スペシャリストに聞く ②購入の流れ(古本不動産)

今月のテーマ:不動産購入の基礎

気に入った不動産物件を見つけたら、不安要素を一つずつ確認し、購入に向けて迅速に行動することが大事だ。今週は、忘れがちな購入時の注意点を、専門家が解説。

 

Q. 購入前に、物件はどの程度見学すべきでしょうか?


A.

個人差がありますが、見学はできる限りした方がいいと思います。個人的には、購入前に30件は、ぜひ見比べてみてほしいですね。

物件写真だけでは判断しづらい要素として挙げられるのが、部屋からの景観と、室内に入ってくる光の量です。また実際に物件内を歩いて回ることで、日常生活の自分の動線を妨げない設計か、サイズ感は問題ないか、なども確認できます。

クローゼットの大きさや水回りの使い勝手、食洗機が自分で設置できるかなども、細かいですが確認を忘れがちなポイントです。

またリノベーションができる物件か、そしてリノベーションが必要かなども、物件見学時に質問しておきましょう。

 

 

Q. 管理会社がしっかりした物件かを見分けるポイントは?


A.

普段の日常生活では目に付きにくい場所が、しっかり管理されている物件は、マネジメント全般にしっかり対応してくれる可能性が高いです。

物件見学の際、地下の用具置き場(handyman’s room)やごみ捨て場、共用ストレージなどの環境もチェックしてみてください。

共用ストレージの貸し出しを行っている物件もありますので、確認してみるといいですね。

 

Q. 購入検討時に、支出としてよく忘れられがちな費用はありますか?


A.

毎月のコモンチャージの他、維持費(assessment fee)が発生する場合があります。

これは建物内の共用部分(エレベーターや廊下など)で修理が必要になった場合、その費用を建物内の住人で折半して、負担するものです。

プールなどの豪華な共有施設があったり、使用人が多いといった建物は、維持費が高くなる可能性が高いです。

購入に際しては、利便性とのバランスを考慮することをオススメします。

 

Q. 理想の物件を見つけてからの流れを教えてください。


A.

ここからは迅速に行動します。物件にもよりますが、オファーが売り手側に承諾(accept)されるまでが、だいたい数日、そこから契約までが通常1週間〜10日間とみてください。

承諾の時点では他の入札者がオファーを入れ、自分が競り負けて、契約に結びつかないケースもまれにあります。

弁護士が不動産の分析と調査を行ったら、買い手はすぐに契約書に署名をし、デポジットを支払います。そして売り手が契約書に署名して返信すると、晴れて契約完了になります。

契約後にローンが必要な場合には、申し込みます。

次に、ボード(管理組合)の審査、そしてコープの場合には書類審査の他に面接があることがほとんどです(次号で詳しく解説)。

申し込みに必要なのは、推薦状、過去2年分の確定申告、資産証明書などで、不動産業者が作成のお手伝いをします。

ボードの許可が下りたら、クロージングの日時を決定します。直前に物件の最終確認(ウォークスルー)を行い、決算(クロージング)となります。

〈おことわり〉

当社は、掲載記事の内容に関して、一切責任を負いかねます。詳細は各専門家にご相談ください。

 

北川七菜子さん

ニューヨーク州ブローカー免許保持、同州不動産協会会員、認定交渉専門家。
住宅売買・賃貸のスペシャリスト。
特に投資物件に関しての知識が豊富。
バレリーナとして、カナダ、ヨーロッパ、アメリカで活躍後、2008年より現職。

 

Furumoto Realty of NYC, Inc.
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