大学進学を考える 日本と米国、二つの国で学び暮らす選択
コロナ禍を経験して社会は大きく変わった。日本社会も例外ではない。未来を見据えて、グローバルな大学進学の選択肢の一つとして、米国と日本で自分たちのルーツを生かす学びについて掘り下げる。
——2人が知り合ったきっかけは?
西岡 綾香さんは同じダンススクールの先輩で、入学1年目に学校の共通の知り合いの紹介で(綾香さんの)ワークショップを受けたのが最初でした。
——お互いの第一印象は?
谷口 元気いっぱいで、何事にも真っすぐで、頑張る人。そして踊りも上手という印象でした。
西岡 綾香さんは喋り方や物腰が落ち着いていて、しっかりした、大人の女性という印象でしたね。
——新型コロナの影響で、予定はどうなりましたか?
谷口 夏にはツアーも控えていて公演の予定もあったんですが、全部キャンセルになってしまいました。
西岡 いろいろオーディションも受かって、舞台のリハーサルも決まっていましたが、次々にキャンセルのメールが来て。一時期、携帯が本当に嫌いになりました。オーディションシーズンが終わって、これからパフォーマンスがいっぱい始まるという時期だったのでショックで、めちゃくちゃやけ食いしちゃいました(笑)。
谷口 分かります。舞台がないから、そんなに食事制限しなくていいので、普通に好きなものを食べちゃう。舞台前には炭水化物はあまり食べないんですが、今は普通に食べています。
——元の生活に戻る準備は始めていますか?
西岡 筋トレとかはやっているんですけど、家ではモチベーションが上がらないですね。
谷口 家だとできることが限られちゃいますからね。私も筋トレをしたり、所属カンパニーのオンラインリハーサルで振り付けを覚えたり。でも先が見えないので、まだスイッチが入ってなくて、突っ走る感じにはなっていないかも。
——今回のことで変わったことはありますか?
西岡 ダンスはライブ感がないと伝わらないんです。ビデオでは、飛び散る汗や息遣いといった、肌で感じるものが伝えられない。でも、今回オンラインリハーサルに変わっていったり、ビデオで作品を発表する団体も増えてきたりして、「これからは形態を変えていかなければと」すごく考えました。新しいダンスの分野が増えたんじゃないかと思います。
谷口 踊りって人間と人間を通して伝わるものだと思うので、やっぱり生で見るからいい。今回それがすごく分かりました。でも、オンラインでヨーロッパの有名なカンパニーの舞台を見ることができたり、見る機会がなかったバレリーナの友達の舞台も初めて見ることができたので、そういう面ではよかったと思います。
西岡 ある意味、この時期は踊りのコミュニティーを広げるチャンスだと思うんです。最初にビデオで見てもらって、それを生で見たら、その十倍くらい楽しめます。でもダンサーにとっては、今は不完全燃焼な時期だと思います。
——元に戻った時に、一番やりたいことは?
谷口 ただただ普通の生活に戻りたいです。毎日リハーサルしてクラスに行って、ツアーから帰ったらまたパフォーマンスして、という日常が、今はすごく恋しい。リハーサルでもストレスはあるし、舞台で全然だめだったことや、けがをしても無理やり踊ったこともある。辛いことはたくさんあるけれど、それが恋しい。自分はやっぱり踊りが好きなんだなと思います。大きな舞台でお客さんの目の前で踊ることがすごく恋しい。一日中踊りのことを考えていた頃が恋しいです。
西岡 俺も同じで、早くスタジオで踊りたい。三つリハーサルが同時にあって、立てなくなるぐらい疲れたこともあったけど、今はそれくらいやりたいです。こんな状況になってしまって、何のためにここにいるんだろうと思うときもありましたが、逆に本当に自分のやりたいことを再確認できる機会でもありました。日本から来たダンサーが、踊れなくなって帰ってしまっている状態がとても悲しいです。「続けたやつが最終的に残る」と師匠からいわれましたが、やりたいことは最後まで諦めないでほしいです。
写真左:谷口綾香
東京都出身。2013年に来米し、The Ailey Schoolに入学。在学中にアルビンカンパニー、メモリア、ガラパフォーマンスに出演。16年から数々のカンパニーに所属。現在はThe Ride NYC、Ballet Nepantla、Yu.s.artistry でダンサー活動を行っている。Instagram: ayaka_taniguchi_
写真右:西岡翼
大阪府出身。埼玉全国舞踊コンクールで3位入賞、NBAバレエ団の主催のコンクールで2位入賞。同バレエ団の本公演への出演などを経て、2017年にニューヨークに活動の場を移し、The Ailey Schoolに特待生として在籍。現在さまざまなカンパニーに所属し、ダンサー、振付家、指導者として活動。
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