大学進学を考える 日本と米国、二つの国で学び暮らす選択
コロナ禍を経験して社会は大きく変わった。日本社会も例外ではない。未来を見据えて、グローバルな大学進学の選択肢の一つとして、米国と日本で自分たちのルーツを生かす学びについて掘り下げる。
多くの医療従事者は家族との距離を取るため、ホテルに滞在していました。これは感染拡大防止のためでもあります。
その中には、まだ小さいお子さんを持つ人もいらっしゃいました。同僚が、「仕事を終えて家に帰った時に、2歳になる子供が駆け寄って来るのだけど、すぐに抱きしめてあげることもできない。コロナウイルスが付着しているかも知れない身で、ハグすることで子供を危険にさらしたくない。ハグしてもらえなかった子供の悲しそうな顔を見ると、胸が苦しくなる」と心境を語ってくれました。
この新型コロナウイルスパンデミックは感染者のみならず、医療従事者にも多大なダメージを与えているのが分かります。
数字に現れる回復
今回の騒動で多くの人が亡くなりました。メディアではそのほとんどが高齢者に多いといわれていますが、実際私が受け持った患者さんには10代から40代の人もいました。若い年代でも、コロナ感染により半身不随になってしまった人や、命を落とされた人もいます。
通常、インフルエンザなどでICUに入院される人は、1、2週間ほどの治療期間を経て一般病棟に移送されますが、今回のコロナ感染者で重症化した人たちは1〜2カ月以上をICUで過ごされていました。しかし、6月下旬にはコロナ感染者数は著しく減少し、多くの患者さんは一般病棟に移送され、退院もされました。
現在はICUでも1〜2人程度で、院内にもようやく明るいきざしが見えてきたようです。ニューヨーク市民の皆さまが、3月からの自宅待機、外出時のマスク装着などの徹底した予防対策に協力してくださったおかげで、ニューヨークが回復に向かったと言っても過言ではありません。
また、コロナウイルスに対する不十分な情報の中、命をかけて働いていた医療従事者の仲間には感謝の意を表します。
街中でマスクを装着する光景は、ニューヨークの新たな日常となった
引き続き「守る」ことが
今は何よりも重要
新型コロナウイルスの第2波を予防するためにも、回復した今、私たち医療従事者が伝えたい事は、「自分の身は自分で守り、それは他者をも守ることができるという事を忘れてはいけない」という事実です。
徐々にビジネスが再開してきていますが、一部では気の緩みからかマスクを装着せず外出し、レストラン外で密接に食事をされている人も見かけます。
長期自宅待機からの解放は、ニューヨーク市民にとって精神的な安らぎやストレスの軽減につながっていることと思います。しかし、国民一人一人の命を守るため、また亡くなった人々のためにも、引き続きコロナ感染予防を実施して行くことが必要となります。
近い将来、コロナウイルスが完全に消息し、世の中の人々がまた笑顔で生活が出来ることを祈って(次週に続く)。
〈おことわり〉
このコラムは、筆者の体験を元に構成・執筆しており、勤務病院の見解を示すものではありません。
柿沼香折さん
ニューヨーク州認定看護師。14年間で、州内の複数の病院で医療に従事。
今年3月1日からは、マンハッタンのNew York-Presbyterian/Weill Cornell Medical Centerにて勤務している。
その傍ら、個人カウンセラーとしても活動中。
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