多いのです。そんな日常を繰り返す中で、すがる思いでクリニックを訪れました。
山並 演奏家の患者さんは案外多く、バイオリニスト、ピアニスト、フルーティスト、ボーカリストの方などもいらっしゃいます。この職業に就くまで体のメンテナンスが必要な職業といえばスポーツ選手というイメージだったのですが、演奏家の方も、体を駆使してベストな身体状態が本番に不可欠という意味では一種のアスリートですよね。
——治療をしてもらってどんな変化がありましたか?
金子 とにかく練習が楽になりました。三味線は右膝と右肘で楽器を挟んで固定した状態で演奏をするのですが、1日8時間以上の練習でその姿勢を続けているとどうしても右手首や右尻が凝ってきます。でも絵美先生のおかげでそういった症状が解消できていますね。治療してもらった当日はものすごく体が倦怠感に襲われるのですが。
山並 治療では患者さんにとって普段しない筋肉の動きをさせたり緩めたりするので、たくさん運動した後のようにぐったり疲れる方も多かったりします。痛みの患部よりもっと根幹の部分を総合的にアプローチして、体をより効率的に使える状態を目指した治療を常に心がけています。
それから、コロナ禍で今はリモートワークをしている人が多い中、家にある有り合わせのデスクと椅子で仕事する状況が続いてしまって腰痛や肩こりに悩まされている、という一般の患者さんも増えています。そんな方は姿勢矯正だけでなく、生活環境そのものから見直すことも大切ですね。
——山並先生はなぜ理学療法士を目指したのですか?
山並 学生時代にスポーツをしていたのですが、当時けがをした時に理学療法士の先生にすごく助けられたのが理由です。
理学療法士の仕事は、アメリカではフィジカルセラピーとして一般にも浸透していますが、日本では理学療法というとリハビリの概念が強く、整体や鍼灸などと比べて身近ではないように感じるのかもしれません。ちょっとした体の不調でも、もっと気軽に訪れるようになってもらいたいです。
金子 理学療法は演奏家にとっても非常に効率的な治療法だと思います。あとは治療中の絵美先生とのおしゃべりも楽しいので、体だけでなく精神的なケアもしていただいています(笑)
山並 ストレスをためるのは体にも良くないですからね! 心と体はつながっているというのは治療を通して実感しています。
——お二人の今後の目標について教えてください。
金子 3枚目のアルバムをリリースしたいです。ライブぺインターやカリグラファー、他の民族楽器演奏者といった異なるジャンルの方とコラボレーションできるようなユニバーサルな音楽を作っていくのが目標です。
山並 理学療法のさまざまな資格を取得して、より良い治療を提供していきたいです。特に、産前産後や女性の生殖機能など女性問題に特化したウィメンズヘルスの資格取得を目指して今は勉強に励んでいます。
山並絵美
ロングアイランド大学で理学療法学博士号取得。2019年に米国理学療法士協会公認のCertified Functional Manual Therapistを取得。ファンクフィジオに勤務し、スポーツのけが、パフォーマンス向上、産前産後や女性の身体の悩みなど幅広い範囲の治療を行う。Instagram: @emi.yamanami
金子純恵
東京芸術大学音楽学部邦楽科 箏(そう)曲山田流専攻卒業。2002年に来米。ボストンバークリー音楽院パフォーマンス科ジャズボーカル専攻入学。12年よりニューヨーク在住。21年、アメリカン・バレエ・シアターのシーズンオープン公演で三味線を演奏。sumiekanekomusic.com
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