国際金融機関勤務マックギネス美和 X フリーライター田辺幸恵

テーマ:ライフコーチ

大人向けライフコーチのマックギネス美和さんと、親子向けライフコーチの田辺幸恵さんが、それぞれ異なる環境にいるクライアントへの、コーチングについて語った。


—そもそもコーチングとは何でしょうか?

幸恵 元々は人材育成に使われていた手法で、その人の求める未来に近付くために何ができるか、サポートするものです。

美和 日本でも、目標達成を目的に企業で活用されていました。最近では、学生の進路指導や子育てに伴うストレスの軽減などにも使われていますね。

2人がコーチングに出合ったきっかけは?

幸恵 私は産経新聞でスポーツを担当していた時に、成功するアスリートと消えていくアスリートをたくさん見てきたのですが、コーチや親が主導的に子供を引っ張って成功したパターンはありませんでした。どこまで、どうサポートしてあげたら良いか、という部分で、コーチングがリンクしました。

美和 私はロンドン、東京そしてニューヨークと仕事をして、優秀な日本女性が文化的理由からか自己否定に入って、自分の価値を下げてしまうのが残念だなと思っていました。必要があれば外に助けを求め、どんどん活躍していってほしいということを、ニューヨークから日本へ発信したいという気持ちがあります。

—それぞれクライアントはどんな人が多いですか?

幸恵 やはり子育てに悩むお母さまたちですね。自分が育った国ではない所で、学校を含む社会と関わって、違う文化の中での子育て。「自分は子供に何をしてあげられるか」という相談が多いですね。

美和 私の場合は職業を持っている女性、もしくは家庭と両立している女性が多いです。

実際のセッションはどのように行うのでしょう?

幸恵 まずは現状把握。そこからクライアントがどういう自分、状態になりたいのか、そのために今できることを探し出します。

美和 現実となりたい未来とのギャップを見つけ、なぜそこに行けないのか、クライアントと一緒に見極める。思考がぶれないようにフォーカスさせ、モチベーションを持続させるのが、コーチの仕事ですね。

幸恵 継続していくうちに、自分の言葉の中に答えを見つけ出すようになる。その人の中に「コーチが育っていく」過程を手助けするんです。誰でも無意識にやっている事なのでしょうが、それを意識的にするのが私たちの仕事。コーチングを受けた母親が、子供たちや夫のコーチになれたら、子供、夫が変わっていく。そして学校や会社内の人間関係も変わっていく。幸せが広がっていく種まきになりますよね。

美和 そう。相談窓口やサポートグループと同様、コーチングも一つのツールですね。

2人はお互いの事をどう評価していますか?

美和 幸恵さんはジャーナリズム出身だからか、とにかく冷静で、物事の本質を見極める力が強い。そして優しいですね。

幸恵 ふふふ。美和さんはやはり職業柄、分析力が高いし、キャリアも人生も経験値が高い。頼りにしています(笑)。

最後に、今後の抱負をお願いします。

美和 やはり日本の女性に、もっとリーチアウトする力を付けて、もっと自分を表現する勇気を持ってほしい。私自身が国際結婚、離婚を乗り越え、シングルマザーとしてニューヨークで仕事、子育てをしています。そういったことで悩み、誰かに聞いてほしいという人をサポートしたいです。

幸恵 私はやはりスポーツをする子供と、その親をサポートしていきたい。ある統計では、75%の子供が13歳ごろまでにスポーツを止めてしまう。大学をスカラシップで入れたいという親の追い込みが、子供の心と体を壊してしまうんです。思春期の子供の心のバランスも取ってあげながら、モチベーションを持続していけるようコーチングをしていきたいです。

リーチアウトする勇気を持って —美和

幸せが広がっていく種まき —田辺

 

 

写真左:田辺幸恵

産経新聞のスポーツ記者を経て、2006年にフリーに転身、来米。11年に長女出産後、NPO法人マザーズコーチ・ジャパン認定資格取得。書籍「ダメ母の私を変えたHAPPY子育てコーチング」(PHP文庫)の編集を担当。Yahoo! や雑誌「LEE」ウェブ版で連載中。reservestock.jp/page/step_mails/2216

 

写真右:マックギネス美和

マザーズコーチ・ジャパン認定コーチ。国際金融機関に勤務するかたわら、プライベートセッション、コーチングスキル養成講座、ポジティブ心理学講座を米国内外で展開。「ニューヨーク子育てClub」および「海外生活応援 NY La Vie」を主宰。Facebook: NewYorkKosodateClub

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