モップで! バナナで!?「家にあるもの」で37人が挑む殺陣アクション

武士道は、時には調理器具にだって宿るもの。

ニューヨークで殺陣(たて)を教えている、香純恭(かすみ・きょう)さん率いる「殺陣波濤(はとう)流NY」が、先週、ちょっとユニークなビデオを公開した。その名も、「殺陣アクションリレー」。女優の本田真穂さんを含めた、同流に所属する37人が、「身の回りのもの」で戦いを繰り広げる様子を4分弱にまとめた作品だ。

 

 

通常は広々とした道場で思い切り汗を流す彼らは、自宅待機が始まってからはFaceTimeなどを駆使して独自にバーチャル自主練をスタート。離れていても失わない「想像力と絆」を使い、何か作品を残そうと思い立った。

イレギュラーな環境だからこそ面白い

「それぞれの生徒の環境や状況を踏まえながら、個性を生かせる手順と使える武器を考え、カット割りや流れを決めました」と、香純さんは振り返る。「部屋の広さにも限界がありますし、次のカットにつながらないといけませんから、解説ビデオを作り、とにかくカメラアングルを徹底的に覚えてもらいました」

フライパンで防御しつつ、しゃもじを華麗に操る主婦

 

バナナを武器にする強者も

制作指揮も担当した本田さんは、「小さな家の中で、何も壊さず安全に練習と本番ができる場所を見つけ、パートナーに何十回も撮影をお願いするのは大変でした」と語る。動画の最後にはそれぞれのキャストのNG集があり、限られた条件下でいかに体を動かすかに四苦八苦する様子がうかがえる。しかし、キャストの表情はどれも挑戦を楽しむ明るいものだ。

「どういうシチュエーション?」と思わせる、個性豊かな衣装や撮影場所にも注目。

郊外在住の生徒は屋外で披露

 

キャラクターの濃さ!

同道場は現在、初級、中級やキッズクラス、個人レッスンなどの多様なオンラインクラスを展開。課題の解説ビデオや、香純さんを相手に称える「バーチャルファイトビデオ」を活用することで、物理的障壁に挑んでいる。

「ニューノーマル」の展開を考える

相手の存在により真価を発揮する殺陣で、相手がその場にいない。この前代未聞の事態を、香純さんはチャンスとも捉えている。

「一日も早く、生徒たちと顔を合わせて稽古したいということに尽きますが、オンラインコミュニケーションが今や『ニューノーマル』となってきている今、新たなエンターテインメントの形を考える良い機会だとも思います。新しいビデオプロジェクトもたくさんやりたいですし、映画と舞台が一緒になったような試みもしてみたい。止まってしまっている映画の製作も完成させたいし、他州や他国とつながる、オンラインと出稽古を合わせたような企画もやりたい。考えると尽きないですね。それだけでワクワクします」

 

殺陣波濤流NY道場

www.tate-hatoryuny.com

2014年設立。子供や初心者、プロの俳優に至るまでの、幅広い層の生徒を指導。代表の香純さんは、殺陣師、アクションコーディネーターとして映画や舞台のアクションシーンにも携わっている。ニューヨークを拠点とした全米各地でのイベント出演の他、短編映画「First Samurai in New York 」をプロデュースするなど、活動の輪を広げている。

 

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