<写真レポ>ニューヨーク市の食料配給を利用してみて

ニューヨーク市に住む人であれば誰でも利用可能な、無料の食糧配給サービス「FoodHelpNYC」を利用したという、クイーンズ区在住のワンダフルメイさんからお話を聞きました。写真と一緒に紹介します。

 


<ニューヨーク市の食料配給について>

ニューヨーク市が行う食料配給「FoodHelpNYC」はニューヨーク市内に住む人ならだれでも利用でき、食料の受け取りに身分証明書などは必要ありません。

食料配給が行われるのは月曜~金曜日。子供と家族連れは、朝の7時半~午後1時半、大人は午前11時半~午後1時半の間に、配給場所に指定されている学校に行くと食料を受けることができます。配給場所はこちらのマップで確認することが可能です。

 

<レポート>

会場に着いてから受け取るまで

学校の校舎の中へは、1人ずつしか入ることが入ることができず、自分の前の人が食料を持って校舎から出てきたのを確認してから次の人が校舎へ入るシステムになっていました。これは各会場によってシステムが異なるかもしれません。

12時過ぎに学校へ到着たときには、すでに順番待ちの列が出来ており、20人ほどが並んでいました。並び始めるとすぐに私の後ろにも続く列ができました。

校舎に入ると、必要なセット数を聞かれました。家族の分をもらう必要がある人は助かりますね。配給する人の手際もよく、受け取りにかかる時間は、わずか5秒ほどでした。

 

実際にもらえたもの

 

紙袋に入った昼食用のセットと、小さなビニール袋に入った朝食用のセット。

 

 

朝食用のビニール袋の中には、チョコレート風味の無脂肪牛乳と、カップに入ったフルーツ(今回は桃)、そして、家に持ち帰る間に潰れてしまったのですが、アップルシナモン味のマフィンが入っていました。

 

 

こちらが紙袋に入っていたもの。写真中央手前はチキンサンド、写真奥は(左から)ランチドレッシング、コーンソテー、チョコレート風味の無脂肪牛乳、カップに入った果物(これはイチゴ)

 

 

サンドイッチは、チキンフライが挟まれているシンプルなもの。予想以上に、そのままでもしっかりとした味付けでした。ランチドレッシングが入っていたので、もしかしたらサンドにかけるためのものだったのかもしれません。

私が行った時には、チキンサンドかピーナッツバターサンドの2種類から選ぶことができました。

 

 

コーンソテーの味付けは、ガーリックと塩コショウ。毎日調理してくださる人たちへの感謝の気持ちが溢れますね。

 

今回、実際に食料配給を利用して感じたのは、配給を生活の助けにしている人が多いということ。20代くらいの若者から70代以上の人まで、さまざまな年齢層の人が受け取りに来ていました。

少し心配していた配給場所周辺の治安ですが、私の行った場所では、ソーシャルディスタンスを保ちながらも、順番待ちの間に世間話をしている人や、犬の散歩のついでに立ち寄ったと思しき男性がいたり、予想以上に和やかな雰囲気でした。

1人で家族の人数分を受け取れることもあり、家族全員で配給制度を頼りにしている家庭も少なくないのだと感じました。


 

ワンダフルメイさんは今回、食料配給を利用されたということですが、ニューヨーク市では他にも、食料品の寄付の受付や、食料の買い出しに行けない状態の人のために食料のデリバリーサービスも行っています。

詳細は、COVID-19 Food Assistance Resources のリンクからご確認ください。

関連記事

NYジャピオン 最新号

Vol. 1203

大学進学を考える 日本と米国、二つの国で学び暮らす選択

コロナ禍を経験して社会は大きく変わった。日本社会も例外ではない。未来を見据えて、グローバルな大学進学の選択肢の一つとして、米国と日本で自分たちのルーツを生かす学びについて掘り下げる。

Vol. 1202

メトロノース鉄道に乗って行く 週末プチお出かけ〜コールドスプリング編〜

メモリアルデーとともに本格的な行楽シーズンが到来。日帰りディストネーションとしてニューヨーカーに人気のパトナム郡コールドスプリングを訪ねてみた。

Vol. 1201

注目の起業家たちにインタビュー〈続編〉 ニューヨークで奮闘する革新者たち

既存のビジネスの枠に収まらない彼らが新たに切り開く道こそが、未来を変える。その情熱とアイディアの根源を聞いた。これから起業したい人必見!

Vol. 1200

今、ニューヨークを駆け抜ける 注目の企業家たち

社会にイノベーションを起こした女性起業家たちにインタビュー。彼女たちの情熱とポジティブなマインド、アイデアをビジネスに変えるまでの方法を聞いた。次号は男性篇をお届け。これから起業したい人はお見逃しなく!