古くて新しい、とっておきのブルックリンへ

NY・ブルックリン 週末の歩行者天国

ブルックリンのガイドブックの著者が、本で書ききれなかったことや、まだあるお気に入りスポットを紹介する当コラム。新型コロナウイルスによる経済活動再開後は「番外編」として状況をアップデートします。今号は週末のサンセットパークの歩行者天国を紹介。


5th Ave.(5アベニュー編)

早くも9月になりました…。「ウィズコロナ」下でさまざまなニューノーマルが生まれていますが、6月から実施されている飲食店への屋外スペース開放「オープンレストランツ」もその一つです。

それに加え、市が週末のみ行っている「オープンストリーツ」も見逃せません。飲食店と通行人のためにより広いスペースを開放できるとあり、人々に好評です。市内62ストリートが、金曜午後5時〜11時と、土・日曜の正午〜午後11時に歩行者天国になります(10月31日までの予定)。

 

「オープンストリーツ」の週末は、大通りが開放される。参加店は、中米の素朴な故郷の味を再現したところが多い

 

中米の名店が並ぶ

サンセットパークは19世紀後半から20世紀初頭にかけて、産業拠点として活躍。産業の衰退で「忘れ去られたエリア」となった時期がありますが、近年インダストリーシティーの盛り上がりで、第2のダンボとして注目されています。

現在はヒスパニック系、中国系、インド系、スカンジナビア系の移民が多く住んでいます。中でも5アベニューには、中米の移民が築いた評判の良いレストランが立ち並んでいます。

タコスなど驚きの安さ

まず45ストリート駅を降りたら、すぐ近くの「Tacos El Bronco」へ。ここは近隣在住の日本人の友人から教えてもらったタコス屋さんです。タコスの有名店は他にもあるのですが、同地に住むメキシコ人の友人に聞いてみたところ、その名店は最近味が落ち、「Tacos El Bronco」の方が断然おすすめとのこと。

確かに食材が新鮮で、先付けも出してくれてサービスがよく、メキシコで食べたタコスを思い出す、おいしさと新鮮さと安さです。タコスはレギュラーに加えて小サイズもあり、空腹具合で選べるのも良いです。

週末は、5アベニュー沿いの45〜47ストリートの間が車両通行止めとなります。友人のお墨付きである、メキシコの素朴なベーカリー「Mi Mexico Pequeno」では、焼きたてのパンがそのままカートに入った状態で売られています。

ニューヨークとは思えないほどリーズナブルで新鮮でおいしい店が多いのが、このエリアの魅力です。

 

「Tacos El Bronco」のスモールタコス3種(Tongue, Tinga and chorizo)。先付けのチップスもついて8ドル15セントという驚きのコスパ!

 

「Mi Mexico Pequeno」の各種パン。三つ購入して4ドル程度

 

壁画の色も中南米っぽい雰囲気

 

 

All Photos © Kasumi Abe

 

NYジャピオン 最新号

Vol. 1273

トランプ大統領による新政権 第2章が遂に動き出す

米大統領選挙は今月5日投開票され、米東部時間6日午前5時30分過ぎに共和党候補のドナルド・トランプ前大統領(78)の勝利が確実となった。一方、民主党候補だったカマラ・ハリス副大統領は6日午後、首都ワシントンで演説し敗北を認めた。支持者らに向け、理想のために戦うことを「決してあきらめない」よう訴え、「この選挙結果は私たちが望んだものではない」としながらも、平和的な政権移譲が必要だと強調した。1期目とは全く異なると言われるトランプ政権2期目の行方はいかに。

Vol. 1272

リトルポルトガル味めぐり

ニュージャージー州ニューアークはポルトガルからの移民とその子孫が多く暮らしていることで有名だ。今週は日本人の舌にも合うポルトガルの味を探訪、併せてリトルポルトガルの成り立ちにも迫る。

Vol. 1271

冬に飲みたくなる、贈りたくなる ウイスキー魅力再発見

ウイスキーといえば、近年ジャパニーズウイスキーが世界で注目を集め、希少価値も上がっているようだ。ウイスキーには、シングルモルトや、ブレンデッド、グレーンなど種類によって味が異なり、銘柄ごとの個性を楽しめるのも魅力だ。そこで今回は、ニューヨークでウイスキーの魅力を再発見してみよう。