今年9月にアラ&
今月のテーマ:不動産購入の基礎
気に入った不動産物件を見つけたら、不安要素を一つずつ確認し、購入に向けて迅速に行動することが大事だ。今週は、忘れがちな購入時の注意点を、専門家が解説。
Q. 購入前に、物件はどの程度見学すべきでしょうか?
A.
個人差がありますが、見学はできる限りした方がいいと思います。個人的には、購入前に30件は、ぜひ見比べてみてほしいですね。
物件写真だけでは判断しづらい要素として挙げられるのが、部屋からの景観と、室内に入ってくる光の量です。また実際に物件内を歩いて回ることで、日常生活の自分の動線を妨げない設計か、サイズ感は問題ないか、なども確認できます。
クローゼットの大きさや水回りの使い勝手、食洗機が自分で設置できるかなども、細かいですが確認を忘れがちなポイントです。
またリノベーションができる物件か、そしてリノベーションが必要かなども、物件見学時に質問しておきましょう。
Q. 管理会社がしっかりした物件かを見分けるポイントは?
A.
普段の日常生活では目に付きにくい場所が、しっかり管理されている物件は、マネジメント全般にしっかり対応してくれる可能性が高いです。
物件見学の際、地下の用具置き場(handyman’s room)やごみ捨て場、共用ストレージなどの環境もチェックしてみてください。
共用ストレージの貸し出しを行っている物件もありますので、確認してみるといいですね。
Q. 購入検討時に、支出としてよく忘れられがちな費用はありますか?
A.
毎月のコモンチャージの他、維持費(assessment fee)が発生する場合があります。
これは建物内の共用部分(エレベーターや廊下など)で修理が必要になった場合、その費用を建物内の住人で折半して、負担するものです。
プールなどの豪華な共有施設があったり、使用人が多いといった建物は、維持費が高くなる可能性が高いです。
購入に際しては、利便性とのバランスを考慮することをオススメします。
Q. 理想の物件を見つけてからの流れを教えてください。
A.
ここからは迅速に行動します。物件にもよりますが、オファーが売り手側に承諾(accept)されるまでが、だいたい数日、そこから契約までが通常1週間〜10日間とみてください。
承諾の時点では他の入札者がオファーを入れ、自分が競り負けて、契約に結びつかないケースもまれにあります。
弁護士が不動産の分析と調査を行ったら、買い手はすぐに契約書に署名をし、デポジットを支払います。そして売り手が契約書に署名して返信すると、晴れて契約完了になります。
契約後にローンが必要な場合には、申し込みます。
次に、ボード(管理組合)の審査、そしてコープの場合には書類審査の他に面接があることがほとんどです(次号で詳しく解説)。
申し込みに必要なのは、推薦状、過去2年分の確定申告、資産証明書などで、不動産業者が作成のお手伝いをします。
ボードの許可が下りたら、クロージングの日時を決定します。直前に物件の最終確認(ウォークスルー)を行い、決算(クロージング)となります。
〈おことわり〉
当社は、掲載記事の内容に関して、一切責任を負いかねます。詳細は各専門家にご相談ください。
北川七菜子さん
ニューヨーク州ブローカー免許保持、同州不動産協会会員、認定交渉専門家。
住宅売買・賃貸のスペシャリスト。
特に投資物件に関しての知識が豊富。
バレリーナとして、カナダ、ヨーロッパ、アメリカで活躍後、2008年より現職。
Furumoto Realty of NYC, Inc.
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