グローバル時代の子育て

その84 習い事の目的は「強み」の強化

習い事を選ぶ際、多くの親が考えるのが「弱点の克服」です。

「子どもの気が弱いから空手に通わせよう」「算数が苦手だからそろばん教室に通わせよう」「集中力がないから将棋を習わせよう」などです。

弱点の克服のために習い事に通わせるということは無駄ではありません。ですが、大きな飛躍も期待できません。それはなぜなら、子どもにとって「うまくできないこと」は楽しくないからです。

楽しさがやる気の原動力なのです。得意なことや好きなことは、集中してやり続けることができますから、上達のスピードも早くなります。周りより抜きん出ていき、結果を出すことで自信が大きくなります。すると、弱みやコンプレックスは目立たなくなっていくのです。

習い事を成功させる秘訣

習い事で重要なのは、弱みではなく、強みにフォーカスし、強みを伸ばすこと。弱みに気をとられて、強みの芽をつぶしてはいけません。習い事で強みを伸ばしていくには、次のステップが基本です。

①子どもが自主的な「やる気」で続けられるものを見つける

※親が経験した習い事は子どもの「好き」になりやすい

②子どものいい面(特性)を見つけて、伸ばす

③周囲の子どもより少しうまくしてあげてから習い事に送り出す

まずは、子どもが好きなこと、興味があることを優先させる。さらに、子どものいい面(身体的・精神的・性格的・技術的)を伸ばしてあげる。その上で、子どもをアシストして「周囲よりうまく」することです。

例えば、サッカーが好きな子どもであれば教室に通う前に親がドリブルやパスの練習をして、基本的な技能を教えます。

また、子どものいい面(性格や身体能力など)をあらかじめ見極め、そこが伸びるようにアドバイスをするのです。すると、教室に参加したときに周囲の子どもやコーチから、「君はサッカーの才能があるね!」と褒めてもらえます。スタートダッシュがうまくいくと、子どもは自主性を持って習い事に打ち込んでいくようになるのです。

子どもが続けられることを見極める

ハワイに住むジョン君(仮名)は、親の勧めで小学1年生からテコンドーを習い始めました。「なぜテコンドーだったか?」それは、両親が「身軽で身体能力が高い」というジョン君の強みを最大限活かせるスポーツは何か?」と考え抜き、テコンドーにたどり着いたからです。

両親はジョン君にアクション系の映画を見せたり、トランポリン教室に通わせたりして、ジョン君がテコンドーへの興味を持つように事前に工夫をしました。親の思惑どおり、ジョン君はテコンドーを始めると自分が「得意」であることに気付き、のめり込んでいきました。そして、自発的に練習に取り組み着実に実力を付けていったのです。

そもそも、ハワイではテコンドーをやっている子どもは少なく、サッカーやバスケットボールなどの人気スポーツに比べて競争が激しくなかったこともあり、小学高学年の時にはハワイ州のトップジュニアになっていました。

習い事任せにせず、親がサポートする

子どもの習い事を成功させるポイントは、親のサポートです。子どもにどれだけ素腹らしい素質があっても、どれだけ評判の良い習い事やコーチであっても、決して習い事任せ、コーチ任せにしてはいけません。習い事のコーチや指導者は、一人で何十人もの子どもを見ています。一人ひとりの特性に合ったきめ細やかな指導をすることは、現実的ではありません。

また、えこひいきはできませんから、指導者に任せきりでは平均止まりになる可能性が高くなります。親が子どもの練習に付き合い、励ましを与え続けることで、子どもの才能は開花し、「強み」になるのです。

 

 

 

 

 

船津徹 (ふなつ・とおる)

TLC for Kids代表 教育コンサルタント

1990年明治大学経営学部卒業。大学卒業後、金融会社勤務を経て幼児教育の権威、七田眞氏に師事。
しちだ式教材制作に従事。2001年ハワイ州ホノルルにてグローバル教育を行う学習塾
TLC for Kidsを開設。
2015年に
TLC for Kidsカリフォルニア州トーランス校開設。2017年上海校開設。
アジア諸国からの移民子弟を中心に4000名以上のバイリンガルの子どもの教育に携わる。
イエール大学、ペンシルバニア大学など米国のトップ大学への合格者を多数輩出。
著書に「すべての子どもは天才になれる、親(あなた)の行動で。」(ダイヤモンド社)、「世界で活躍する子の〈英語力〉の育て方」(大和書房)。

 

 

 

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