大学進学を考える 日本と米国、二つの国で学び暮らす選択
コロナ禍を経験して社会は大きく変わった。日本社会も例外ではない。未来を見据えて、グローバルな大学進学の選択肢の一つとして、米国と日本で自分たちのルーツを生かす学びについて掘り下げる。
——2人の出会いは?
しほり 2年前、ベッドが欲しくてフェイスブックで探しているときに、みぎわさんとつながって(笑)。
宮嶋 私のベッドをあげようかという話になってね。音楽と全然関係ないところで知り合ったんです。
——いつも、作曲の仕事はどこでしているのですか?
しほり カフェとか、外で作業することが多いです。
宮嶋 私もパソコンを持って、近くのカフェでやることが多いですね。
しほり カフェはすごく大事。インスピレーションが左右されます。
宮嶋 曲を書く時、どこまで(の工程を)やるの?
しほり ピアノと歌で、簡単なデモ音源まで作っています。それに肉付けをする人が別にいて、チームワークで仕事をしています。
宮嶋 なるほど。私は演奏するオーケストラを自分で持っていて、チームメンバーに楽譜を書いて司令を出し、リハーサルやコンサートの日を設定して、宣伝の打ち合わせやお給料の配布まで全部私の仕事です。それと別に、アーティストとして個人活動しているものも自分で宣伝します。
しほり オリジナル曲を作ることに関しては私も同じで、譜面を書いて、ミュージシャンと打ち合わせをして、リリース作業や宣伝や戦略も考えて…と、全部自分でやっています。
——どんなときに曲ができるものでしょうか?
しほり 神様に「こういう曲を書きたいんです」とオーダーすると、ピッとアイデアが出てくる。
宮嶋 しほりちゃん、言うことがさすがだな(笑)
しほり コンペの話が来たら、「神様、いい曲よろしく」とオーダーすると、夜にシャワー浴びている時とかにぱっと降ってきます。ぱぱっと書き留めて、15分くらいで1本、曲ができます。
宮嶋 私の場合は作業量が多いので、ひらめきを待っていられる期間が短いんです。ひらめかなくても書けるくらい、能力がある人にならないとね。最近は朝9時から3時間、とにかく書きまくっていたら意外と書けることが分かりました。
しほり 私も3曲同時に書いたこと、ありますね。
——2人が好きな曲調やリズムはどんなものですか?
しほり 私、メロディーフェチなので、美しいメロディーで感情をぐっと動かすものが好き。どんな曲でも必ずメロディアスにします。
宮嶋 最近凝っているのが、日本の音階とジャズを混ぜる、というやつ。
しほり 相性がよさそう!
宮嶋 日本っぽい音階が入っているものをジャズのアレンジで演奏すると、すごくオリエンタルに聞こえるみたいで、観客は大興奮。
しほり 私もメロディアスな部分に、アメリカのサウンドやビートをかっこよく混ぜられたらいいなと試行錯誤しています。ジャンルを表しにくいんですが。
宮嶋 最近はどの音楽ジャンルの人も、軸足は持っているけど他のこともできるというのが普通で、作曲をやっている人はどんなジャンルも取り入れていますね。日本は「道を極めるなら二つ以上のことをするのはだめ」という傾向があるけれど、アメリカは二つ以上のことができると天才といわれる。
しほり こっち(アメリカ)は肩書が多い方がよくて、自分のことを「ピアノ弾き語りシンガー・ソング・ライター」というと、すごいねとほめてもらえます。
——では、そんな2人が今後やってみたいことは?
しほり 女優の仕事。歌手と女優になりたくて同時にやってきて、たまたま音楽のほうに行ったんですけど、何本か映画に出たこともあるので、演技にも絶対挑戦してみたいです。
宮嶋 今、音楽業界は転換期で、お金を払わないで音楽を聴くのが当たり前の時代です。音楽を作っている私たちと、聴いてくださる人とのコミュニケーションの仕方が違う。でもどっち側も、まだ今以上の新しい方法を見つけられていないので、今、それを考え中。ぜひ実現させてみたいです。
〈編集注〉この記事は3月に取材したものです。
写真左:宮嶋みぎわ
茨城県生まれ。上智大学卒業後、リクルートに就職。30歳で音楽家に転身。「The Vanguard Jazz Orchestra」副プロデューサーとしてグラミー賞に2度ノミネート。2012年に来米。今年3月、ニューヨーク市が優秀なアーティストに送る、女性芸術家支援制度の一期生に選出miggymigiwa.net
写真右:しほり
愛知県出身。2002年に「ゼクシィ」CMソングの歌唱で話題に。07年「瀬名」名義でメジャーデビュー。水樹奈々、ももいろクローバーZなどへ100曲以上を提供。18年に来米。今年2月7日、作家デビュー10周年を記念したセルフカバーアルバム「SHIHORISM」を配信リリース。shihoriartist.com
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